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4章ー前兆編ー
89.炙れよ過去を・絶望を
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曖人「掛かってこい!」
暗黒の異形「サァァァァ!」
異形は触手を地面から突き出し、俺を刺そうとしてきたが、俺は躱しながら斬撃を入れ、異形にダメージを蓄積していった。
曖人「……。(恐らく、砂にはダメージが通っていない。エネルギー以外は弾くようだ。俺がこいつに攻撃出来るのに、リューハが出来ない理由は、エネルギーの性質が異なるからだ。)」
しかし、痛覚はありそうな感じなので、本体をあぶり出すためには、ひたすら攻撃を加えるのが、効果的そうだ。
剣に水を纏い、ドレーク海風で異形を八つ裂きにすると、異形が悲鳴を上げた。
マーリン「槍術:インスピア」
すると、捕われていたマーリンが、姿を現した。
マーリン「あ、ドルフィオンでコード様の左腕を努めているマーリンと申します。」
曖人「挨拶は後で良い!奴の内部はどうなっている?」
マーリン「あの異形の構造は、内部の黒い本体が、砂を纏って、姿形を自由自在に変えているようです。砂を全て処理出来れば本体を露呈させられますが、見ての通り再生速度が速いです。しかし、内部からならガードが緩いです。しかし、捕食時に砂で動きを固められるので、こちらからは仕掛けられません。唯一通るのは、外部から砂を破壊された一瞬の間です。」
曖人「魔法は効かないのか?」
マーリン「私は即座な飛び道具は使えないので分かりませんが、エネルギーの制限は無いかと…。」
曖人「即座に魔法を放てる人物は居ないか?」
マーリン「一人だけいます。戯です。」
曖人「こりゃ、リューハ待ちだな。」
俺達は他の弱点を模索しつつ、異形との戦闘を継続した。
コードは火傷した部分に電気ショックを与え、肉体を削った。
サティリィ「……。(延焼させて感覚を捨てたか……。どういう頭してんだ…。)」
削られた身体からは、白銀のエネルギーがちらりと見えていた。
サティリィ「血液の代わりに特殊電流の流れているお前は、本当に異常な肉体構造をしているな。」
コード「天使でリヴォリーターなら、これ位はデフォだデフォ。この世界出身の人間のリヴォリーターだって、黒炎の血液なんだぜ?」
サティリィ「だが、所詮血液は血液。お前は出血する程のダメージを負ったという事だ。天使や悪魔の皮膚は人間と比べて硬い。そして俺は死神だが、死神も悪魔の1種。今、誰がアドバンテージを取ってるかは、分かるよな?」
コード「ほんの少し前まで押されっぱなしだった奴が、急に何イキってんだ?」
癪に触れられたサティリィは、鋭い骨の刃を地面から突き出させ、コードに追撃を入れたが、コードは出血量が増しながらも、反撃するでも無く、避けるでも無く、ただ、突っ立っていた。
サティリィ「お前何がしたいんだ?まさか、絶望したか!俺に一発重たいのを貰った事を!
抵抗しない奴は好きだぜぇ?!死神は戦闘狂では無く、殺人鬼だからなぁ!」
コードはサティリィの言葉に全く反応せず、意識が上の空だった。
コード「師匠!師匠!どうしてですか……。命の方が大切です。逃げる隙はいくらでもあったのに!何で…無謀な勝負を続けたんですか!」
血を流しながら倒れるファルズは、死にかけたその身体で上半身を起こし、口を開いた。
ファルズ「……俺は誓った。…仲間を守る為には、この命を賭けて戦い抜くと……。お前だってそうしてきただろ?コード・レルヴァン。 仲間を死なせてしまった後悔から、ずっと戦場を離れる事無く、故郷を離れ、地上という激戦区を放浪していたはずだ。ジェビに出会うまではな……。忘れるな、お前には可能性があることを…。最期に俺からの約束だ。最初出会った時に言った事を覚えているか?」
コード「「全てを自身の罪と思い込むな。それでは、散っていった仲間に、会わせる顔が無くなるぞ。」ですよね?」
ファルズ「ああ。俺が死んだのは、お前のせいでは無い。俺の落ち度だ。必ずや、仲間に誇れる存在とあれ。戦場に轟く薄銀の天使よ……。強く……あ……れ………。」
コード「師匠!師匠!」
その日、ファルズ師匠は息を引き取った。
サティリィ「このまま殺してやろうコード!
魔術:喰憎」
サティリィがコードにトドメを刺そうと接近した瞬間、サティリィの身体は拒絶反応を起こし、戦慄した。
サティリィ「何だ…?この殺気は……。まるでトラウマでも蘇るかのよいに、身体が言う事を聞かない……。」
刹那、蒼薄雷がコードへと落ち、体内のエネルギーが一部流れ出し、肉体の一部に破片のように纏った。
コード「……過去を超えろ。……絶望を超えろ。炙りだせ…。散った儚き命の為に…。俺は………この力と命を戦場に献上してあげよう…!」
そう言うと、コードの電圧は急上昇して、紫の眼に、稲妻のような水色の模様が浮かび上がった。
コード「神経解放無しで、因縁を超える為に俺が取得した手段。「二次覚醒」でお前を倒す!再開しよう…そして、終わらせてくれよう!」
暗黒の異形「サァァァァ!」
異形は触手を地面から突き出し、俺を刺そうとしてきたが、俺は躱しながら斬撃を入れ、異形にダメージを蓄積していった。
曖人「……。(恐らく、砂にはダメージが通っていない。エネルギー以外は弾くようだ。俺がこいつに攻撃出来るのに、リューハが出来ない理由は、エネルギーの性質が異なるからだ。)」
しかし、痛覚はありそうな感じなので、本体をあぶり出すためには、ひたすら攻撃を加えるのが、効果的そうだ。
剣に水を纏い、ドレーク海風で異形を八つ裂きにすると、異形が悲鳴を上げた。
マーリン「槍術:インスピア」
すると、捕われていたマーリンが、姿を現した。
マーリン「あ、ドルフィオンでコード様の左腕を努めているマーリンと申します。」
曖人「挨拶は後で良い!奴の内部はどうなっている?」
マーリン「あの異形の構造は、内部の黒い本体が、砂を纏って、姿形を自由自在に変えているようです。砂を全て処理出来れば本体を露呈させられますが、見ての通り再生速度が速いです。しかし、内部からならガードが緩いです。しかし、捕食時に砂で動きを固められるので、こちらからは仕掛けられません。唯一通るのは、外部から砂を破壊された一瞬の間です。」
曖人「魔法は効かないのか?」
マーリン「私は即座な飛び道具は使えないので分かりませんが、エネルギーの制限は無いかと…。」
曖人「即座に魔法を放てる人物は居ないか?」
マーリン「一人だけいます。戯です。」
曖人「こりゃ、リューハ待ちだな。」
俺達は他の弱点を模索しつつ、異形との戦闘を継続した。
コードは火傷した部分に電気ショックを与え、肉体を削った。
サティリィ「……。(延焼させて感覚を捨てたか……。どういう頭してんだ…。)」
削られた身体からは、白銀のエネルギーがちらりと見えていた。
サティリィ「血液の代わりに特殊電流の流れているお前は、本当に異常な肉体構造をしているな。」
コード「天使でリヴォリーターなら、これ位はデフォだデフォ。この世界出身の人間のリヴォリーターだって、黒炎の血液なんだぜ?」
サティリィ「だが、所詮血液は血液。お前は出血する程のダメージを負ったという事だ。天使や悪魔の皮膚は人間と比べて硬い。そして俺は死神だが、死神も悪魔の1種。今、誰がアドバンテージを取ってるかは、分かるよな?」
コード「ほんの少し前まで押されっぱなしだった奴が、急に何イキってんだ?」
癪に触れられたサティリィは、鋭い骨の刃を地面から突き出させ、コードに追撃を入れたが、コードは出血量が増しながらも、反撃するでも無く、避けるでも無く、ただ、突っ立っていた。
サティリィ「お前何がしたいんだ?まさか、絶望したか!俺に一発重たいのを貰った事を!
抵抗しない奴は好きだぜぇ?!死神は戦闘狂では無く、殺人鬼だからなぁ!」
コードはサティリィの言葉に全く反応せず、意識が上の空だった。
コード「師匠!師匠!どうしてですか……。命の方が大切です。逃げる隙はいくらでもあったのに!何で…無謀な勝負を続けたんですか!」
血を流しながら倒れるファルズは、死にかけたその身体で上半身を起こし、口を開いた。
ファルズ「……俺は誓った。…仲間を守る為には、この命を賭けて戦い抜くと……。お前だってそうしてきただろ?コード・レルヴァン。 仲間を死なせてしまった後悔から、ずっと戦場を離れる事無く、故郷を離れ、地上という激戦区を放浪していたはずだ。ジェビに出会うまではな……。忘れるな、お前には可能性があることを…。最期に俺からの約束だ。最初出会った時に言った事を覚えているか?」
コード「「全てを自身の罪と思い込むな。それでは、散っていった仲間に、会わせる顔が無くなるぞ。」ですよね?」
ファルズ「ああ。俺が死んだのは、お前のせいでは無い。俺の落ち度だ。必ずや、仲間に誇れる存在とあれ。戦場に轟く薄銀の天使よ……。強く……あ……れ………。」
コード「師匠!師匠!」
その日、ファルズ師匠は息を引き取った。
サティリィ「このまま殺してやろうコード!
魔術:喰憎」
サティリィがコードにトドメを刺そうと接近した瞬間、サティリィの身体は拒絶反応を起こし、戦慄した。
サティリィ「何だ…?この殺気は……。まるでトラウマでも蘇るかのよいに、身体が言う事を聞かない……。」
刹那、蒼薄雷がコードへと落ち、体内のエネルギーが一部流れ出し、肉体の一部に破片のように纏った。
コード「……過去を超えろ。……絶望を超えろ。炙りだせ…。散った儚き命の為に…。俺は………この力と命を戦場に献上してあげよう…!」
そう言うと、コードの電圧は急上昇して、紫の眼に、稲妻のような水色の模様が浮かび上がった。
コード「神経解放無しで、因縁を超える為に俺が取得した手段。「二次覚醒」でお前を倒す!再開しよう…そして、終わらせてくれよう!」
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