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やみくも

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1章ー精霊編ー

13.砂地獄

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 馬車を降り、ワーニング荒野近辺の村で休息を終え、ワーニング荒野へと繋がる洞窟へと向かった。

 洞窟内部は非常に暑く、植物が一切なかった。生物もあまり居らず、俺たちはしばらく進むと外へと出た。

ファーマ「ワーニング荒野ではないな…。」

 洞窟を抜けた先は山で囲まれた砂漠地帯だった。
 
 どうやらこのラビリンス山脈は各地帯を繋ぐ中継地点のようで、何処かの洞窟の出口がワーニング荒野へと繋がっているようだ。

ファーマ「ワーニング荒野は確か、このウォーム砂漠より標高が高い。オアシスが目印と聞いたことがあるな。」

曖人「オアシスを目指すと…」

 俺たちはワーニング荒野へ繋がる洞窟の入口があるオアシスを見つけるために探索を始めた。

ワーム「グギャャャ」

 探索の最中にワームと遭遇した。
 ワームはこちらを襲撃しにきた。

曖人「剣術:風微塵」
スパッ

 ワームを撃退した。

ファーマ「ワームか…異能生物の1種。
でかい奴は10m位ある砂漠の捕食者だ。
この辺りにも生息しているようだな。」

曖人「割と対処はしやすかったが…。」

ファーマ「ワームにもランクがあり、そいつは一番弱い奴だ。強い奴はブレスなどの魔術も扱える。とにかく警戒は必須だな。」

曖人「ああ。」


 ワームを警戒しながら先に進むが、あれ以降遭遇することは無かった。
 そして2時間程度歩き、オアシスが視界に入った。

曖人「あれだな。もうすぐで目的地だ。」

ファーマ「砂漠で疲労する訳にもいかないからな。無傷で突破できそうでなによりだ。」

 俺たちはゴールが見えてだいぶ油断していたかもしれない。脳死でオアシスへと向かう時
事件は起きた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

曖人「な、なんだ?!」

 突如足場が揺れだした。すると俺たちは砂嵐に引きずり込まれていく。

ファーマ「くっっ砂嵐か…。はめられたな…」

曖人「どういうことだ?確証があるのか?」

ファーマ「ランクの高いワームは知能も高い。獲物を捕食するためには自分たちが有利になるような地形へと誘い込む。」

 俺たちは砂嵐(渦潮)に巻き込まれて地下洞窟へと落下した。

 地下洞窟は砂が噴き出し、ワームが潜伏しやすい構造となっていた。何より酸素量が少ないため早く抜け出す必要がある。

曖人「はぁ……これやばくないか?」

ファーマ「さっさと足を動かすぞ。もたついてるとワームが湧く。」

 俺たちは地下洞窟をひたすらに進んだ。
 幸い、地上には繋がっていそうだった。
しかしワームと遭遇した。そいつは先程の奴より一回り大きかった。

ワーム「グギャャャ」

 ワームは咆哮で威嚇した後、毒性のブレスで攻撃してきた。

曖人「剣術:地合金」

 俺は無のエネルギーを纏い地面を隆起させ、
ブレスを喰らうのを防いだ。
 するとワームは頭突きで隆起した地面を破壊した。

曖人「剣術:這い上がる濁光」

 頭を出したワームを的確に仕留めた。

ファーマ「お前けっこう戦闘の定石を理解してるんだな。」

 地球で間合についての知識は叩き込まれている。その知識はこの世界でも活かされているのだ。

 1時間位歩くと、外の光が差し込んできた。
ここに辿り着くまでに大体9体遭遇したが、
全て同レベルのワームだったため、苦戦することなく対処できた。

ファーマ「やっと出口と言いたい所だが、殺気を感じる。」

曖人「同感。いくらなんでも弱すぎだ。親玉は別に存在するはず…」

 先程まで振り払ったワームは全て低ランクであった。
 流石にそんな群れなはずはないと確信はしていた。案の定………。

ゴゴゴゴゴゴ(地面が揺れる。)

デスワーム「グギャャャアアアアアアアアス」

 ワームの親玉が現れた。
 
 体が全て出ている訳では無いが、おそらく最大サイズである。

曖人「後は親玉ぶっ飛ばしてお暇させてもらう!」

 剣を抜き、先攻すべく飛びかかった。

曖人「剣術:回転斬」
カキンッ(鱗によって刃が通らない。)

デスワーム「グギャャャァァァ!!!」

 攻撃直後で硬直した俺はデスワームの頭突きを喰らい、吹っ飛んだ。

ドーン(壁に曖人が激突する。)

曖人「鱗硬いな…。流石は高ランクといったところか…」

 デスワームは砂のブレスを壁にめり込み、身動きが取れなくなった俺に対し、放った。

ファーマ「魔術:流樹液」
グサッ
デスワーム「グギャャャアアアア」

 ファーマの衰弱矢がデスワームの右目に命中し、痛みでピントがずれたデスワームのブレスは曖人に当たることは無かった。

ファーマ「さっきまでの論理的思考はどこいった曖人。強敵相手に脳筋になんな!」

 ファーマはそう言いながら、物質を溶かす矢を俺の周りの岩石に刺した。

曖人「先手必勝と思ったが一筋縄じゃいかなそうだな。ただ、もう攻略法は割れた。
ありがとうファーマ。後は俺に任せろ!」

 俺は剣に大地の力を纏った。
曖人「剣術:沈地盤」
 地面に剣を刺し、デスワームの周りを沈降させた。俺はそれに続き、水の力を纏い、デスワームとの距離を詰めた。

デスワーム「グギャャャアアアアアアアア」

 今度は炎のブレスを放った。

曖人「どちらでも変わらない。予測通りだ!」

 剣に纏った水を斬撃波として、ブレスの方へ飛ばし、俺はデスワームの後ろを捉えた。

デスワーム「グギャャャアス」
 
 斬撃波は無事命中した。

ファーマ「ブレスを放っている最中は他の行動をとれないというワームの知能を利用したのか……。興味深いな。」

 ブレス中でガードが甘ったれた時に斬撃波を喰らったことでデスワームの力は弱まり、ブレスを吐けない状態となった。

曖人「ブレスも吐けず、地面がガタガタで潜伏できないワームなど無力同然だ。
剣術:縦断鉄鋼」

ザキンッッ

デスワーム「グギャャャアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
バタンッ

 無のオーラを纏った渾身の一撃は抵抗不可のデスワームを簡単に撃破した。

曖人「はぁ…はぁ…。なんとか…倒した…」

 まだ試練本番ですらないのにかなりダメージを貰ってしまった。

ファーマ「やったな曖人。よし、脱出だ。」


 俺たちは無事地下洞窟を抜けた。









 洞窟を抜けた先は目的地ワーニング荒野だった。赤土の草原であり、木々には葉が無く、
植物は枯れていた。


ファーマ「このまま試練受けられるか?」

曖人「ここで野宿は得策じゃないな。
洞穴で疲労回復してから後日、試練に挑戦しよう……。」




 俺たちは洞穴へと入った。
 炎の試練の道中はとても長い道のりだったが、試練はどれだけ困難なのだろうか………。
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