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2章ー英雄編ー(パラサイト)

29.眼中に無い

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     ーラビル草原東部ー

 グレパラサイトツリーが出現したのと同時に、各地でもパラサイト植物が出現した。

 ラビル草原東部では、紅い眼光で蒼白い花弁を持つグレインフラワーズの親玉的な植物が出現した。

パラフラワー「#);[[%^^<>」

 花が咆哮を放つと、周囲のツタから、毒素をばら撒く小さな花が生えてきた。

深雅「俺があの花を相手する。ツタが俺に干渉しないようにしてくれ。」

 深雅は周囲の兵隊にそう呼びかけ、刀を腰から抜刀した。

 そして、真紅の魔力を纏った。

深雅「暴れるぞ。逆鱗!」

 魔力を纏った刀「逆鱗」は浮遊し始めて、エネルギーをチャージした。

深雅「魔術:讐縛刀」

 エネルギーが溜まった逆鱗は空中に打ち上げられ、分裂し、パラフラワーを襲った。

パラフラワー「||~_=%^」

 しかし、ツタで防がれた。

深雅「催しは終わりだ。剣術:狼灰星」

 次は逆鱗に黒色のオーラを纏い、突っ込んだ。

 パラフラワーは、一直線で突っ込んでくる深雅を吹き飛ばそうと風を送るが、深雅は逆鱗を分裂させ、片方を投げ飛ばし、送風器官にぶつけた。

パラフラワー「}{|~¢·^!」

 技は眼玉にヒットした。

 パラフラワーは怯んでいるが、チャンスと言わんばかりに、深雅は攻撃を加えた。

 立ち直ったパラフラワーは魔力をチャージし、毒風を放った。

深雅「弾け。逆鱗。」

 そう指示すると、逆鱗は魔力を守備形態として纏い、パラフラワーの風魔法を、跳ね返した。

 弾かれた風魔法はパラフラワーに直撃した。

パラフラワー「$)|+^^!」

 すると、パラフラワーは消滅した。

深雅「ここら一帯の奴では一番強そうだったが、思った程で無かったな。」

 戦闘を終えた深雅は、逆鱗から斬撃波を飛ばし、辺りのツタを一掃した。



戦士A「おいおいマジかよ……。強すぎるだろ…………。何者だよ………。」

 兵隊達が深雅の強さに驚愕している間も、再生はし続けているが、先程の一瞬の繁殖とは違い、かなり遅かった。

深雅「俺が今倒した花はエネルギーを供給するための器官だな多分。この広範囲にエネルギーを注ぐには中間地点が必須だ。エネルギーの供給源がやられて、供給源が本体に変わったから時間がかかるのだろう。」

 彼はそんな推測を兵隊に話し、気を緩めた。

深雅「後は本体討伐待ちだな。」




    ーラビル草原南部ー
 


 黒炎を纏ったツタは、グレパラサイトツリー出現と同時に、棘を生やし、炎の勢いが増した。

萌愛「何か強化された?!この場所エネルギーの使い方とか知らないんですけど?!」

 そう言うと腕利きの戦士が、「思念を乗せてください」と助言した。

萌愛「え?そんな簡単なの!?まぁ…やっちゃえ!」

 羽織りの裏に隠していたナイフを取り出し、
彼女は青い魔力を纏った。

 彼女が戦闘態勢に入ると、ツタは発達し、攻撃を仕掛けてきた。

 腕利きの戦士達は、各々強化ツタとの攻防を始めた。

 そして3本の強化ツタが萌愛に迫ってくる。

萌愛「刃術:愛痺桜」

 青い魔力を纏ったナイフ「結」をツタに擦り付けると、ツタに纏われていた黒炎は勢いを弱めた。

パラゴケ「=©¢)#$^^」

 強化ツタは、他の戦士を相手していたツタを全て萌愛にヘイトを向け、ねじらせる事で強固となり、萌愛に攻撃を仕掛けた。

戦士B「大丈夫ですか?!」

萌愛「問題無いよ!刃術:愛痺桜」

 その小柄な身体から発生しているとは思えない力でツタを刺し、麻痺らせた。

パラゴケ「'?]]#\#^」

萌愛「もう多分抵抗できないんで誰かトドメをさしてください!」

戦士B「お、おう…」

 他の戦士がトドメの一撃を喰らわせると、
パラゴケは消滅した。

萌愛「もう私の出来る事は終わったし、後は待つのみ!って感じだね。」

 戦闘が終わり、その場に倒れ込んだ萌愛に腕利きの戦士達が近づき質問をした。

戦士C「強いですね…何者なんですか?」

戦士D「(可愛い…)。」

 その質問に少し間を置き答えた。

萌愛「うーん…。なんだろうね?君たちが未来の英雄って呼んでる人と同じだよ!!
私はサポート特化だから後の事は任せたよ!」






    ーラビル草原北部ー



フュエル「住民の避難が終わり加勢に来てみたが……だいぶ押されてるな…………。」


 白い花弁を持つパラフラワーを中心に、
白炎を纏ったツタが展開されていた。

 そいつらを約20人の兵隊が相手していた。

フュエル「はぁ………。隊長!その花は俺が相手しとく!苦戦してる戦士の側に行ってやれ!」

隊長「わかりました!フュエルさん!」

 すると隊長は魔力弾を振り切り、ツタ狩りに加勢した。

フュエル「さぁ花かかってこい。俺が続きを楽しませてやる………。」
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