思想で溢れたメモリー

やみくも

文字の大きさ
上 下
85 / 186
4章ー前兆編ー

化け者と化け物

しおりを挟む
火雷の異形「ブォォォン!」

 咆哮を放つと、異形から雷が落とされた。

フュエル「魔術:追毒の轍」

 フュエルがVENOMを走らせて、雷の衝撃を相殺していった。

 その後、戯が跳び上がって武器「ヘルス」に邪力を纏わせて、振り回した。

火雷の異形「ブォォォォォォン?!」

 一瞬の間に異形は細かく広い斬撃を受けた為、反射的にホーミング弾を戯に放った。

戯「そんな数?簡単に対処できるよね!」

 ヘルスを畝らせ、ホーミング弾を全て破壊した。

 着地すると、戯は邪力を身に纏い、ヘルスを地面に叩きつけた。

 すると、鎖の部分が邪力を帯びて伸び、空中に居座る異形を地面に引きずり降ろした。

戯「ファイナルアタックだよ?悪魔さん?」

フュエル「了解。一撃で仕留める。魔術:衰滑車・球式」

 落下した異形にフュエルは接近し、溶媒毒を纏ったVENOMで、斬り裂いた。

火雷の異形「ブォォォン!!」

 そして、跡形も無く消滅した。

戯「手応え無いなぁ…。あんな怪物が弱すぎるんだよね。」

フュエル「……。(これが変異者の力…。この異形の姿の怪物も、一般能力者部隊程度なら、壊滅させられるはずだ。依存邪種だったか?ドルフィオンはとんでもないものを置いてるな…。)」

 火雷の異形は、戯の異次元の力によって簡単に捻り潰され、南の平和は守られた。










 互いの武器がかち合い、距離を取ると、サティリィが口を開いた。

サティリィ「どうやらもう一体持ってかれたようだ。まぁ、最終兵器には敵わないだろうがな。右腕と左腕は果たして生きて戻れるかな?」

コード「ラビリンスの英雄が加われば、勝機はあるさ。」

サティリィ「ハハッ馬鹿な奴め…。地中の生物をどう索敵する気だ?」

コード「俺は彼なら可能だと思って発言している。“墜ちた死神”は口出しすんな。」

サティリィ「お前はいちいち余計な口を挟むな!魔術:喰憎」

 サティリィは鎌を巨大化させて振り下ろしたが、コードはゲートを開き、回避した。

サティリィ「お前のその能力…面倒なんだよな…………初見はな!」

 鎌に纏った魔力を波紋として拡がらると、コードはゲートを開通させる前の位置に、戻された。

コード「グッ!怠い怠すぎる!」

サティリィ「獲物を確実に誘う為に死神は、獲物の攻略法をしっかり模索するのさ。クックックッ。」

 足に電気を纏い、コードは超速で接近した。

コード「だが、忘れるなよ。俺のスピードはリヴォリーター最速であり、現存する上位高度能力者の中では、No.2である事を!」

サティリィ「俺の攻撃範囲外から攻撃を加えられないお前のスピードなんてどうだって良いさ。魔術:見せ凍めの解体劇」

 闇を纏ったサティリィは鎌を回転させ、竜巻を発生させた。

コード「お前の攻撃なんぞ、フィネロ団長の劣化でしかないんだよ!」

 そう言い放ってナイフに神聖魔力を纏い、コードは竜巻の中に突っ込みながら、ゲートを竜巻を囲むように展開した。

コード「聖術:ボルトチェイニング」

 神速とも言えるコードのナイフ裁きは、ゲートによる連鎖によって、サティリィに致命傷を負わせた。

サティリィ「……くはっ。お前は…本当に……滑稽な奴だな。」

コード「ッッ!」

 刹那、当たったら即気絶の魔力弾が、コードの背後に迫っていた。

 そして残念ながら、その魔力弾に被弾してしまった。

コード「ぐぁぁっ!」
バタッ

 すると、サティリィは近づいてきて、囁いた。

サティリィ「お前はこの攻撃で実質負けたのだ。油断したなぁ!あの時のように邪魔をする奴もいない。薄銀の天使…遂に破ったも同然だ。」







暗黒の異形「サァァァァ!」

 地下深くの空洞に出るまで異形は進行を続け、マーリンとリューハを地面に叩きつけた。

マーリン「はぁ…はぁ…。援護が来られる距離じゃないし…私達だけで討伐するしかなさそうね…。」

リューハ「死神はこいつを最終兵器と言っていたぞ?俺達2人で勝てる相手かよ?」

マーリン「そうは言ってもやるしかないでしょ!地上に誘導出来れば、曖人さんが加勢してくれるはずだから!」

リューハ「…そうだな。粘るぞ。ドルフィオンの最上層部としてな。」








曖人「やけに静かだな…。だが、嫌な予感しかしてない。飛んでる異形はすぐに消滅したし、ガラクタみたいな奴はファーマとチェインが交戦中のようだ。………偵察に行くか。」

   


   ー妙に静かな施設の方へ…ー


しおりを挟む

処理中です...