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やみくも

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4章ー前兆編ー

86.ゴーストタウン

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 サイサリンドーム北では、ファーマ、チェインがガラクタの異形と交戦していた。

ガラクタの異形「ガランガラン!」

 都市を破壊して、瓦礫を取り込んだ異形からは、魔力がみなぎり、強化されていった。

チェイン「迅速に処理するぞ。」

ファーマ「了解。」

 するとチェインは跳び上がり、鎖を展開し、蒼炎を纏った。

チェイン「魔術:鎖の狂乱舞」

 異形の動きをひとまず止めようと、拘束させるように鎖を伸ばしたが、異形は鎖を吸収した。

チェイン「魔力で生成した偽物とはいえ、金属エネルギーが混じる時点で駄目そうだな…。」

 異形は口から砲台を出し、熱砲をぶっ放した。

 チェインはそれをギリギリで回避して、金属エネルギーを使わずに、蒼炎だけで鎖を造り、異形の腕へと放った。

ガラクタの異形「ガラン?!」

 拘束に成功したチェインは、着地してエネルギーをチャージした。

 その間にファーマは飛び上がり、矢を装填した。

ファーマ「魔術:流樹液」

 しかし、矢がヒットする前に、異形は身体からドリルを生成し、それを盾にした。

ファーマ「何?!」

 異形はドリルをぶっ放し、ファーマを粉砕しようとした。

ファーマ「範囲的に回避不能だ。一か八かの賭けをするか…。」

 ファーマは溶媒毒を纏った矢を装填し、天へと撃ち上げた。

ファーマ「魔術:聖樹の春雨」

 しかし、ドリルは弱体化したものの、壊れる様子は無かった。

チェイン「フォローする!」

 チェインは余った鎖で、弱体化したドリルを破壊した。

ファーマ「サンキューチェイン。」

 チェインはチャージした紫炎で鎖を生成し、異形へと撃ち込む構えを取った。

チェイン「魔術:虚悪化す紫暁」

 紫炎の鎖は範囲を拡大し、より細かい刃となって、異形を取り囲んだ。

 そして異形に向けて一斉に迫らしたが、異形は腕に繋がれていた鎖を力ずくで破壊して、腕で紫暁を振り切ったが、紫暁は腕を切断した。

ガラクタの異形「ガランガラン!」

 腕を切断された異形は逃亡を始めた。

ファーマ「逃がす気は無いぞ!」

 ファーマとチェインは地を蹴り、逃亡する異形を追った。

 異形は逃亡しながらも建物を取り込み、腕を再生させながら、ガスタンクを投げてきた。

チェイン「危ない野郎だなほんと。」

ファーマ「このままだとサイサリンドームがゴーストタウンと化してしまうぞ…。」

 逃げる異形を追う彼らの裏では、爆発音が鳴り響いて、悲惨な事になっているのは、見なくても分かった。

 幸い、住民の避難は済んでいるが、ゴーストタウンとなったら元も子もない。

 それから、完全に回復が済んだ異形は、逃亡を辞め、ファーマとチェインに反撃の姿勢を見せた。

ファーマ「ははっ。むしろそっちのが、ありがたいな!」

 異形は地面から瓦礫を割れた瓶のように突き出させ、足場を奪ったが、振動で察知した彼らは飛び上がり、高い建物へと着地した。

 その後、異形は腕でファーマ達のいる建物の根本を崩したが、チェインは地を蹴り、鎖を展開した。

チェイン「復興まで時間がかかるレベルまで破壊した罪、しっかりと償わせてやる。死でな。魔術:命散の鎖文字・紫」

 何重にも連なった十字型の紫炎の鎖は、異形の纏うガラクタを砕き、コアを剥き出しにさせた。

ファーマ「魔術:原子の咆哮」

 崩れゆく建物で勢いをつけ、跳び上がったファーマは爆発矢を装填し、異形のコアへと撃ち込んだ。

ガラクタの異形「ガランガランガラン!」

 すると、異形は爆ぜ、身に纏っていた瓦礫を散乱させた。

チェイン「異形が潜伏してる様子はもう無さそうだ。」

ファーマ「施設の方は未だ交戦中、加勢に向かうぞ…。」

 そして彼らは、施設の方へ向かった。






リューハ「魔術:タイム・スペース」

 リューハは自身の能力である範囲内の敵の動きを止める能力を使い、異形を硬直させた。

マーリン「槍術:イグリスク」

 その後、マーリンの連撃が放たれたが、異形は肉体を砂にして、貫通させた。

マーリン「え?!」

 異形は砂の身体で触手を造り、マーリンを吸収した。

リューハ「マーリン!くっ…確かに時は止めたはず……。ッッ!」

 その時、リューハは思い出した。




コード「強い生命体は、時に能力を無力化することがある。師匠の重力反転は、俺は慣れた。気をつけて戦闘に臨むように…。」





リューハ「これは厳しい戦いを強いられるみたいだな…。」

 タイムリミットは援軍が来るまでの持久戦が開戦した。
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