思想で溢れたメモリー

やみくも

文字の大きさ
上 下
46 / 186
2章ー英雄編ー(巨龍)

ー龍襲Ⅳー Clone ー

しおりを挟む
ミドゼルグ「グォォォ!」

 咆哮を放ったミドゼルグは、再び火炎弾を生成し、飛ばした。

フュエル「VENOM!」

 先程のように防いだ。

フュエル「ゼディ!リダクテッド!群れと統率は頼んだ!」

ゼディ「了解!」

リダクテッド「了解!」

 手空きの仲間に一任したフュエルはVENOMを三日月状に分解し、毒を纏った。

フュエル「君の相手はこの俺だ。」

ミドゼルグ「グォォォ!」

 ミドゼルグが火炎弾を複数生成し、タイミングをずらして放った。

フュエル「魔術:衰滑車」

 円盤状に戻し、VENOMを先に走らせて、その裏をフュエルはついて行った。

 VENOMが飛んでくる火炎弾を弾きながら進み、フュエルはミドゼルグの眼前にまで迫った。

 フュエルは三日月状に分解して、攻撃を仕掛けようとしたが、ミドゼルグが爪に太陽光を纏い、ひっかき攻撃を仕掛けようとしてきた。

 分解された内の1つで爪を防ぎ、もう2つでミドゼルグに攻撃した。
 
ミドゼルグ「グォォォッ!」

 毒をミドゼルグに盛ることはできたが、掠り傷しか与えられず、パワーに押し負けて、爪攻撃を喰らった。

フュエル「グッ…!」

 普段、VENOMで防御しているフュエルは防御姿勢を咄嗟に取れず、ダメージを軽減しきれなかった。

 幸い、ミドゼルグの爪攻撃の火力はあまり無かった。

フュエル「毒を盛ることは出来たが……。全然弱る様子が無い…。耐性があるのか…?」

 ミドゼルグは、爪に太陽光を纏い、ダウンしかけのフュエルに突っ込んできた。

フュエル「魔術:衰滑車・球式」

 三日月状のVENOMを自分を囲むように走らせ、ミドゼルグの爪を防いだ。

 フュエルはその隙に抜け出し、VENOMの1つを引き寄せた。

フュエル「畳み掛けるぞ…!」

 VENOMに強い溶媒毒を纏わせ、投げ飛ばした。

 しかし、火炎弾で応戦してきた。

フュエル「……生成速度が落ちてる……。」

 火炎弾を相殺しVENOMを手元に戻したフュエルは、爪を防いでいたVENOMでミドゼルグを裏から刺した。

ミドゼルグ「グォォォ!!」

フュエル「やはりな。毒は微量だが、効いていた。判断力の鈍りも、魔力のチャージが遅いのも、衰弱毒がしっかり効いていた証拠だ。」

 動きが鈍ったミドゼルグにとどめを刺そうと、VENOMを円盤状にして接近した。

 それに対抗すべく、ミドゼルグは爪に太陽光を纏わせた、カウンターを構えた。

フュエル「二度同じ手は通用しない。
魔術:VENOMON」

 月の力を纏わせたVENOMは、ミドゼルグを貫き、爆散した。

ミドゼルグ「グォォォ?!」

 ミドゼルグが消えると同時に、大量のミニゼルグは撤退した。

ゼディ「第二陣は終わった?」

リダクテッド「そのようじゃな。」

フュエル「……遠くから規模の大きい戦闘音が聞こえる……。巨龍と対面したようだな……。」





       ー山頂ー


ガリゼルグ「グォォォォォ!(来い…我が下僕よ…!)」

 ガリゼルグはテレパシーを送ると、右翼からミニゼルグを、左翼からミドゼルグの群れを召喚した。

曖人「数的不利にも抗わなければならないのか……。ファーマ!」

ファーマ「どうした?」

曖人「援軍を呼んできてくれ!ここは俺とチェインで持ち堪える!」

ファーマ「ああ。分かった。」
しおりを挟む

処理中です...