98 / 228
4章ー前兆編ー
98.マイホーム
しおりを挟む
俺、「威風曖人」はコードの生い立ちを知り、地球へと戻った。
これから始まるであろう戦いに備えて、優秀な人物に助けを求める為に。
曖人「隊長の承認は得た。いつ起こるかは分からないが、サイサリンの1件は奴らからの宣戦布告だと認識している。満場一致でな。俺はラピスラズリのトップであり、フェクのメンバーでもある。だから、向こうの件も片付けたい。最終的には、ここでの異変の解決に繋がるかもしれない。協力してほしい。お願いだ…。」
フェクのメンバーは純粋に戦闘力が高く、知識も豊富だ。
彼らの存在は、得体の知れない相手に対しては、必要不可欠だ。
心明「私は勿論ついて行く。」
深雅「同じく。」
萌愛「うん。」
あの世界に干渉した経験のある3人を同意させるのは容易だったが、他のメンバーは保留となっている。
タイムリミットに猶予があるかすら分からない現在、一刻も速く仲間に引き入れたい所だ。
彼らからの返答が無いまま2日が経過した現在、俺はコンビニに昼飯を買いに出掛けていた。
深雅「やる気は無いのか?染猗(しあ)。」
染猗「考えて無くはないよ。仲の良い後輩だからね。ただ、俺は正直身を引いて欲しいと考えている。危険な任務は俺とパワーゴリラだけに任せてほしい。」
深雅「曖人は成長速度が半端じゃない。留守にしている間そっちで何があったかは分からないが、後ろばかり見てる暇は無いだろう?」
浅倉染猗は最年長であり、心優しき人物で、2番目に強い。
深雅「とりあえず言いたいのは、あんまり長引かせるなよ。やるかやらないかだ。」
そう言って深雅は染猗の元を離れた。
俺が昼食を買って帰ってくると、心明が部屋に入って来た。
心明「中々決断出来ないみたい。多分死亡率が高い任務に無闇に手を出したくないんじゃないかな?」
曖人「お前はなんで命を賭ける覚悟があるんだ?」
ふと気になった為、尋ねてみた。彼女が任意の任務を断った所を、俺は見たことがない。
心明「フェクはあくまでも研究部。だけど、その過程で誰かを救う事になるとは、お父さんから聞いている。最初から覚悟は決めてるんだよ。」
曖人「……そうか。誰かしら説得は出来た?」
心明「昨日、これまでの曖人の活躍を話したら、李樹朱(りきあ)は乗ってくれたよ。」
浅倉李樹朱は染猗の弟であり、メンバー最強の人物だ。そのせいで、パワーゴリラと呼ばれている戦闘狂だ。
曖人「彼が居るなら心強いな。もうこれで良くないか?多分いざとなったら来るでしょ。」
心明「正直それで良いと思う…。」
他のメンバーは少し気難しい人が多く、全員が協力してくれるとは思っていない。
決して仲が悪い訳では無いが、戦闘経験がそれまで少なかった俺には、関わりが薄かった。
一応、本咲綾華という生物学に詳しい人にはかなり世話になっていたが、友人という感覚よりは、先輩感が否めない。
しかし、彼女から教わった知識を基に、俺は何度も窮地から脱出してきた。
曖人「本咲さんに話だけして、区切りにするか……。」
そして俺は本咲さんの居る倉庫に向かった。
曖人「本咲さん。」
綾華「曖人君。こうやって話をするのは久しぶりですね。」
彼女は読んでいた本を机に置き、こちらに顔を向けた。俺は向こうでの出来事をおおまかに話した。
綾華「そうですか…。お役に立てたなら幸いです。」
曖人「本咲さんは再び戦場に立つ気はありませんか?」
1歳上の彼女は、戦闘は可能だが、比較的に前線に出ない。
綾華「私は無理かな…。ごめんなさいね。」
曖人「いえ、謝る事ではありません。命の方が大事ですから…。」
綾華「でも、曖人君達が助けを呼んだ時には、仲間と一緒に駆けつけるから。皆さ…冷たいようで優しいんだよ…。」
俺もそれは思っている。深雅も学生時代は冷たい人のイメージが強かったらしいが、時折見せる優しさは、人々を魅了していたようだ。
他のメンバーのそういうエピソードも知っている。李樹朱だけはブレずに溌剌としてるが…。
後日、俺は同意を得た4人を連れて、一旦ラピスラズリ本部へと行った。
これから始まるであろう戦いに備えて、優秀な人物に助けを求める為に。
曖人「隊長の承認は得た。いつ起こるかは分からないが、サイサリンの1件は奴らからの宣戦布告だと認識している。満場一致でな。俺はラピスラズリのトップであり、フェクのメンバーでもある。だから、向こうの件も片付けたい。最終的には、ここでの異変の解決に繋がるかもしれない。協力してほしい。お願いだ…。」
フェクのメンバーは純粋に戦闘力が高く、知識も豊富だ。
彼らの存在は、得体の知れない相手に対しては、必要不可欠だ。
心明「私は勿論ついて行く。」
深雅「同じく。」
萌愛「うん。」
あの世界に干渉した経験のある3人を同意させるのは容易だったが、他のメンバーは保留となっている。
タイムリミットに猶予があるかすら分からない現在、一刻も速く仲間に引き入れたい所だ。
彼らからの返答が無いまま2日が経過した現在、俺はコンビニに昼飯を買いに出掛けていた。
深雅「やる気は無いのか?染猗(しあ)。」
染猗「考えて無くはないよ。仲の良い後輩だからね。ただ、俺は正直身を引いて欲しいと考えている。危険な任務は俺とパワーゴリラだけに任せてほしい。」
深雅「曖人は成長速度が半端じゃない。留守にしている間そっちで何があったかは分からないが、後ろばかり見てる暇は無いだろう?」
浅倉染猗は最年長であり、心優しき人物で、2番目に強い。
深雅「とりあえず言いたいのは、あんまり長引かせるなよ。やるかやらないかだ。」
そう言って深雅は染猗の元を離れた。
俺が昼食を買って帰ってくると、心明が部屋に入って来た。
心明「中々決断出来ないみたい。多分死亡率が高い任務に無闇に手を出したくないんじゃないかな?」
曖人「お前はなんで命を賭ける覚悟があるんだ?」
ふと気になった為、尋ねてみた。彼女が任意の任務を断った所を、俺は見たことがない。
心明「フェクはあくまでも研究部。だけど、その過程で誰かを救う事になるとは、お父さんから聞いている。最初から覚悟は決めてるんだよ。」
曖人「……そうか。誰かしら説得は出来た?」
心明「昨日、これまでの曖人の活躍を話したら、李樹朱(りきあ)は乗ってくれたよ。」
浅倉李樹朱は染猗の弟であり、メンバー最強の人物だ。そのせいで、パワーゴリラと呼ばれている戦闘狂だ。
曖人「彼が居るなら心強いな。もうこれで良くないか?多分いざとなったら来るでしょ。」
心明「正直それで良いと思う…。」
他のメンバーは少し気難しい人が多く、全員が協力してくれるとは思っていない。
決して仲が悪い訳では無いが、戦闘経験がそれまで少なかった俺には、関わりが薄かった。
一応、本咲綾華という生物学に詳しい人にはかなり世話になっていたが、友人という感覚よりは、先輩感が否めない。
しかし、彼女から教わった知識を基に、俺は何度も窮地から脱出してきた。
曖人「本咲さんに話だけして、区切りにするか……。」
そして俺は本咲さんの居る倉庫に向かった。
曖人「本咲さん。」
綾華「曖人君。こうやって話をするのは久しぶりですね。」
彼女は読んでいた本を机に置き、こちらに顔を向けた。俺は向こうでの出来事をおおまかに話した。
綾華「そうですか…。お役に立てたなら幸いです。」
曖人「本咲さんは再び戦場に立つ気はありませんか?」
1歳上の彼女は、戦闘は可能だが、比較的に前線に出ない。
綾華「私は無理かな…。ごめんなさいね。」
曖人「いえ、謝る事ではありません。命の方が大事ですから…。」
綾華「でも、曖人君達が助けを呼んだ時には、仲間と一緒に駆けつけるから。皆さ…冷たいようで優しいんだよ…。」
俺もそれは思っている。深雅も学生時代は冷たい人のイメージが強かったらしいが、時折見せる優しさは、人々を魅了していたようだ。
他のメンバーのそういうエピソードも知っている。李樹朱だけはブレずに溌剌としてるが…。
後日、俺は同意を得た4人を連れて、一旦ラピスラズリ本部へと行った。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。


冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる