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手筋編
恋愛に興味の無い二人の間に恋愛フラグを立てるには?
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週イチの『埼玉研』研究会。いつものメンバー、若松・木幡・立花を目の前に、珍しく三嶋大成が真剣な面持ちで「相談がある」と言った。
泣く子も黙る岡本門下で、妹弟子に先に棋戦優勝者になられても、我関せずと飄々としていた三嶋が、だ。悩み事など、いつも「なるようになる」と言っているあの三嶋が、だ。
若松と木幡が顔を見合わせる。以前に三嶋から相談事をされたことがあったか、思い出そうとするが思い出せない。あったかもしれないが、あまりにも下らない内容で忘れてしまったのだろう。
三人がごくりと唾を飲み込む。
「なんだ?どうした?」
三人を代表して若松が聞いた。
「京子について、なんだけどさ」
急に三人が興味を無くしたように外方を向く。
「なぜ目を逸らす?」
「京子ちゃんの事なら、武士沢さんか江田さんに相談した方がいいだろ!俺達の手には負えないぞ!」
若松が聞かなかった事にでもするかのように、両耳を手で塞ぐ。
「そうだよ!あの若さで「東京本院のリーサルウェポン」と呼ばれるにまで上り詰めた棋院の新兵器だぞ!あんな口八丁手八丁を俺達凡人がどうしろと?」
木幡も耳を塞いでいる。三嶋が察するに、次々と女流戦タイトルを獲り瑠璃戦でも挑戦者となりもうすぐ女流三冠に上り詰めようとしている京子は、この研究会に足を運んでいた頃の京子とはあまりにもかけ離れた所に行ってしまって気後れしているのではないかと。
三嶋はゆっくりと富岳の方を見やる。
「富岳」
「俺にも無理ですよ。人間相手ならまだしも、あれはクマですから」
「いいや!お前は拒否できない!何故なら、事の発端はお前が京子の学園祭の入場券を寄越せと言った所から始まっているんだからな!」
富岳は「あ」の形に口を開けたまま固まる。
「えっと……。その節は嘘吐いてすみませんでした……」
富岳は洋峰学園文化祭の入場券を手に入れる時、三嶋には「自分が行く」と嘘を吐いたのだ。ストーカーの話を聞いていたからだ。しかしお気楽な三嶋は、富岳と司が繋がっていることなど露ほどにも疑わず、てっきり富岳は京子と仲直りするためなのだろうと、理由を聞かずにほいほいと入場券を渡してしまったのだった。その後、三嶋は京子からどんな制裁を喰らったかまでは特筆するまでもないだろう。
「例の京子のストーカーが、岡本門下の新年会に来たんだよ」
「えっ!?」
初耳だった。司とは先日も指導碁と称して面会したが、そんな報告は受けなかった。
「俺、彼に岡本先生の家の住所、教えてないですよ!」
「ああ。わかってる。どうやって先生の住所を知ったのか、吐かせた」
富岳はほっと息を吐く。もし京子に誤解されたままだと、また新たな戦いが始まってしまう。野生動物との喧嘩は肉体的にだけでなく精神的にもダメージを喰らうのでこれ以上の争いは避けたい。
「俺、そのストーカーと一局打ったんだよ。コテンパンにやっつけて、説教して、酒飲んで。飲み過ぎたみたいで、その後の記憶がなくてさ」
耳を塞いでいた若松と木幡も一転、三嶋の話しに耳を傾ける。
「「ふん。それで?」」
「俺、べろべろに酔っ払ってあの日、岡本先生の家に泊まったんだ」
若松と木幡が声にならない悲鳴を上げ、ドン引きする。
「師匠の家に?京子ちゃんもいたんだろ?」
「京子ちゃん、よく許したな。三嶋を泊めるのを。無理矢理タクシーに乗せそうなのに」
「二人もそう思うだろ?何で泊まる羽目になったのか、全然記憶がなくてさ。ブシさんにも聞いたんだけど、何か要領を得なくてさ。ただ、その次の日、妙に京子が俺に優しくてさ」
「「京子ちゃんが三嶋に!?」」
「あ。一時的に、な。泊まったその日だけ」
若松と木幡、それに富岳までもが顔面蒼白になる。
「お前、まさか……」
「とうとう京子ちゃんに手を出……」
「してねぇ!」
三嶋にしては超速のツッコミを入れる。
「でも、記憶が無いんだろ?」
「そうだそうだ!」
「子供に手を出すほど女に困ってねぇし!京子なら尚更だ!!大体京子が黙って俺にヤられると思うか?俺の方が殺られるだろ!」
「「……だな」」
若松と木幡は、三嶋のこの一言で納得する。それくらい三嶋には説得力のある言葉だった。
「それで、その後の研究会では元通りになってたんだけどさ。あれ。結局なんだったのかなーって、気持ち悪くてさぁ。それで相談したんだよ」
三嶋は富岳を一瞥する。富岳は無言で無表情で聞いている。
若松と木幡は凝り固まっている。
「三嶋が俺達に女の事で相談……」
「自分で言うのも何だが、相談する相手を間違えてるぞ。自分で言ってて虚しくなるが……」
若松は片手で充分足りるほど、木幡に至っては彼女いない歴イコール年齢の超奥手だ。富岳に至ってはまだ中学生。
恋愛というカテゴリーにおいては棋院一話題に事欠かない三嶋。完全に相談する相手を間違えている。
(でも、おかしい)
若松は不自然さに気付く。
(自分達は女性に関する相談には向かないと知っているはずなのに、なぜこのメンバーに相談を?大学時代の友人にでも相談すればいいのに)
若松は三嶋の意図を汲み取ろうとする。
三嶋がまたチラッと富岳を見やる。
やっと若松が三嶋の意図に気付いた。
(そうか!富岳か!)
三嶋は京子と富岳を仲直りさせたがっていた。「仲直りしないままだとお互い仕事しづらいだろう」からと、三嶋はなんとか二人の仲を取り持とうとしていた。
しかし、富岳は勝手に暴走するわ、京子は知らぬ間に富岳に宣戦布告していたわで、今のところ三嶋の取り越し苦労が続いている。
(なるほど!これを機に一気に二人の仲を縮めようと!)
若松は三嶋に親指を立てて合図しようとする。が、親指をピンと伸ばしたところで手を止めた。
(……どうやって?)
どうやってこの局面から、二人の仲直りの話にもっていくんだ?
そもそも『これを機に』とは言っても、若松にはどれが『これ』なのかが分からない。っていうか、それならそれで前もって俺達に相談しておいてくれればいいのに。なんで三嶋一人だけで解決しようとしてるんだ?
(うん。俺の手には負えない。気付かなかった事にしておこう)
これだけ仲の悪い二人でも『男と女』であることには違いない。まぁ、女の方がかなり男勝りではあるけれど。三嶋に任せておけば大丈夫だろう。たぶん。
若松がこんな結論を出した頃、三嶋は腋の下に汗をかいていた。
三嶋は司をダシに、京子と富岳を仲直りさせる大博打に打って出た。
三嶋は、とうに京子の気持ちに気付いていた。京子がデビュー戦で富岳を怪我させて見舞いに行った時の話を聞いた時からだ。その後いつになく興奮気味にデビュー戦での富岳との碁を岡本先生に語っていたのも確信させるに充分だった。京子本人は気持ちを上手に隠し誰にも気付かれていないと思っているだろうけど。
そして富岳の気持ちにも気付いていた。しかし、こちらは京子とは違い、無自覚だ。昨年度の二人の対局は一局も無し。手合い課も二人の対局日程が被らないように調整しているため、昨年は棋道賞受賞式以来、お互い顔すら会わせていないはず。富岳は何かにつけ京子の対局内容や動向を逐一チェックしているのだが、「人間ではなくクマ」と呼んでる女の子をなぜそんなに気にするのか、自分の行動の矛盾に気付いていないようだ。
三嶋は、恋仲にならなくてもせめて仲直りのきっかけ位は作りたいと常々思っていた。自分の恋心を自覚している京子が恋愛に積極的ならこんな世話を焼く必要は無いだろうが、会社の経営に夢中で恋愛は二の次だ。
そこに降って沸いたような京子のストーカー被害。しかも相手は超が付く程のお坊っちゃま。
富岳の嫉妬心を刺激し自分の気持ちに気付かせるには充分な逸材だろうと思ったので「もしかしたら放っておいても良い方向に収まるかな?」と思っていたら、いつの間にやら富岳とお坊っちゃまに面識が出来ていて、しかも富岳の計画は京子とお坊っちゃまとをくっつけるという、三嶋にしたら「お前なにやってんだよ!」とツッコみたくなる展開になっている。
こうなったら使えるものは自分でも使ってしまえ!と、わざわざ話す必要のない師匠の家に泊まった話題を富岳に聞かせたのだが、当の富岳はこのリアクションだ。
さっきから1ミリも動いていない。表情も「どうでもいい」という表情だ。
(これは失敗か?それともショックを受けたのか?どっちだ?)
チラチラと富岳を観察する三嶋。富岳は三嶋と視線を合わせず無表情のままだ。
(しょうがない。しばらく経過観察だな。それにしてもコイツら、手のかかる……)
学生時代、友人の恋愛の手助けを何度も経験している恋愛百戦錬磨の三嶋も、中々思い通りに動いてくれないこの二人に、振り回されながらも楽しさを感じていた。
泣く子も黙る岡本門下で、妹弟子に先に棋戦優勝者になられても、我関せずと飄々としていた三嶋が、だ。悩み事など、いつも「なるようになる」と言っているあの三嶋が、だ。
若松と木幡が顔を見合わせる。以前に三嶋から相談事をされたことがあったか、思い出そうとするが思い出せない。あったかもしれないが、あまりにも下らない内容で忘れてしまったのだろう。
三人がごくりと唾を飲み込む。
「なんだ?どうした?」
三人を代表して若松が聞いた。
「京子について、なんだけどさ」
急に三人が興味を無くしたように外方を向く。
「なぜ目を逸らす?」
「京子ちゃんの事なら、武士沢さんか江田さんに相談した方がいいだろ!俺達の手には負えないぞ!」
若松が聞かなかった事にでもするかのように、両耳を手で塞ぐ。
「そうだよ!あの若さで「東京本院のリーサルウェポン」と呼ばれるにまで上り詰めた棋院の新兵器だぞ!あんな口八丁手八丁を俺達凡人がどうしろと?」
木幡も耳を塞いでいる。三嶋が察するに、次々と女流戦タイトルを獲り瑠璃戦でも挑戦者となりもうすぐ女流三冠に上り詰めようとしている京子は、この研究会に足を運んでいた頃の京子とはあまりにもかけ離れた所に行ってしまって気後れしているのではないかと。
三嶋はゆっくりと富岳の方を見やる。
「富岳」
「俺にも無理ですよ。人間相手ならまだしも、あれはクマですから」
「いいや!お前は拒否できない!何故なら、事の発端はお前が京子の学園祭の入場券を寄越せと言った所から始まっているんだからな!」
富岳は「あ」の形に口を開けたまま固まる。
「えっと……。その節は嘘吐いてすみませんでした……」
富岳は洋峰学園文化祭の入場券を手に入れる時、三嶋には「自分が行く」と嘘を吐いたのだ。ストーカーの話を聞いていたからだ。しかしお気楽な三嶋は、富岳と司が繋がっていることなど露ほどにも疑わず、てっきり富岳は京子と仲直りするためなのだろうと、理由を聞かずにほいほいと入場券を渡してしまったのだった。その後、三嶋は京子からどんな制裁を喰らったかまでは特筆するまでもないだろう。
「例の京子のストーカーが、岡本門下の新年会に来たんだよ」
「えっ!?」
初耳だった。司とは先日も指導碁と称して面会したが、そんな報告は受けなかった。
「俺、彼に岡本先生の家の住所、教えてないですよ!」
「ああ。わかってる。どうやって先生の住所を知ったのか、吐かせた」
富岳はほっと息を吐く。もし京子に誤解されたままだと、また新たな戦いが始まってしまう。野生動物との喧嘩は肉体的にだけでなく精神的にもダメージを喰らうのでこれ以上の争いは避けたい。
「俺、そのストーカーと一局打ったんだよ。コテンパンにやっつけて、説教して、酒飲んで。飲み過ぎたみたいで、その後の記憶がなくてさ」
耳を塞いでいた若松と木幡も一転、三嶋の話しに耳を傾ける。
「「ふん。それで?」」
「俺、べろべろに酔っ払ってあの日、岡本先生の家に泊まったんだ」
若松と木幡が声にならない悲鳴を上げ、ドン引きする。
「師匠の家に?京子ちゃんもいたんだろ?」
「京子ちゃん、よく許したな。三嶋を泊めるのを。無理矢理タクシーに乗せそうなのに」
「二人もそう思うだろ?何で泊まる羽目になったのか、全然記憶がなくてさ。ブシさんにも聞いたんだけど、何か要領を得なくてさ。ただ、その次の日、妙に京子が俺に優しくてさ」
「「京子ちゃんが三嶋に!?」」
「あ。一時的に、な。泊まったその日だけ」
若松と木幡、それに富岳までもが顔面蒼白になる。
「お前、まさか……」
「とうとう京子ちゃんに手を出……」
「してねぇ!」
三嶋にしては超速のツッコミを入れる。
「でも、記憶が無いんだろ?」
「そうだそうだ!」
「子供に手を出すほど女に困ってねぇし!京子なら尚更だ!!大体京子が黙って俺にヤられると思うか?俺の方が殺られるだろ!」
「「……だな」」
若松と木幡は、三嶋のこの一言で納得する。それくらい三嶋には説得力のある言葉だった。
「それで、その後の研究会では元通りになってたんだけどさ。あれ。結局なんだったのかなーって、気持ち悪くてさぁ。それで相談したんだよ」
三嶋は富岳を一瞥する。富岳は無言で無表情で聞いている。
若松と木幡は凝り固まっている。
「三嶋が俺達に女の事で相談……」
「自分で言うのも何だが、相談する相手を間違えてるぞ。自分で言ってて虚しくなるが……」
若松は片手で充分足りるほど、木幡に至っては彼女いない歴イコール年齢の超奥手だ。富岳に至ってはまだ中学生。
恋愛というカテゴリーにおいては棋院一話題に事欠かない三嶋。完全に相談する相手を間違えている。
(でも、おかしい)
若松は不自然さに気付く。
(自分達は女性に関する相談には向かないと知っているはずなのに、なぜこのメンバーに相談を?大学時代の友人にでも相談すればいいのに)
若松は三嶋の意図を汲み取ろうとする。
三嶋がまたチラッと富岳を見やる。
やっと若松が三嶋の意図に気付いた。
(そうか!富岳か!)
三嶋は京子と富岳を仲直りさせたがっていた。「仲直りしないままだとお互い仕事しづらいだろう」からと、三嶋はなんとか二人の仲を取り持とうとしていた。
しかし、富岳は勝手に暴走するわ、京子は知らぬ間に富岳に宣戦布告していたわで、今のところ三嶋の取り越し苦労が続いている。
(なるほど!これを機に一気に二人の仲を縮めようと!)
若松は三嶋に親指を立てて合図しようとする。が、親指をピンと伸ばしたところで手を止めた。
(……どうやって?)
どうやってこの局面から、二人の仲直りの話にもっていくんだ?
そもそも『これを機に』とは言っても、若松にはどれが『これ』なのかが分からない。っていうか、それならそれで前もって俺達に相談しておいてくれればいいのに。なんで三嶋一人だけで解決しようとしてるんだ?
(うん。俺の手には負えない。気付かなかった事にしておこう)
これだけ仲の悪い二人でも『男と女』であることには違いない。まぁ、女の方がかなり男勝りではあるけれど。三嶋に任せておけば大丈夫だろう。たぶん。
若松がこんな結論を出した頃、三嶋は腋の下に汗をかいていた。
三嶋は司をダシに、京子と富岳を仲直りさせる大博打に打って出た。
三嶋は、とうに京子の気持ちに気付いていた。京子がデビュー戦で富岳を怪我させて見舞いに行った時の話を聞いた時からだ。その後いつになく興奮気味にデビュー戦での富岳との碁を岡本先生に語っていたのも確信させるに充分だった。京子本人は気持ちを上手に隠し誰にも気付かれていないと思っているだろうけど。
そして富岳の気持ちにも気付いていた。しかし、こちらは京子とは違い、無自覚だ。昨年度の二人の対局は一局も無し。手合い課も二人の対局日程が被らないように調整しているため、昨年は棋道賞受賞式以来、お互い顔すら会わせていないはず。富岳は何かにつけ京子の対局内容や動向を逐一チェックしているのだが、「人間ではなくクマ」と呼んでる女の子をなぜそんなに気にするのか、自分の行動の矛盾に気付いていないようだ。
三嶋は、恋仲にならなくてもせめて仲直りのきっかけ位は作りたいと常々思っていた。自分の恋心を自覚している京子が恋愛に積極的ならこんな世話を焼く必要は無いだろうが、会社の経営に夢中で恋愛は二の次だ。
そこに降って沸いたような京子のストーカー被害。しかも相手は超が付く程のお坊っちゃま。
富岳の嫉妬心を刺激し自分の気持ちに気付かせるには充分な逸材だろうと思ったので「もしかしたら放っておいても良い方向に収まるかな?」と思っていたら、いつの間にやら富岳とお坊っちゃまに面識が出来ていて、しかも富岳の計画は京子とお坊っちゃまとをくっつけるという、三嶋にしたら「お前なにやってんだよ!」とツッコみたくなる展開になっている。
こうなったら使えるものは自分でも使ってしまえ!と、わざわざ話す必要のない師匠の家に泊まった話題を富岳に聞かせたのだが、当の富岳はこのリアクションだ。
さっきから1ミリも動いていない。表情も「どうでもいい」という表情だ。
(これは失敗か?それともショックを受けたのか?どっちだ?)
チラチラと富岳を観察する三嶋。富岳は三嶋と視線を合わせず無表情のままだ。
(しょうがない。しばらく経過観察だな。それにしてもコイツら、手のかかる……)
学生時代、友人の恋愛の手助けを何度も経験している恋愛百戦錬磨の三嶋も、中々思い通りに動いてくれないこの二人に、振り回されながらも楽しさを感じていた。
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