思想で溢れたメモリー

やみくも

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5章ー天界編ー

114.憤怒の暴走

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エンデス「嘘だ……そんなの嘘だ!俺は期待通りの戦果を得る!神を信じない教祖などいないのだ。貴様ら全員廃人にして、天都を滅ぼし、その情報を必ず神々に伝える。それが俺の…使命なんだよォォォォォォ!」

 すると、エンデスの身体に装着されていたレーザーなどを撃つための機械部位が全て破壊され、身軽になった翼は赤く染まり、ナイフに纏われた思想エネルギーの力が急激に増加した。

カミリ「思想釈放していると言っても、リミッターは掛かっていたようだ。今の彼は現実を受け入れる事を諦め、怒りと莫大な力だけで動く怪物だ。」

コード「この制御できない状態で奴らの元に帰したら、ワンチャン内乱に持ち込めるか…?」

カミリ「流石に無理だろ。記憶塗り替えを可能とする奴がいる以上は。」

コード「まぁ…だよな。曖人。後は俺達に任せときな。お前が粘ってくれたお陰でこの戦況まで持っていけた。ありがとう。」

 そう言うと、コードとカミリは戦闘態勢に入り、エンデスに攻撃を仕掛けに出た。




エンデス「腹立たしい。この世の全てを壊し尽くしたい!濁術:紅無限斬」

 身軽に飛び交うエンデスは、ナイフにチャージした思想エネルギーを一気に放ち、流れ弾は付近の建物を倒壊させた。そんな超火力斬撃波を凄いスパンで飛ばしている。

コード「イカれてる…。久々にあの戦略を使うぞ。」

カミリ「了解。」

 カミリは斧に神聖魔力を纏い、張り巡らされた斬撃波の嵐を華麗な飛行でかいくぐり、接近した所で神聖魔力を炎に変換した。

カミリ「聖術:神冥誓葬」

 一気に凄まじい熱量となったカミリの斧は、エンデスに迫ったが、エンデスは赤いバリアを展開して、防いだ。

カミリ「神冥誓葬を一瞬でも防ぐなんて……執念に由来する力は恐ろしいものだ。コード君。」

 バリアの張られていない背後からコードはゲートで距離を詰め、至近距離空波で筋肉の集中力を低下させた。その弱った瞬間に、カミリは斧に大きく力を加え、バリアを割った。

 エンデス「こんなに接近して良かったのか?隙だらけで。濁術:失堕の翼」

 エンデスの翼から小さな自律神経を持つ翼が生えてきて、取り囲むと、正一六角形状にレーザーを結んだ。

エンデス「直径縦横10mだ。飛び回るには少しスペースが足りないんじゃないかァァ?」

コード「……悪いがこのフィールドは即刻破棄。お前に都合の悪い環境に一瞬で変えてやる。」

 そう言うと、コードは大量のゲートをレーザーに沿って展開し、ナイフを投げ込んだ。

エンデス「馬鹿な奴め。逃げ場は無いが、それは貴様らも同じ。バリアがある分こちらが有利だ。」

コード「それはどうかな?カミリ!」

 コードがそう叫ぶと、カミリはゲートに入り、斧を突き出させ、コードを囲った。エンデスも、バリアを球状に展開している。

コード「そんな生半可なバリアで大丈夫か?まぁ好都合だが。聖術:ゲート・プラズマスタン」

 コードのナイフがゲートからゲートにへと通過すると、失堕十六角形内部の空気は、強烈な電流が流れ始めた。

エンデス「だから何だという。今の俺の筋肉は絶縁体だ。バリア込みなら余裕で受け入れるんだよ!」

カミリ「その余裕がいつまで続くか見ものだよ。」

エンデス「ッッ!」

 ゲートからカミリが飛び出し、斧を振りかぶった。

カミリ「聖術・幻式:冥土の火鯱鉾」

 斧に纏う神聖魔力は鯱鉾のような姿を形成し、バリアを破壊し、エンデスに燃焼と麻痺を付与した。

エンデス「うがァァァァァァ!な、何が起こったァァ!」

 するとゲート内に避難していたコードが顔を出した。

コード「簡単な話だ。カミリの戦技幻式は、ありとあらゆる物質の性質を無視する。それに俺の神聖魔力を混ぜた。聞かれそうだから先に言っておくと、先に電流を流した理由は、万が一回避された時にも、確実に電気ショックを与える為に、導線を作りたかったからだ。」

エンデス「貴様らはどこまで用意……周到なのだァァァァァァ!!」

 エンデスは燃えながらも思想エネルギーを活性化させ、紅無限斬を放った。

コード「粘り強い奴だ!この距離でこの範囲は回避しきれない!」

カミリ「仕方が無い。数発受ける覚悟で終わりを狩るぞ。」

 コードは持ち前のスピードとゲートで。カミリは精密な飛行能力で掠りながらも受けきった。

 しかし、エンデスの斬撃波は、掠っただけでも細胞に直接干渉するほどのダメージを与えている。一般人だったら跡形も無くなるだろう。

コード「こいつは多少無理しないと突破出来ない類の奴だ。カミリ。付いてこれるか?」

カミリ「勿論可能。自分の多少の重症か天都かなら、天都を守る事が使命だからね。」

コード「ラストフェーズだ。いくぞ!」

 2人は神聖魔力を練りながら、再びエンデスとの間合いを詰めた。



曖人「………英雄たるものここで…傍観してる訳には…!……ただフォーメーションが崩れるのは避けたいな。今回はお預けか。あんな戦闘がいつか俺にも出来るのだろうか……。」



 
 
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