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3章ー邪種編ー

55.違和感

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 俺は建造物の中に入り、しばらく探索したが、至って普通のショッピングモール跡という感じであった。

曖人「……何だこの違和感は…。正常なはずなのに、邪力が漂っている…。」

 そんな異変を感じながら進んでいると、鶏の怪物と遭遇した。

鶏の「""""¡¿¡」

 鶏は火を吹いてきた。

曖人「剣術:風微塵」

 あっさり倒した。

曖人「…邪力が消えない……。生物の気配はこいつしか無かった。何がおかしい。」

 しかし、邪力が残っているという事なので、探索を続けた。






 海岸側の捜索をしていたサニイは、自分の部下と合流して、任務を進めていた。

サニイ「コード曰く、この辺りで遭遇したらしいが、邪力の濃度が流石に薄すぎる。どう思うエサラ?」

 すると、サニイの右腕枠の部下である「エサラ・ヘルス」という女が、質問に答えた。

エサラ「確かに薄いですね…。コードさんの部下が遭遇したようなので、長くは戦ってないのでしょう。」

サニイ「あいつは“部下”とわざわざ言っていた。マーリンやリューハ等の主力メンバーを指していないのだろう。」

 彼らはそう推測を話しながら歩いていると、タコの怪物に遭遇した。

 8体だ。

サニイ「多いな…。2体任せた。残りは俺が仕留める。」

エサラ「了解です。」

 サニイは槍を出現させ、エサラは魔力を纏った。

タコの怪物「·_··_·」

 タコは一斉に幻覚作用を起こさせる笑みを浮かべたが、二人は顔を伏せた。

 しかし、それが狙いだったようで、触手での攻撃にすぐ切り替えてきた。

 だが、サニイが一瞬で反応し、槍で振り払った。

タコの怪物「>_<>_<」

 しかし、一撃では仕留められなかった。

サニイ「前よりタフだ。しかもこいつ……。」

エサラ「間違い無く学習してますね…。」

 周辺の邪力濃度は、徐々に濃くなっていた。







 一方、俺は2階へと上がったが、邪力濃度があからさまに増えた事を実感している。

 なのに生物の気配を一切感じない。

曖人「気配を消すのが上手なのか、潜伏しているな…。」

 とりあいず、一度外へ出て、外部から邪力を検知しようと思い、玄関の方へ向かったが…。

曖人「嘘だろ…。扉に鍵が掛かっている…。最初来た時は無かった。これは何かいるな…。」

 そう仮説を考えていると、噴水の方から気配を感じ取ったので、すぐに、警戒態勢に入った。

 刹那、噴水から水が放射された。

 その水が掛かった場所は、凍っていた。

曖人「あの噴水が邪力を持っている…。」

 すると、真上にあった蛍光灯が、強い電気を帯びて、落下してきた。

 俺はそれを回避しきれないと判断したので、咄嗟に剣に炎を纏い、切断した。

???「ッッ!あっつ!」

 すると、施設内にある全ての物体が、ダメージを受けたように反応した。

曖人「あぁなるほど…。完全に理解した。何処に行っても生物の気配が無いのに、邪力だけが漂っている訳が!」

 そう大声を出すと、館内放送が流れ始めた。

???「流石英雄さん♡何でもお見通しですか!!」

曖人「誰だお前は!邪種の上位種だろ!」


溺「私なんて、あの方々のような凄い人ではありませんよ…。私は「溺(メロック)」。邪種の中でも知能が高く、強い意思を持つ者の1人。「心酔邪種」の異名を持ちます!」

曖人「アナウンス越しに喋っているが、遠隔では無いのも知っているからな。」

溺「そうですよね…。貴方は、近日一番の人間ですよ!リスクも高まりますが、絶対に廃人形として可愛がってあげますよ♡」

 そう言うと、電光掲示板が、強い光を発して、邪力でエネルギーを生成して、放ってきた。

曖人「剣術:乱れ斬ドレーク海風」

 だが、最初から戦闘態勢に入っていた俺は、難なく切り払った。

溺「流石です!やはり楽しい人間だ!でも、貴方は私から逃げられないよ。援軍すら呼べないよ。ただ、私の中で…息絶えてよ…♡」

曖人「そんな簡単に死んでたまるかよ。絶対お前から脱出してやるよ。」

 そうは言った物の、かなり相手が厄介だ。

 まず、室内で飛び回るには狭いし、相手はこの施設自体だ。

 周りにあるもの全てが、攻撃ユニットとなっている。

溺「お偉いさん方が計画を実行するまで、貴方を外に出させる気は無いよー。」






 サニイの方でも、タコの怪物を倒した後、何者かが姿を現していた。


???「現実ばかり見ていたらつまらないじゃん。君たちに体験させてあげるよ。理想を!」


 邪種動乱は、既に本格始動していた。
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