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やみくも

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2章ー英雄編ー(巨龍)

41.ー龍襲Ⅲー Fire ー

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曖人「いくぞ!お前ら!」

 俺がそう音頭を取ると、全員戦闘態勢に移行した。

ファイアドラゴン「シャァァァ!」

 ファイアドラゴンは咆哮を放つと、地中から身体を出し、飛び上がった。

ファーマ「まあただの大蛇ではないわな…。」

 身体の後方部には燃え盛るように輝く赤い水晶があった。

 身体が完全に浮かび上がったと同時に、地中で貯めていた魔力を一斉消費し、ブレスが放たれた。

チェイン「離れろ。」

 チェインは鎖を伸ばし、展開した。

 俺とファーマは、チェインの指示通りに後退した。

チェイン「魔術:閉削」

 紫炎を纏った鎖がブレスとぶつかるように一斉に放たれ、火炎ブレスを封じ込めた。

チェイン「爆殺。」

 そう唱えると、高温のブレスを閉じ込めた鎖は、爆発した。

チェイン「ドラゴンの使うブレス系の継続効果は他の異能生物の比じゃない。かすっただけでもしばらく重度の火傷となる。ブレスは俺が相殺するから、至近距離でブレスを構えられたら無理せず回避に専念しろ。」

曖人「了解。」

ファーマ「わかった。」

 ブレスの反動で硬直するファイアドラゴンにファーマは矢を打ち込み、俺は飛び掛かった。

 しかし、ファイアドラゴンは水晶を構え、魔力を練った。

 その後、俺が剣を振りかざすとほぼ同時に、
水晶からシールドが展開されたが、ファーマが俺の剣に矢を命中させ、俺はシールドに剣を当てられなかった。

ファーマ「火炎属性を持っている。奴は火炎系の能力に特化した個体。生身で火傷を負えば不利だ。」

チェイン「ナイスカバーだ。ファーマ。属性を付与しない魔力で触れようものなら、火傷するだろうな。」

 そう言っているうちにファイアドラゴンは水晶から火球を複数打ち上げ、隕石のように振らせてきた。

曖人「火を相殺できれば良いんだろ?任せろ。
剣術:乱れ斬ドレーク海風」

 俺は剣に水を纏い、火球に対処し、余力で水の斬撃波を本体に向けて飛ばした。

ファイアドラゴン「シャァァァァァァ?!」

 斬撃波は全てファイアドラゴンにヒットした。

 どうやらかなり鈍足の固定砲台のようだ。

ファーマ「かなり効いているぞ!」

曖人「奴の攻撃は広範囲で超火力、しかし、攻撃後の隙が大きいってとこか?」

チェイン「間違いはない。それに加え、火傷を誘い、有利状況を作る立ち回りをする。」

曖人「パーツは揃ったな。ファーマ!」

ファーマ「了解!」

 この会話でファーマは全てを察し、矢を装填した。

ファーマ「魔術:立方拘束・時止」

 矢がファイアドラゴンに命中すると、光線が張り巡らされ、動きを封じ込む事が出来た。

 ファイアドラゴンはその拘束網を破壊するために火球を生成し、近距離連鎖爆発を起こした。

 その結果、ファイアドラゴンは拘束から抜け出せたものの、自身の超火力によって自傷した。

 俺は水を纏い、飛び掛かった。

曖人「そのジリ貧な状態じゃシールドを張れないだろうな!」

 ファイアドラゴンは攻撃の反動と自傷によって、シールドを張る魔力すら残っていなかった。

曖人「剣術:魔光ラビリンス・水」

 最大火力である技「魔光ラビリンス」に水のオーラを宿して、ファイアドラゴンを斬った。

ファイアドラゴン「シャァァァァァァ!」

 光に包まれ、ファイアドラゴンは水晶へと取り込まれ、水晶が爆発した。

ファーマ「討伐完了だな。」

曖人「全員の持ち味が活かされた戦闘となったな。」

チェイン「巨龍の場所まで急ぐぞ………。」

 上位種のドラゴンとの戦闘は、どの地点も勝利を収めた。




      ー龍生の祭壇ー



???「英雄などに完璧な世界への矯正を邪魔されてたまるものですか……。グレインが注意を引き付けてくれたお陰で、巨龍覚醒の準備はまもなく終了する。24時間体制での活動が可能となりますよ……。」


 裏で暗躍する者は何処へ……。

 
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