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3章ー邪種編ー

60.ー邪種動乱Ⅰー 心酔 ー(後編)

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溺「はぁ…君はほんと鋭いね…。どうして分かったの?」

曖人「ここは2階だ。器官配置になってるなら、腹だろ?隆起させた時、その場所を抑えた。簡単な話だ。」

溺「………。」

 どうやら図星のようだ。

 背中の可能性もあったが、正面玄関側がこの広間なので、腹辺りで間違い無いだろう。

溺「もう何でもいいや…。気づかれたなら、隠しながら戦う必要もない。喋る事もない。
次会うのは、貴方が私の私物になってからね。」

 そう言うと、溺本体は床に取り込まれ、電気が消えた。

 そして、無数の氷塊がシンボルに集まり、大きな樹氷となった。

 その樹氷の根本に、シンボルが埋まっている状態だ。

 樹氷の枝は動き始め、襲ってきた。

曖人「剣術:風微塵」

 その枝を斬り落としたが、すぐに再生し、襲い掛かる。

曖人「ああ。この戦い…グレインを思い出すな…。あの時は外殻であり、単純に倒せばよかったが、今回は賢く立ち回れる。こちらもだいぶ弱ってきたし、そろそろ終止符を打ちたい。」

 俺は樹氷を無視して、3階に向かった。

 長期戦で、俺のエネルギーの残量じゃ、奴の回復に追いつけないと理解し、奴は触覚はあるものの無傷である事も分かっているので、最後の手段に出た。

曖人「よし。3階だ。何処だ…。」

 チーム・フェクの仲間に教わった知識を元に、目的地を絞りながら、向かった。

 樹氷の攻撃も、色々な所から飛んできている。

 しかし、どうやら樹氷以外の攻撃をしてくる様子は無かった。

 なので、対処はしやすが、物量が凄まじかった。

曖人「…バリエーションより数を優先したな。」

 樹氷を斬りながら隆斬を放ち、現在地を確認した。

 3階に入ったのは背面なので、そろそろのはずだ。

曖人「吹き抜けが中心とすると…。あの柱だな。」

 1階から4階何処に居ても見える柱だ。

 2階の広間も貫いている。

 下では、樹氷が更に根を張り、より強固になっていた。

曖人「ダメージを与えたら、すぐに広間に降りられる!チャンスは一度だ…。」

 そして俺は、柱を斬りに、飛び掛かった。

 樹氷がそれを阻もうと攻撃を仕掛けるが、魔力を練りながら、破壊していった。

曖人「終わらせる…。」

 そして俺は、練り上げた魔力を剣に纏い、構えた。

曖人「剣術:叫び狂う風光」

溺「ふゃぁっ!」

 柱を斬ると、全ての攻撃や力が緩んだのを確認したので、俺は吹き抜けから落下しながら、魔力を再度纏った。

曖人「あばよ。ヤンデレ女。終止符を打つ。
剣術:魔光ラビリンス」

 ラビリンスの力を宿した剣は、樹氷を貫き、シンボルを破壊した。

 すると、玄関が開いた音がした。

 それと同時に、建物が崩れ始めた。

曖人「まずいな…。速く脱出しなければ。」

 俺は飛行して、脱出した。








 外へ出ると、既に1日は経過していたようだった。

 そして、建物は完全に崩れ、倒れた溺が姿を現した。












 サニイは、戦闘態勢がままならない望に問いかけた。

サニイ「何故だろうな?許せなかった。理由は分からないけど。」

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