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1章ー精霊編ー
9.ー精霊試練IIIー 大地 ー
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ファーマが新たに仲間として加わり、俺たちはラーゼル山地へと向かっていた。
途中までは山道が整備されていたが徐々に荒れ地となっていき、道標が減った。
ファーマ「人の手が加わった形跡が無くなってきたな。精霊などの実体のない存在を崇拝する場所の自然は保全しなければならないというルールがある。」
曖人「つまりそろそろ祠に着くと…」
このエリアは空気が非常に重かった。
精霊が居るエリアは他のエリアと比べてエネルギーの質量が多く、独特な環境が形成されているが、前までの場所以上に強い魔力を感知できた。
俺は「気を引き締めて臨まないとな…」と呟いた。
猪「ブァァァ」
しばらく歩くと猪に遭遇した。
しかし、俺の知る猪とは異なったものだ。
ファーマ「気をつけろ。こいつは異能生物の1種。試練は既に始まっているようだ!」
俺はファーマの言葉を聞き、伝剣ラビリンスを取り出した。そして突進してくる猪を撃退した。
曖人「エネルギーの量は突如として膨大になった。祠まで辿り着くのが試練ってことだな?」
ファーマ「ああ。その認識で間違いはないと思う。」
俺たちは常時戦闘態勢に入れるように警戒して先を急いだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
悪魔「ゼディ様。奴らを追わなくて良いのですか?」
手下の悪魔が尋ねた。それに対しゼディは
「変に勘付かれては困る。大地の試練で挫折した英雄志望は多いという伝承が私の故郷ではあった。他の精霊と比べて冷徹な大地の精霊の試練で部外者が入った所ですぐ裁かれるだけだ。それに試練に失敗し奴らが死ぬかもしれないし、あのエリア外の方が邪魔が入りにくい。
帰りを襲撃する。」
悪魔「了解です。」
ゼディ「…。」
ゼディ「さあ悪夢の始まりだ。裏切り者に慈悲などはいらない…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺たちは襲い来る生物を振り払いながら順調に先へと進んだ。途中まで視線を感じていたが気づいたら消えていた。
すると、霧から祠が見えてきた。そこから巨大な生物の影が現れた。その巨人は非常に無機質であり、大木を担いでいた。
ウェデンジャイアント「がぐぁぁぁぁ」
俺たちは巨人が咆哮を放つと圧力で後ろに吹き飛ばされた。
「グアッ」(木々に身体を叩きつけられた。)
曖人「なんだこいつは⁉今まで戦ってきたのとは魔力の重みが違う!」
ファーマ「こいつ…明らかに自然発生したものではねェ。恐らく試練の一部だろう…。」
曖人「今回は苦戦必須だな…」
言い終えると俺は剣に思念を宿した。そして巨人が大木をこちらに振りかぶってきた。
ドーン(地面がえぐれる。)
俺は上空へと躱し、ファーマは矢をつがえて、飛びかかり術の構えを取った。
ファーマ「魔術:聖樹の春雨」
ファーマの矢は巨人にほぼヒットし、巨人は態勢を崩した。
ウェデンジャイアント「ぐがぁぁぁ」
俺はその隙に風のオーラを纏った。
曖人「剣術:風微塵」
高速で巨人を切り崩すつもりだったが、想像以上に樹皮は固く、刃が通る事は無かった。
そして無防備になった俺は巨人の反撃を喰らった。
バン「曖人が地面へと投げつけられる。」
ファーマ「曖人!大丈夫か!」
俺はなんとか起き上がった。火力不足であることは実感している。
曖人「どう攻略しようか…。パワーで押し切ることは前提のようだが適した技が無い。」
水力で火力を出そうとも考えたが、巨人の肉体は樹木で構成されているため、相性が悪い。そんな危機的状況で考え込んでいると「避けろ!」とファーマの叫びが聞こえた。
ドーン(地面に巨人の拳が直撃。)
俺は危機一髪だが回避した。
曖人「ありがとうファーマ。」
ファーマ「今は目の前の敵に集中しろ。お前の最大風力はそんなんじゃねェだろ?」
曖人「ッッッ!」
俺は何故できないと思っていたのか。属性の調合を。
曖人「次で決めてやる。ファーマ 奴の動きを封じてくれ!」
俺は突破法を絞り出した。割合の問題だ。ファーマの矢は継続ダメージを出せるから巨人の能力を低下させられると考えた。
ファーマ「了解だ。魔術:辛裏前線」
グサッグサッグサッグサッグサッ
体のデカイ巨人に衰弱矢の雨が降り注ぎ、巨人は麻痺した。そして俺は風の力をベースに水の力を付与した。
曖人「その弱った状態じゃ水分を完全には吸収できない!割合的にも風で足りない力を補うだけだしな!」
俺は思念とオーラを刃に纏い構え、飛び上がった。
曖人「剣術:乱れ斬ドレーク海風」
ジャキンジャキンジャキン ザンッ
火力を極限まで引き上げた連撃を喰らった巨人は倒れていた消えた。
曖人「消えた……って事は作られた存在ということか。」
ファーマ「やったな曖人。」
曖人「ああ。」
勝利の余韻に浸り脱力していると、精霊が姿を現した。
シズモンス「大地の精霊シズモンスだ。その勇気を称え我が力を授けよう。この山は別名魔獣の山とも言われる危険地帯だ。数多くの英雄志望者が命を落としてきた。そんな場所の最深部に辿り着いた君たちなら厄災を振り切れるはずだ。剣を掲げよ。」
俺は剣を掲げた。すると、いつものように装飾石石の1つが光った。
シズモンス「エレメン廃工業区域が次の試練地だ。本格的に慈悲がなくなってくるが、ここを突破できたなら心配はいらないはずだ。」
曖人「ありがとうございます!」
ファーマ「よし。下山するか。」
そして俺たちは無事下山した……訳があるかはわからない。
曖人「なんなんだこいつらは…」
ファーマ「は…お前は…?!」
ー続くー
途中までは山道が整備されていたが徐々に荒れ地となっていき、道標が減った。
ファーマ「人の手が加わった形跡が無くなってきたな。精霊などの実体のない存在を崇拝する場所の自然は保全しなければならないというルールがある。」
曖人「つまりそろそろ祠に着くと…」
このエリアは空気が非常に重かった。
精霊が居るエリアは他のエリアと比べてエネルギーの質量が多く、独特な環境が形成されているが、前までの場所以上に強い魔力を感知できた。
俺は「気を引き締めて臨まないとな…」と呟いた。
猪「ブァァァ」
しばらく歩くと猪に遭遇した。
しかし、俺の知る猪とは異なったものだ。
ファーマ「気をつけろ。こいつは異能生物の1種。試練は既に始まっているようだ!」
俺はファーマの言葉を聞き、伝剣ラビリンスを取り出した。そして突進してくる猪を撃退した。
曖人「エネルギーの量は突如として膨大になった。祠まで辿り着くのが試練ってことだな?」
ファーマ「ああ。その認識で間違いはないと思う。」
俺たちは常時戦闘態勢に入れるように警戒して先を急いだ。
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悪魔「ゼディ様。奴らを追わなくて良いのですか?」
手下の悪魔が尋ねた。それに対しゼディは
「変に勘付かれては困る。大地の試練で挫折した英雄志望は多いという伝承が私の故郷ではあった。他の精霊と比べて冷徹な大地の精霊の試練で部外者が入った所ですぐ裁かれるだけだ。それに試練に失敗し奴らが死ぬかもしれないし、あのエリア外の方が邪魔が入りにくい。
帰りを襲撃する。」
悪魔「了解です。」
ゼディ「…。」
ゼディ「さあ悪夢の始まりだ。裏切り者に慈悲などはいらない…」
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俺たちは襲い来る生物を振り払いながら順調に先へと進んだ。途中まで視線を感じていたが気づいたら消えていた。
すると、霧から祠が見えてきた。そこから巨大な生物の影が現れた。その巨人は非常に無機質であり、大木を担いでいた。
ウェデンジャイアント「がぐぁぁぁぁ」
俺たちは巨人が咆哮を放つと圧力で後ろに吹き飛ばされた。
「グアッ」(木々に身体を叩きつけられた。)
曖人「なんだこいつは⁉今まで戦ってきたのとは魔力の重みが違う!」
ファーマ「こいつ…明らかに自然発生したものではねェ。恐らく試練の一部だろう…。」
曖人「今回は苦戦必須だな…」
言い終えると俺は剣に思念を宿した。そして巨人が大木をこちらに振りかぶってきた。
ドーン(地面がえぐれる。)
俺は上空へと躱し、ファーマは矢をつがえて、飛びかかり術の構えを取った。
ファーマ「魔術:聖樹の春雨」
ファーマの矢は巨人にほぼヒットし、巨人は態勢を崩した。
ウェデンジャイアント「ぐがぁぁぁ」
俺はその隙に風のオーラを纏った。
曖人「剣術:風微塵」
高速で巨人を切り崩すつもりだったが、想像以上に樹皮は固く、刃が通る事は無かった。
そして無防備になった俺は巨人の反撃を喰らった。
バン「曖人が地面へと投げつけられる。」
ファーマ「曖人!大丈夫か!」
俺はなんとか起き上がった。火力不足であることは実感している。
曖人「どう攻略しようか…。パワーで押し切ることは前提のようだが適した技が無い。」
水力で火力を出そうとも考えたが、巨人の肉体は樹木で構成されているため、相性が悪い。そんな危機的状況で考え込んでいると「避けろ!」とファーマの叫びが聞こえた。
ドーン(地面に巨人の拳が直撃。)
俺は危機一髪だが回避した。
曖人「ありがとうファーマ。」
ファーマ「今は目の前の敵に集中しろ。お前の最大風力はそんなんじゃねェだろ?」
曖人「ッッッ!」
俺は何故できないと思っていたのか。属性の調合を。
曖人「次で決めてやる。ファーマ 奴の動きを封じてくれ!」
俺は突破法を絞り出した。割合の問題だ。ファーマの矢は継続ダメージを出せるから巨人の能力を低下させられると考えた。
ファーマ「了解だ。魔術:辛裏前線」
グサッグサッグサッグサッグサッ
体のデカイ巨人に衰弱矢の雨が降り注ぎ、巨人は麻痺した。そして俺は風の力をベースに水の力を付与した。
曖人「その弱った状態じゃ水分を完全には吸収できない!割合的にも風で足りない力を補うだけだしな!」
俺は思念とオーラを刃に纏い構え、飛び上がった。
曖人「剣術:乱れ斬ドレーク海風」
ジャキンジャキンジャキン ザンッ
火力を極限まで引き上げた連撃を喰らった巨人は倒れていた消えた。
曖人「消えた……って事は作られた存在ということか。」
ファーマ「やったな曖人。」
曖人「ああ。」
勝利の余韻に浸り脱力していると、精霊が姿を現した。
シズモンス「大地の精霊シズモンスだ。その勇気を称え我が力を授けよう。この山は別名魔獣の山とも言われる危険地帯だ。数多くの英雄志望者が命を落としてきた。そんな場所の最深部に辿り着いた君たちなら厄災を振り切れるはずだ。剣を掲げよ。」
俺は剣を掲げた。すると、いつものように装飾石石の1つが光った。
シズモンス「エレメン廃工業区域が次の試練地だ。本格的に慈悲がなくなってくるが、ここを突破できたなら心配はいらないはずだ。」
曖人「ありがとうございます!」
ファーマ「よし。下山するか。」
そして俺たちは無事下山した……訳があるかはわからない。
曖人「なんなんだこいつらは…」
ファーマ「は…お前は…?!」
ー続くー
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