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次の一手編
相談は「専門にする」か「専属にする」か
しおりを挟む 半年に一回、という約束だったのに8ヶ月以上が経っていた。
秋田県庁職員・松山愛梨華は久々に東京の地に降り立った。
(でもまぁ今年は暑かったから、この時期で丁度良かったかも)
今回も、前回と同じフレンチレストランに呼び出された。松山はこの店をとても気に入っている。店の雰囲気はいいし、勿論味も文句無しだ。メニューを全制覇したいと思っている。
京子とは忠実にLINEで連絡を取り合っている。なので、わざわざ東京にまで来なくてもいいのでは?なんて疑問が湧いているのだが、フレンチレストランの事を考えると「来たくない」とは言えない。
店に到着すると松山は畠山の名前を店員に告げ、いつもの個室に通された。今日は京子しかいなかった。
「こんにちは、松山さん!」
相変わらず大きな声だ。声が大きいのはしょうがないので、せめて個人名だけは言わないようにして欲しい。それから京子の服装だ。また前回前々回と同じ赤いワンピースを着ている。
「あなた、それしか服を持ってないの?」
松山は堪りかねて聞いた。
「あー、これですか。服、選ぶの面倒臭いんで」
「面倒臭いって……。あなたくらいの歳の子は、身なりに気を付けるものでしょ?」
「そうみたいですね。誰かさんに言わせれば、私は感情がぶっ壊れてるそうなんで」
思い当たる節のある松山は外方を向いた。
「その節は悪かったわよ。……そうだ!お詫びと言ってはなんだけど、食事が終わったら……」
「あ、いえ。すみません!間に合ってるんで、結構です!!」
京子が松山の台詞を妨害する。しかもかなり強目に。
「ちょっと!まだ何も言ってないじゃない!」
「ええ。それについてはお詫びします。ただ、前にも全く同じ事があって、現在、断りたくても断れない状況にありまして……」
京子は『服選びサミット』が行われるようになった経緯から、現在に至るまでの状況を松山に話した。
「……で、最近は人数も増えて、丸1日かかるようになってしまって……。ああいうのって、どうやって断ればいいんでしょうか?」
京子から相談を持ち出されて、松山は目を丸くする。
「なんですか、松山さん。その表情」
「まさか、あなたから相談事されるとは思わなかったから……。だって、あれだけ華麗に大人を手玉に取るスーパー女子中学生が、服選びに……」
と言った所で松山が吹き出す。堪えようと思ったが、我慢しようと思えば思うほど笑いが込み上げてきて、とうとう堪えきれずに笑い出した。
しかし京子は、そんな松山を咎めることなく諌めることもなく、無表情で松山を見つめる。
「……あのさぁ、あなたってこういう時、そんな風にボーッとしてるわよね。いつものように怒ってもいいのよ?バカにされてるんだから」
「え?ああ、そうなんですか?何が可笑しいのかなーって思ってたんで」
「……なんか私の方がバカにされてるみたい……」
「不愉快にさせてしまったのなら謝ります。すみませんでした」
京子が松山に頭を下げる。
「なっ!?ちょっ……待って!そこまでしなくていいわよ!やめて!!」
そうだ。前にもこんな事があった。
この子は、すぐに謝罪する。こんな雑談の中の冗談ですら、相手を不愉快にさせたとすぐに頭を下げる。
悪いことは悪いと、すぐに認める素直な子だと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
松山も京子について、調べられる範囲で調べた。神童と呼ばれ、地元テレビのニュースに度々報道されていた事も。今夏に行われた囲碁の大会、真珠戦だったか、最近行われた紅水晶戦だとかいう大会も、地元のテレビでも新聞でも派手に報道していた。この歳で既に地元の名士だ。
反面、対人関係においては、こんな風に理解しがたい行動がある。侮辱するつもりで言った「感情ぶっ壊れてるんじゃないの」は強ち間違いではないのかもしれない。
一体、この子はどんな育てられ方をしたのだろう。
「ねぇ、あなた。親から一体どんな風に育……」
「早速ですけど、メニュー決めませんか。お腹ペコペコです」
はぐらかされた。それだけこの子は自分の親について話したくないらしい。そんな事をされれば、ますます気になる。もう少し掘り下げて畠山京子について調べてみようか?なんてそんな気を起こしそうになる。でもこれ以上は私には調べられない。県庁職員の権限を使えばいくらでも調べられそうだが、それは職権乱用だ。それは出来ない。
京子が自分から話してくれるのを待つしかない。
食後、京子はまたカフェオレのようなコーヒーを飲みながら、鞄からクリアファイルを取り出した。デジタル一辺倒ではない。時々こうしてアナログな一面を見せる。
「文化祭でのアンケートの結果が出たので、ご報告します」
手書きなのかと思いきや、プリントアウトしたものだった。集計ソフトを使ったのだろうか。
(わざわざプリントアウトする必要は無かったんじゃ?)
と思いつつ、松山はファイルを受けとる。
見出しには【旅行に関するアンケート調査の結果】と書かれてある。
株式会社KーHOが、秋田での本格的な事業を展開する。そのためのアンケート調査の結果だ。
秋田だけではなく、日本全体の問題でもある人口減対策。【畠山京子50年計画】のひとつだ。
どうすれば県外への人口流出に歯止めをかけられるのか。もしくは秋田に人を呼べるのか。
京子はまず「人寄せ」になりそうなモノは何かを考えた。金に糸目をつけずに、とにかく人が集まりそうな『物』『事柄』を、文化祭を使ってアンケートを取ったのだ。
京子はアンケート専用のホームページを作成。文化祭期間中学校内の至るところにアンケート協力の張り紙をした。QRコードを読み取るとアンケート専用フォームにアクセスできる。そのアンケートに答えると洋峰学園文化祭内で使える500円分の商品券が貰える。500円もあれば、ほとんどの出し物を一回分タダで利用できるとあって、口コミで広がり、ほとんどの客がこのアンケートに答えてくれたのだった(ちなみに全額京子の自腹だ)。
今、京子のもうひとつの駒・平田が躍起になって奔走している「空き家探し」。
株式会社KーHOはこの空き家を全て買い取り、民泊またはグランピング施設に改装・改築し、特に首都圏からの集客を見込んでいる。
しかしそれだけではインパクトに欠ける。
客を「ここに行ってみたい!」「もう一度ここに来たい!」と思わせるメインとなる施設を一箇所だけでも作れば、それに呼応して他の施設の客足も伸びるだろうという、取らぬ狸の皮算用だ。
アンケートの内容は、
『行ってみたい外国は?』
『そこに行って何をしたい?』
『もし同じ施設が日本にあったら行ってみたいか?』
そしてそのアンケートの結果が……。
「……集計の結果、大館にノイシュバンシュタイン城を作る事にしました」
女子人気が凄かった。大多数が「ここで結婚式を挙げてみたい」というものだった。某テーマパークにも模倣した城があるが、庶民感覚から外れた入場料の価格設定が、さらに「行ってみたい」という気持ちに拍車をかけたのではないかと、京子は思っている。
あんまりにも壮大な計画を、事も無げにさらっと言うので、思わず松山が聞き返す。
「……は?」
「ですから、大館に……」
「そこはちゃんと聞こえたから!そうじゃなくて、秋田にノイシュバンシュタイン城を建てる??」
「はい。どうでしょうか?」
松山はテーブルに両肘を付き頭を抱える。色々ツッコミたいが、まずは現実的な質問からだ。
「資金は?私は建築は詳しくないけど、たぶん、いくら東京より物価の安い秋田でも1億2億ぐらいじゃ建てられないわよ」
「資金面の事でしたらご心配なく!NISAとか暗号資産とか、いくらでも不労働収入の方法はありますから」
先日ネットで話題になった100億稼いだトレーダーの話を思い出す。それよりもうひとつ、気になる事がある。
「ちゃんと合法なんでしょうね?」
犯罪すれすれの脅しで、この【畠山京子50年計画】に荷担させられたからだ。
「もちろん!そんなんで新聞に自分の名前を載せたくはないです!」
それを聞いて松山はほっとする。学校に通いながら囲碁の仕事をして会社まで立ち上げた、この常軌を逸した天才の犯罪の片棒までをいつのまにか担がされていたなんて、冗談じゃ済まされない。
「つまり「金ならいくらでもある」と?」
「さすがに金の湧く泉ではないので、有限ですよ。ただ、この事業は金に糸目はつけたくないんです。ですから、私の後援会会長にも相談したんです。どうするのがいいか。その点、会長は本職ですから」
この話を聞いた時、心底驚いた。この天才の後援会会長があの江田グループ会長だなんて。つまり秋田県は、遠巻きではあるが、江田グループ総帥とのコネクションが出来てしまったのだ。
その江田会長曰く、「まずは銀行から少しでもいいから借金をして銀行を儲けさせて恩を売っておけ」というものだったらしい。
「借金なんてマイナスにしかならないと思ってたので、目から鱗でした。やっぱり専門の方に相談するのが一番ですね」
つくづくとんでもない人を後援会会長にしたものだと思う。
強力な後ろ楯があるから強気に出られるのかもしれないが、それ以前に「計画」そのもの自体がお粗末では城を作るどころではない。地元住民から間違いなく反対されるだろう。が、その辺の質問は後回しにする。
松山は質問を続ける。
「質問その2。建設業者はどうするの?地元?それとも東京から連れてくるの?」
県庁職員としては、ここはハッキリしておきたい。税収に関わるからだ。
「それなんですけど、秋田にノイシュバンシュタイン城を建設出来る程の技術を持つ業者がいますか?
昨今の自然災害の多発で、ただ建てるだけでは済まされません。大地震が来ても、大雨で土砂災害が起こっても、「ここにいれば安心・安全」というものを建てないと。私はいざという時、この城を一時避難所に出来ればと思っているんです」
「避難所って……。そこまで考えてるの?」
「『青いUSBメモリ』に書いてあったはずですが」
松山が口を噤む。
「この城だけでなく、民泊・グランピングにする予定の施設、全てを有事の際に無料開放する予定だとも書きましたが」
(そういえば何かそんなような事が書いてあったようなー)
「そ、そう。じゃあ、業者は東京のを連れて来るのね?」
「それなんですが……」
京子の予定では、城だけは江田グループ、民泊・グランピングは地元に任せたいのだという。
「秋田の気候風土に合わせた家を建てないと、すぐに家は痛みます。ですから民泊・グランピングは地元企業に任せたい。それでなるべく多くの企業に参加して貰いたい。競争させるんです。「うちはこんな家を作ったぞ」とか「うちにはこんなデザインの家を建てられる建築家がいるんだぞ」とか。競争させれば向上心が生まれる。建築やデザインを学んでいる大学生に依頼するのもいいかもしれません。就職や独立の良いアピールの場になるはずです。
そして設備も常に最新式の家電や家具を設置したいんです。メーカー側にも競争させるんです」
色んな案が滝のように流れてきて、そろそろ松山の脳内キャパシティーがパンパンになりそうになる。
「わかったわ。その辺の詳しい話も追い追い詰めましょう。それで質問その3。なぜ大館なの?さっき地震って言ったけど、もし津波発生時の避難所も機能させるのであれば、海岸側の方が県としてはありがたいのだけど。日本海側の津波の到達の速さはあなたも知ってるでしょ」
京子は顎に手を当て、考え込む。
「うーん……。そうですね……。大館がいいと思ったのは、あきた北空港から近いのと、山の中だからノイシュバンシュタイン城に似た雰囲気を出せると思ったんです。そうですね……。海岸近くなら海に沈む夕日を見ながら、何かしらのイベントが出来そうですね……。となると、どうしようかな……」
一度決めても、他人の意見を聞いて良いと思えば自分の意思を曲げられる柔軟さも持ち合わせている。この子は本当にまだ中学生なのだろうか?私がこれくらいの歳の頃は、親や大人に反発しまくっていたのに。
「城を建てる場所については、会議で決めましょうか」
「会議?ってメンバーは?」
「私に松山さん、平田さん、それから株式会社KーHOの重役、それから県職員のかた数名と、各市町村の代表、……それくらいは欲しいですね」
「ちょっ……!待って!なんか大事になってない!?各市町村とか!」
「大事ですよ。だってあれだけの数の空き家を株式会社KーHOで一手に引き受けるんですから。それに城。あれだけ大きな建物を建てるんですよ。初めのうちは物珍しさから大騒ぎになるかもしれないし。大事じゃないですか」
「!!!」
そ、そうか。今まで二人で話し合ってたし、他愛の無いことも話してたから、事の重大さの認識が甘かった!
これは秋田県全体を巻き込んだ一大プロジェクトなんだ!
「株式会社KーHOの名前を出しても誰も来ないかもしれないけど、畠山京子の名を出せば秋田の人間なら尻尾を振って来るでしょ」
そうだ!東京に住む地元の有名人だった、この子。
(それにしても凄い自信。自分の名前で人を呼ぶとか。……ああ。こういう怖いもの知らずな所は中学生らしいわ)
人選と日取りは平田に任せると聞いて、松山はほっと胸を撫で下ろす。正直、そこまで仕事の出来る人間じゃない。仕切れない。
地元住民への説明会はどのタイミングがいいのか等も詰めようとしたが、まだ早すぎるというので、とりあえず重役会議をなるべく早い時期に開いて欲しいという京子の希望を聞いた所で、今回の京子と松山の話し合いは終わった。
京子は持ってきたノートパソコンを広げ、今日の話し合いの内容を高速で打ち込んでいく。平田に渡す報告書だ。畠山京子の名を出すが、それはあくまで人寄せのためで、これはあくまで県主体の企画という体で事を進める。平田の手柄にするためだ。Enterキーをタンッと小気味好い音をたてて、京子は一息吐く。USBメモリへの書き込みが始まった。
「そうだ。松山さんに相談したい事があったんです。相談内容からして私の知り合いなら松山さんが一番の適任だと思いまして」
松山はポカーンと口を開けたまま黙り込む。
「どうしたんですか?」
「……今日はよく相談されるなーって」
松山は、京子は自分の力だけでなんでもこなそうとする性格だと思っていたので、こんな風に相談されるのは意外だった。
(でも悪い気はしないわね)
「いいわよ。で、どんな相談?」
「ストーカーに弱みを握られまして、デートしなくちゃならなくなったんです」
また松山がポカーンと口を開ける。
(どうしてこの子はこんなに頭がいいのに、こういう話になると、知能指数がガタ落ちするんだろう?)
「どうかしましたか?」
(どうしたと聞きたいのは私の方だよ)
「……ちょっと話を端折りすぎ。何があったのか、初めから順を追って説明してくれる?」
京子はどこから話そうかと思案したが、交流会での出来事から文化祭までの一部始終を話し始めた。
京子が話し終えて、松山は目を閉じる。
(ちゃんと分かりやすく説明出来るのに、なんでこの子は重要な部分を端折るかな~!どうなってんの?恋愛知能指数ゼロなの!?)
「そう。厄介な男に好かれたものね~」
とりあえずそう言っておく。松山には理解しがたい部分があるからだ。
(金持ちのお坊っちゃまに気に入られたのに、交際したくない!?この子、どんだけ理想が高いのよ!)
天才が何を考えているのか、理解出来ない。お坊っちゃまと交際したくないという年頃の女の子の気持ちが理解出来ない。
思春期なのに男女交際に関心が無いなんて理解出来ない!
(ん?待てよ。もしかして……)
「もしかして、好きな人がいるから、そのお坊っちゃまとは付き合いたくないってこと?」
「あ、はい。いますよ。好きな人」
(あっさり認めたな!しかも顔を赤らめる事なくサラッと!ていうか先にそれを言っておいてよ!)
「ふーん。どんな人?」
間髪入れず質問する。こういう質問はスパッと聞いた方が相手も口を割りやすい。
「私より囲碁の強い人です」
(顔色ひとつ変えずに言ったな!)
やっぱり感情がぶっ壊れているんじゃないかと思う。
でも、好きな人も嫌いな人もいるということは、少なからずともこの子にも感情はある。ただ凡人には理解しがたい箇所は多々あるけども。
(気になるわね。この天才のお眼鏡に適った男)
「お坊っちゃまへの傾向と対策を考えるから、あなたの好きな人がどういう人か、教えてくれる?」
松山がにっこりと微笑む。
京子は、胡散臭い松山の笑顔と、何の傾向と対策なのかハチャメチャな理由付けに、眉間に皺を寄せる。しかし、松山に相談するのが一番なのは間違いないので、正直に話す事にした。
「一人は兄弟子の江田さんです」
兄弟子かい!確か江田って人は、30越えてたんじゃなかったっけ?もしかして、この子、おっさん好き?
……ん?一人は、ってことは……。
「二人目は?」
松山がすぐ質問する。
京子が口を「あ」の形に開けたまま固まる。どう見ても、「しまった!言っちゃった!」という顔だ。
(ほうほう!こっちが本命か)
「どんな人?」
松山はテーブルに両肘を付き手を組み顎を乗せ、大人の余裕で微笑む。
京子はしばらく外方を向いて黙っていたが、観念したかのように口を開けた。
「そうですね。松山さんとは、おそらく会うことも無いでしょうし……。あ!言っておきますけど、これから話す内容は、誰にも言わないで下さいね!松山さんにしか話してないから、もし漏れたら松山さんが犯人ですよ!」
松山はうんうんと頷きながら返事をする。
京子が頬を染めながら、相手の名前は伏せて、ぽつぽつとデビュー戦での出来事を話す。
京子の年頃の子らしい表情を初めて見た松山は、我が子を眺めるように聞いていた。
秋田県庁職員・松山愛梨華は久々に東京の地に降り立った。
(でもまぁ今年は暑かったから、この時期で丁度良かったかも)
今回も、前回と同じフレンチレストランに呼び出された。松山はこの店をとても気に入っている。店の雰囲気はいいし、勿論味も文句無しだ。メニューを全制覇したいと思っている。
京子とは忠実にLINEで連絡を取り合っている。なので、わざわざ東京にまで来なくてもいいのでは?なんて疑問が湧いているのだが、フレンチレストランの事を考えると「来たくない」とは言えない。
店に到着すると松山は畠山の名前を店員に告げ、いつもの個室に通された。今日は京子しかいなかった。
「こんにちは、松山さん!」
相変わらず大きな声だ。声が大きいのはしょうがないので、せめて個人名だけは言わないようにして欲しい。それから京子の服装だ。また前回前々回と同じ赤いワンピースを着ている。
「あなた、それしか服を持ってないの?」
松山は堪りかねて聞いた。
「あー、これですか。服、選ぶの面倒臭いんで」
「面倒臭いって……。あなたくらいの歳の子は、身なりに気を付けるものでしょ?」
「そうみたいですね。誰かさんに言わせれば、私は感情がぶっ壊れてるそうなんで」
思い当たる節のある松山は外方を向いた。
「その節は悪かったわよ。……そうだ!お詫びと言ってはなんだけど、食事が終わったら……」
「あ、いえ。すみません!間に合ってるんで、結構です!!」
京子が松山の台詞を妨害する。しかもかなり強目に。
「ちょっと!まだ何も言ってないじゃない!」
「ええ。それについてはお詫びします。ただ、前にも全く同じ事があって、現在、断りたくても断れない状況にありまして……」
京子は『服選びサミット』が行われるようになった経緯から、現在に至るまでの状況を松山に話した。
「……で、最近は人数も増えて、丸1日かかるようになってしまって……。ああいうのって、どうやって断ればいいんでしょうか?」
京子から相談を持ち出されて、松山は目を丸くする。
「なんですか、松山さん。その表情」
「まさか、あなたから相談事されるとは思わなかったから……。だって、あれだけ華麗に大人を手玉に取るスーパー女子中学生が、服選びに……」
と言った所で松山が吹き出す。堪えようと思ったが、我慢しようと思えば思うほど笑いが込み上げてきて、とうとう堪えきれずに笑い出した。
しかし京子は、そんな松山を咎めることなく諌めることもなく、無表情で松山を見つめる。
「……あのさぁ、あなたってこういう時、そんな風にボーッとしてるわよね。いつものように怒ってもいいのよ?バカにされてるんだから」
「え?ああ、そうなんですか?何が可笑しいのかなーって思ってたんで」
「……なんか私の方がバカにされてるみたい……」
「不愉快にさせてしまったのなら謝ります。すみませんでした」
京子が松山に頭を下げる。
「なっ!?ちょっ……待って!そこまでしなくていいわよ!やめて!!」
そうだ。前にもこんな事があった。
この子は、すぐに謝罪する。こんな雑談の中の冗談ですら、相手を不愉快にさせたとすぐに頭を下げる。
悪いことは悪いと、すぐに認める素直な子だと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
松山も京子について、調べられる範囲で調べた。神童と呼ばれ、地元テレビのニュースに度々報道されていた事も。今夏に行われた囲碁の大会、真珠戦だったか、最近行われた紅水晶戦だとかいう大会も、地元のテレビでも新聞でも派手に報道していた。この歳で既に地元の名士だ。
反面、対人関係においては、こんな風に理解しがたい行動がある。侮辱するつもりで言った「感情ぶっ壊れてるんじゃないの」は強ち間違いではないのかもしれない。
一体、この子はどんな育てられ方をしたのだろう。
「ねぇ、あなた。親から一体どんな風に育……」
「早速ですけど、メニュー決めませんか。お腹ペコペコです」
はぐらかされた。それだけこの子は自分の親について話したくないらしい。そんな事をされれば、ますます気になる。もう少し掘り下げて畠山京子について調べてみようか?なんてそんな気を起こしそうになる。でもこれ以上は私には調べられない。県庁職員の権限を使えばいくらでも調べられそうだが、それは職権乱用だ。それは出来ない。
京子が自分から話してくれるのを待つしかない。
食後、京子はまたカフェオレのようなコーヒーを飲みながら、鞄からクリアファイルを取り出した。デジタル一辺倒ではない。時々こうしてアナログな一面を見せる。
「文化祭でのアンケートの結果が出たので、ご報告します」
手書きなのかと思いきや、プリントアウトしたものだった。集計ソフトを使ったのだろうか。
(わざわざプリントアウトする必要は無かったんじゃ?)
と思いつつ、松山はファイルを受けとる。
見出しには【旅行に関するアンケート調査の結果】と書かれてある。
株式会社KーHOが、秋田での本格的な事業を展開する。そのためのアンケート調査の結果だ。
秋田だけではなく、日本全体の問題でもある人口減対策。【畠山京子50年計画】のひとつだ。
どうすれば県外への人口流出に歯止めをかけられるのか。もしくは秋田に人を呼べるのか。
京子はまず「人寄せ」になりそうなモノは何かを考えた。金に糸目をつけずに、とにかく人が集まりそうな『物』『事柄』を、文化祭を使ってアンケートを取ったのだ。
京子はアンケート専用のホームページを作成。文化祭期間中学校内の至るところにアンケート協力の張り紙をした。QRコードを読み取るとアンケート専用フォームにアクセスできる。そのアンケートに答えると洋峰学園文化祭内で使える500円分の商品券が貰える。500円もあれば、ほとんどの出し物を一回分タダで利用できるとあって、口コミで広がり、ほとんどの客がこのアンケートに答えてくれたのだった(ちなみに全額京子の自腹だ)。
今、京子のもうひとつの駒・平田が躍起になって奔走している「空き家探し」。
株式会社KーHOはこの空き家を全て買い取り、民泊またはグランピング施設に改装・改築し、特に首都圏からの集客を見込んでいる。
しかしそれだけではインパクトに欠ける。
客を「ここに行ってみたい!」「もう一度ここに来たい!」と思わせるメインとなる施設を一箇所だけでも作れば、それに呼応して他の施設の客足も伸びるだろうという、取らぬ狸の皮算用だ。
アンケートの内容は、
『行ってみたい外国は?』
『そこに行って何をしたい?』
『もし同じ施設が日本にあったら行ってみたいか?』
そしてそのアンケートの結果が……。
「……集計の結果、大館にノイシュバンシュタイン城を作る事にしました」
女子人気が凄かった。大多数が「ここで結婚式を挙げてみたい」というものだった。某テーマパークにも模倣した城があるが、庶民感覚から外れた入場料の価格設定が、さらに「行ってみたい」という気持ちに拍車をかけたのではないかと、京子は思っている。
あんまりにも壮大な計画を、事も無げにさらっと言うので、思わず松山が聞き返す。
「……は?」
「ですから、大館に……」
「そこはちゃんと聞こえたから!そうじゃなくて、秋田にノイシュバンシュタイン城を建てる??」
「はい。どうでしょうか?」
松山はテーブルに両肘を付き頭を抱える。色々ツッコミたいが、まずは現実的な質問からだ。
「資金は?私は建築は詳しくないけど、たぶん、いくら東京より物価の安い秋田でも1億2億ぐらいじゃ建てられないわよ」
「資金面の事でしたらご心配なく!NISAとか暗号資産とか、いくらでも不労働収入の方法はありますから」
先日ネットで話題になった100億稼いだトレーダーの話を思い出す。それよりもうひとつ、気になる事がある。
「ちゃんと合法なんでしょうね?」
犯罪すれすれの脅しで、この【畠山京子50年計画】に荷担させられたからだ。
「もちろん!そんなんで新聞に自分の名前を載せたくはないです!」
それを聞いて松山はほっとする。学校に通いながら囲碁の仕事をして会社まで立ち上げた、この常軌を逸した天才の犯罪の片棒までをいつのまにか担がされていたなんて、冗談じゃ済まされない。
「つまり「金ならいくらでもある」と?」
「さすがに金の湧く泉ではないので、有限ですよ。ただ、この事業は金に糸目はつけたくないんです。ですから、私の後援会会長にも相談したんです。どうするのがいいか。その点、会長は本職ですから」
この話を聞いた時、心底驚いた。この天才の後援会会長があの江田グループ会長だなんて。つまり秋田県は、遠巻きではあるが、江田グループ総帥とのコネクションが出来てしまったのだ。
その江田会長曰く、「まずは銀行から少しでもいいから借金をして銀行を儲けさせて恩を売っておけ」というものだったらしい。
「借金なんてマイナスにしかならないと思ってたので、目から鱗でした。やっぱり専門の方に相談するのが一番ですね」
つくづくとんでもない人を後援会会長にしたものだと思う。
強力な後ろ楯があるから強気に出られるのかもしれないが、それ以前に「計画」そのもの自体がお粗末では城を作るどころではない。地元住民から間違いなく反対されるだろう。が、その辺の質問は後回しにする。
松山は質問を続ける。
「質問その2。建設業者はどうするの?地元?それとも東京から連れてくるの?」
県庁職員としては、ここはハッキリしておきたい。税収に関わるからだ。
「それなんですけど、秋田にノイシュバンシュタイン城を建設出来る程の技術を持つ業者がいますか?
昨今の自然災害の多発で、ただ建てるだけでは済まされません。大地震が来ても、大雨で土砂災害が起こっても、「ここにいれば安心・安全」というものを建てないと。私はいざという時、この城を一時避難所に出来ればと思っているんです」
「避難所って……。そこまで考えてるの?」
「『青いUSBメモリ』に書いてあったはずですが」
松山が口を噤む。
「この城だけでなく、民泊・グランピングにする予定の施設、全てを有事の際に無料開放する予定だとも書きましたが」
(そういえば何かそんなような事が書いてあったようなー)
「そ、そう。じゃあ、業者は東京のを連れて来るのね?」
「それなんですが……」
京子の予定では、城だけは江田グループ、民泊・グランピングは地元に任せたいのだという。
「秋田の気候風土に合わせた家を建てないと、すぐに家は痛みます。ですから民泊・グランピングは地元企業に任せたい。それでなるべく多くの企業に参加して貰いたい。競争させるんです。「うちはこんな家を作ったぞ」とか「うちにはこんなデザインの家を建てられる建築家がいるんだぞ」とか。競争させれば向上心が生まれる。建築やデザインを学んでいる大学生に依頼するのもいいかもしれません。就職や独立の良いアピールの場になるはずです。
そして設備も常に最新式の家電や家具を設置したいんです。メーカー側にも競争させるんです」
色んな案が滝のように流れてきて、そろそろ松山の脳内キャパシティーがパンパンになりそうになる。
「わかったわ。その辺の詳しい話も追い追い詰めましょう。それで質問その3。なぜ大館なの?さっき地震って言ったけど、もし津波発生時の避難所も機能させるのであれば、海岸側の方が県としてはありがたいのだけど。日本海側の津波の到達の速さはあなたも知ってるでしょ」
京子は顎に手を当て、考え込む。
「うーん……。そうですね……。大館がいいと思ったのは、あきた北空港から近いのと、山の中だからノイシュバンシュタイン城に似た雰囲気を出せると思ったんです。そうですね……。海岸近くなら海に沈む夕日を見ながら、何かしらのイベントが出来そうですね……。となると、どうしようかな……」
一度決めても、他人の意見を聞いて良いと思えば自分の意思を曲げられる柔軟さも持ち合わせている。この子は本当にまだ中学生なのだろうか?私がこれくらいの歳の頃は、親や大人に反発しまくっていたのに。
「城を建てる場所については、会議で決めましょうか」
「会議?ってメンバーは?」
「私に松山さん、平田さん、それから株式会社KーHOの重役、それから県職員のかた数名と、各市町村の代表、……それくらいは欲しいですね」
「ちょっ……!待って!なんか大事になってない!?各市町村とか!」
「大事ですよ。だってあれだけの数の空き家を株式会社KーHOで一手に引き受けるんですから。それに城。あれだけ大きな建物を建てるんですよ。初めのうちは物珍しさから大騒ぎになるかもしれないし。大事じゃないですか」
「!!!」
そ、そうか。今まで二人で話し合ってたし、他愛の無いことも話してたから、事の重大さの認識が甘かった!
これは秋田県全体を巻き込んだ一大プロジェクトなんだ!
「株式会社KーHOの名前を出しても誰も来ないかもしれないけど、畠山京子の名を出せば秋田の人間なら尻尾を振って来るでしょ」
そうだ!東京に住む地元の有名人だった、この子。
(それにしても凄い自信。自分の名前で人を呼ぶとか。……ああ。こういう怖いもの知らずな所は中学生らしいわ)
人選と日取りは平田に任せると聞いて、松山はほっと胸を撫で下ろす。正直、そこまで仕事の出来る人間じゃない。仕切れない。
地元住民への説明会はどのタイミングがいいのか等も詰めようとしたが、まだ早すぎるというので、とりあえず重役会議をなるべく早い時期に開いて欲しいという京子の希望を聞いた所で、今回の京子と松山の話し合いは終わった。
京子は持ってきたノートパソコンを広げ、今日の話し合いの内容を高速で打ち込んでいく。平田に渡す報告書だ。畠山京子の名を出すが、それはあくまで人寄せのためで、これはあくまで県主体の企画という体で事を進める。平田の手柄にするためだ。Enterキーをタンッと小気味好い音をたてて、京子は一息吐く。USBメモリへの書き込みが始まった。
「そうだ。松山さんに相談したい事があったんです。相談内容からして私の知り合いなら松山さんが一番の適任だと思いまして」
松山はポカーンと口を開けたまま黙り込む。
「どうしたんですか?」
「……今日はよく相談されるなーって」
松山は、京子は自分の力だけでなんでもこなそうとする性格だと思っていたので、こんな風に相談されるのは意外だった。
(でも悪い気はしないわね)
「いいわよ。で、どんな相談?」
「ストーカーに弱みを握られまして、デートしなくちゃならなくなったんです」
また松山がポカーンと口を開ける。
(どうしてこの子はこんなに頭がいいのに、こういう話になると、知能指数がガタ落ちするんだろう?)
「どうかしましたか?」
(どうしたと聞きたいのは私の方だよ)
「……ちょっと話を端折りすぎ。何があったのか、初めから順を追って説明してくれる?」
京子はどこから話そうかと思案したが、交流会での出来事から文化祭までの一部始終を話し始めた。
京子が話し終えて、松山は目を閉じる。
(ちゃんと分かりやすく説明出来るのに、なんでこの子は重要な部分を端折るかな~!どうなってんの?恋愛知能指数ゼロなの!?)
「そう。厄介な男に好かれたものね~」
とりあえずそう言っておく。松山には理解しがたい部分があるからだ。
(金持ちのお坊っちゃまに気に入られたのに、交際したくない!?この子、どんだけ理想が高いのよ!)
天才が何を考えているのか、理解出来ない。お坊っちゃまと交際したくないという年頃の女の子の気持ちが理解出来ない。
思春期なのに男女交際に関心が無いなんて理解出来ない!
(ん?待てよ。もしかして……)
「もしかして、好きな人がいるから、そのお坊っちゃまとは付き合いたくないってこと?」
「あ、はい。いますよ。好きな人」
(あっさり認めたな!しかも顔を赤らめる事なくサラッと!ていうか先にそれを言っておいてよ!)
「ふーん。どんな人?」
間髪入れず質問する。こういう質問はスパッと聞いた方が相手も口を割りやすい。
「私より囲碁の強い人です」
(顔色ひとつ変えずに言ったな!)
やっぱり感情がぶっ壊れているんじゃないかと思う。
でも、好きな人も嫌いな人もいるということは、少なからずともこの子にも感情はある。ただ凡人には理解しがたい箇所は多々あるけども。
(気になるわね。この天才のお眼鏡に適った男)
「お坊っちゃまへの傾向と対策を考えるから、あなたの好きな人がどういう人か、教えてくれる?」
松山がにっこりと微笑む。
京子は、胡散臭い松山の笑顔と、何の傾向と対策なのかハチャメチャな理由付けに、眉間に皺を寄せる。しかし、松山に相談するのが一番なのは間違いないので、正直に話す事にした。
「一人は兄弟子の江田さんです」
兄弟子かい!確か江田って人は、30越えてたんじゃなかったっけ?もしかして、この子、おっさん好き?
……ん?一人は、ってことは……。
「二人目は?」
松山がすぐ質問する。
京子が口を「あ」の形に開けたまま固まる。どう見ても、「しまった!言っちゃった!」という顔だ。
(ほうほう!こっちが本命か)
「どんな人?」
松山はテーブルに両肘を付き手を組み顎を乗せ、大人の余裕で微笑む。
京子はしばらく外方を向いて黙っていたが、観念したかのように口を開けた。
「そうですね。松山さんとは、おそらく会うことも無いでしょうし……。あ!言っておきますけど、これから話す内容は、誰にも言わないで下さいね!松山さんにしか話してないから、もし漏れたら松山さんが犯人ですよ!」
松山はうんうんと頷きながら返事をする。
京子が頬を染めながら、相手の名前は伏せて、ぽつぽつとデビュー戦での出来事を話す。
京子の年頃の子らしい表情を初めて見た松山は、我が子を眺めるように聞いていた。
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