4 / 10
もしも「浦島太郎」だったら
もしもみんなが「浦島太郎」だったら
しおりを挟む
青島太郎と黄島太郎と赤島太郎と紫島太郎は、いじめられていた亀を助けました。
「助けていただきありがとうございます。お礼に竜宮城へお連れします」
赤島太郎は真っ先に亀に乗りました。冒険が大好きなのです。
紫島太郎は竜宮城に興味がわき、ついていくことにしました。
黄島太郎は、そんな二人を見て仲間外れにされたくなくて乗りました。
青島太郎はというと、
「知らない人についていってはいけないと教えられているから」
と、断りました。
竜宮城へは三人行くことになりました。
竜宮城は絵にも描けない美しさでした。
赤島太郎と黄島太郎は、鯛や鮃の舞踊りを堪能しました。
紫島太郎は、竜宮城の建物の内装や調度品などを熱心に観ていました。
しばらくすると、飽きっぽい赤島太郎はこう言い出しました
「飽きたから帰る」
それを聞いた紫島太郎もこう言いました。
「僕も十分竜宮城を見学したので帰ります」
まだまだ宴も酣です。空気を読まない行動に黄島太郎は呆れました。
黄島太郎はまだ乙姫さまと一緒にいたかったのですが、一人残るのは嫌だったので、
「みんなが帰るなら僕も帰ります」
と、しぶしぶ帰ることにしました。
帰り際に三人は乙姫さまから玉手箱を渡されました。
「決して蓋を開けないで下さい」
それを聞いた赤島太郎は、天の邪鬼っぷりを発揮し、
「開けられない箱なんかいらない」
と受け取りを拒否しました。
紫島太郎は、
「僕は頂きます。中身が気になるので」
と受け取りました。
断り方を知らない黄島太郎は当然玉手箱を受け取りました。
こうして三人は帰りました。
海岸に着くと、どこか見覚えのある老人がいました。
「おお、三人とも。無事に帰ってきたか」
なんとすっかり歳を取った青島太郎でした。
いつまで経っても帰ってこない三人を心配し、五十年間毎日海岸に足を運んでいたそうです。
「なんだお前、すっかりじいさんになったなぁ!」
と、赤島太郎は大笑いしました。
黄島太郎と紫島太郎は、半狂乱になりました。
ほんの一時間くらいのつもりでいたのに、これほどの時間がたってしまっていたとは、思いもしませんでした。
紫島太郎は、玉手箱の存在を思い出しました。
「そうだ!この玉手箱を開けてみよう!」
開けると煙が立ち上り、紫島太郎はおじいさんになってしまいました。
「なんで歳をとるんだよ!」
どうやら時間を巻き戻せると早とちりしたようです。
それを見た赤島太郎はさらに大笑いしました。
黄島太郎はさらに狂乱しました。
「この玉手箱、どうしよう」
笑い転げる赤島太郎は黄島太郎にぶつかり、落ちた玉手箱を踏んづけて蓋を壊してしまいましたとさ。
「助けていただきありがとうございます。お礼に竜宮城へお連れします」
赤島太郎は真っ先に亀に乗りました。冒険が大好きなのです。
紫島太郎は竜宮城に興味がわき、ついていくことにしました。
黄島太郎は、そんな二人を見て仲間外れにされたくなくて乗りました。
青島太郎はというと、
「知らない人についていってはいけないと教えられているから」
と、断りました。
竜宮城へは三人行くことになりました。
竜宮城は絵にも描けない美しさでした。
赤島太郎と黄島太郎は、鯛や鮃の舞踊りを堪能しました。
紫島太郎は、竜宮城の建物の内装や調度品などを熱心に観ていました。
しばらくすると、飽きっぽい赤島太郎はこう言い出しました
「飽きたから帰る」
それを聞いた紫島太郎もこう言いました。
「僕も十分竜宮城を見学したので帰ります」
まだまだ宴も酣です。空気を読まない行動に黄島太郎は呆れました。
黄島太郎はまだ乙姫さまと一緒にいたかったのですが、一人残るのは嫌だったので、
「みんなが帰るなら僕も帰ります」
と、しぶしぶ帰ることにしました。
帰り際に三人は乙姫さまから玉手箱を渡されました。
「決して蓋を開けないで下さい」
それを聞いた赤島太郎は、天の邪鬼っぷりを発揮し、
「開けられない箱なんかいらない」
と受け取りを拒否しました。
紫島太郎は、
「僕は頂きます。中身が気になるので」
と受け取りました。
断り方を知らない黄島太郎は当然玉手箱を受け取りました。
こうして三人は帰りました。
海岸に着くと、どこか見覚えのある老人がいました。
「おお、三人とも。無事に帰ってきたか」
なんとすっかり歳を取った青島太郎でした。
いつまで経っても帰ってこない三人を心配し、五十年間毎日海岸に足を運んでいたそうです。
「なんだお前、すっかりじいさんになったなぁ!」
と、赤島太郎は大笑いしました。
黄島太郎と紫島太郎は、半狂乱になりました。
ほんの一時間くらいのつもりでいたのに、これほどの時間がたってしまっていたとは、思いもしませんでした。
紫島太郎は、玉手箱の存在を思い出しました。
「そうだ!この玉手箱を開けてみよう!」
開けると煙が立ち上り、紫島太郎はおじいさんになってしまいました。
「なんで歳をとるんだよ!」
どうやら時間を巻き戻せると早とちりしたようです。
それを見た赤島太郎はさらに大笑いしました。
黄島太郎はさらに狂乱しました。
「この玉手箱、どうしよう」
笑い転げる赤島太郎は黄島太郎にぶつかり、落ちた玉手箱を踏んづけて蓋を壊してしまいましたとさ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる