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やみくも

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6章―A  ー心別編ー

流離いのレジスター

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 ギルムは1本の刀を収納し、戦闘態勢に入った。

ギルム「次はそこの弓の悪魔だろ?ハンデだ。近接戦闘が不利になっちゃうからな。」

 ファーマは弓を取り出し、二丁拳銃式のボウガンに変形させた。

ファーマ「そういえばこっちが本来の戦闘スタイルだったっけな。こいつらと出会ってから後方支援が多かったからすっかり忘れてたわ。…久々の本気中の本気モードだ。」

 ファーマは地面を蹴り一気に跳躍して、二丁のボウガンから魔力を凝縮させた矢を撃ち込んだ。

ギルム「フィジカルも良さげだな。斬り捨ててくれよう。」

 ギルムは刀を振り矢を弾こうとしたが、矢の重みが想像以上にあり、ガードで精一杯となった。

ギルム「やるじゃねぇか。ハンデは不要だな。左眼開眼」

 刀に深碧のオーラを纏い、矢を斬り捨て空中に居るファーマ目掛けて飛び上がった。

ファーマ「魔術:エコピストル」

ギルム「表面最大出力だ。剣術:禄千の竹林」

 連射されたファーマの矢はギルムの刀から常に放出される細かな斬撃波で撃ち落とされ、ファーマの眼前に迫った時、斬撃波となっていたエネルギーが刃に凝縮された。

ファーマ「くっ…!回避不能。」

曖人「援護する!」

 俺は光の斬撃波を飛ばし、ギルムに攻撃したが、ファーマに刃が届く方が僅かに速かった。

ファーマ「ッッ!……今までに受けた事の無い傷みだ。高度能力者なのは確定として、他にも何かあるな…。」

 斬撃波はしっかりギルムに命中しており、地煙が晴れ、ギルムが姿を現した。

ギルム「まだ生きてたか。殺すつもりは最初から無いけどな。蛮族を退く事が最優先事項。姫様に危害を加えさせる訳にはいかん。」

 確信に至った。やはり誤解されているようだ。

曖人「待て。誤解だ。俺達は陸地を探していたんだ。そしたら好戦的な姿勢を見せてきたから応戦したに過ぎない。」

ギルム「問答無用。あの攻撃を喰らって立てるなら、こちらも出力を変える必要がある。右眼開眼。」

 するとギルムはもう1本の刀を取り出し、右眼をオレンジ色に光らせ、刀に黒紅のオーラを纏った。

ギルム「斬殺遂行。剣術:血核殲判」

 二刀に凄まじいオーラを集中させて、乱雑に空を斬りながら回転すると、刹那大量の斬撃波が球場に広がった。







ギルム「これを受けて死なないか。サバイバル適性のある戦士だな。」

 俺はかなり被弾しながらも、光を地合金でかなりカットした。

曖人「はぁ……こっちは今旅の最中なんだよ…。得体の知れない敵を破る為に…強くなる理由がありすぎる…!」

ギルム「目標のために努力出来る所は良い事だ。だが、知らん。剣術:血核せ……」

???「ギルム!静止命令!」

 洞穴からそう声がすると、ギルムは眼の光を失わせ、戦闘態勢を解いた。

ギルム「何故出てきたのですか。危険に遭うかも知れないというのに。」

???「そちらの方々は悪い人ではありません。事情の説明を。」

 すると女の背後から心明、萌愛、深雅が現れた。

心明「燃料が底を尽きそうな所で攻撃を受けて、不時着したんです。ここに降りようとした理由は無人島だと思って、資源獲得の為です。」

ギルム「信用できるんですか。クリス。」

クリス「ええ。風の噂で知っていますから。ギルムは本当に世間を知らないんですね。」

ギルム「はいはい悪かったですよ~。世間に疎くて。」

 ギルムを説得するとクリスと呼ばれる女と俺の仲間達がこちらに来た。

クリス「うちの騎士団が大変申し訳ありませんでした。私はこの民族の長。クリスと申します。お詫びと言ってはなんですが、燃料となり得る資源の提供と、長旅で疲れてるでしょうし、滞在室をご自由にお使いください。では私達はこの辺で。ギルム!彼らを案内しなさい。」

ギルム「ですが姫様は…。」

クリス「敵は居ないんだし大丈夫ですよ。」

ギルム「……分かりました。」  

 クリスは洞穴の中へと戻って行った。










曖人「無事で何よりだ。どうやって説得した?」

 気になったので、経緯を話してもらった。

曖人「そんなに有名なのか…。」

チェイン「そりゃリヴォリーターが種族問わず高度能力者連れてたら噂にもなるだろ。」

 チェインとファーマも軽症で済んでいるようだ。とにかく一安心だ。

萌愛「安全も確認されたし私李朱樹連れてくるね。先に行ってて。」

 すると萌愛はジェット機の墜落場所の方に走っていった。

深雅「案内してくれ。」

ギルム「敬意が全く感じられねぇ。姫様の命令だし従うが、俺はお前達の奴隷になった訳で無いからな?」

曖人「ここにそう思ってる奴はいない。仮にも英雄と仲間達だからな?」

 俺達は不機嫌そうなギルムの案内の元、洞穴に入っていった。

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