思想で溢れたメモリー

やみくも

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6章―A  ー心別編ー

127.とんでもない力比べ

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 刹那、刀と大剣が衝突し、間合いを少し取ると、ギルムは何倍にも範囲が広がった血核殲判を放った。
 しかし、デルタは大剣のエネルギーを個体化させ、刃に地殻のようなものを貼り付けた。そしてその大剣を振ると、斬撃波は相殺された。

ギルム「相変わらずイカれた防御力だ。それに加え攻撃の重みがえげつねぇからな。」

 デルタは地殻を粒子状に戻し、大剣を地面に突き刺して言った。

デルタ「裏切り者には抵抗の余地すら与えないものだ。厳しい自然界で我々レジスターが生存出来ているのは、この適応力があってこそなのだ!地術:針隆起」

 すると地面が揺れだし、ギルムの真下から刺々しく地面が隆起したが、ギルムは跳び躱しながら2本の刀を構えた。

ギルム「この戦況すら利用して適応する。流離いのレジスター舐めんじゃねぇよ。剣術・秘技:触輪滅」

 禍々しい赤いエネルギーが刃から増幅して2本の刀を身体を軸にして振ると、ギルムを中心として鋭い斬撃波が球状に隙間無く飛ばされ、隆起した地面を崩した。

デルタ「おいおいどういう事だ?地面にエネルギーを流し込んで地殻の半分位の硬さになっているはずだぞ。」

ギルム「多色発動時は、それぞれの刀に秘められた人格(力)が合わさる。どうやらその威力はそれを上回るようだ。」

デルタ「ハッ!やはりお前は面白い!騎士団長時代からその強さは健在だが、更に鋭さが増している!……こりゃ始末のしがいがあるものだ。」

 そう言うとデルタは大剣に地殻を纏い、一気に間合いを詰めてきた。







 

 鎖を暴走させるチェインは、目に見えない相手であるエヴィセルを意外にも苦戦させていた。

エヴィセル「……。(中々に手強い。搦め手は得意分野だが、力比べになると流石に劣る。)まぁそれでもくたばりませんがなね。」

 すると、チェインの視界が元に戻り、エヴィセルが姿を現した。

チェイン「こそこそするのは終わりか?」

エヴィセル「このままでは埒が明きません。消耗戦はこちらから一方的に行動を起こしてなんぼですから。…こうなれば自棄だ。」

 エヴィセルはエネルギー弾を大量に生成し、一気に放った。

チェイン「ゴリ押しか。魔術:鎖の狂乱舞」

 迫るエネルギー弾をチェインは鎖に蒼炎を纏って、難なく相殺してみせた。
 そのまま紫炎に変換し、エヴィセルに向けて集中的に鎖を飛ばした。

チェイン「じゃあな。魔術:命散の鎖文字・紫」

エヴィセル「ここで終わってたまるか。枢術:目眩まし周波」

 すると、エヴィセルから白く輝く光が迫る鎖を防ぐバリアとして現れた。

チェイン「うぐっ!」

エヴィセル「このエネルギーバリアはそこまで優れたものでは無いが、発光する。そちらが勝手に弱体化してきたところで押し潰す。」

 しかし、チェインの鎖の出力は、負けじと増幅していた。

チェイン「覚えとけ。バブルはそんな軟な同盟で無い事を!」

エヴィセル「くはっ!こ、こいつ……!あぁぁぁぁぁ!」

 轟音と断末魔が鳴り響き、エヴィセルから放たれたエネルギーは次第に晴れ、チェインが姿を現した。それを遠くで傍観していたファーマ達が来た。 

ファーマ「凄いな……。無茶苦茶やってんな。」

チェイン「こいつは覚醒又はそれに代わるものを使っていなかった。早期決着が結局一番だな。俺達はかなり消耗した。今更加勢しても足手まといだろう。」

深雅「先に機内に戻るか。こいつらの治療も急遽必要になった。」

ファーマ「だな。」

 エヴィセルに勝利した彼らは、負傷した心明、萌愛、李朱樹を担いで上陸に向けて前進した。

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