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もしも「赤ずきん」だったら
もしもみんなが「赤ずきん」だったら
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赤ずきんと青ずきんと紫ずきんと黄ずきんは、病気のおばあさんのお見舞いにやってきました。
おばあさんの家の近くまで来ると、青ずきんが家の異変に気づきました。
「待ってみんな。いつもならちゃんと戸締りしてるのに、ドアが開けっ放しになってるなんておかしいわ」
後退りする青ずきんに、黄ずきんはあっけらかんとこう言いました。
「私達が来るのを見越してドアを開けててくれたんじゃない?」
紫ずきんはこう提案しました。
「なら先に誰か様子を見に行けばいいんじゃない?」
「私が行くー!」
赤ずきんは元気良く立候補しました。
黄ずきんは玄関先で、紫ずきんは庭先で、青ずきんは門で、赤ずきんがおばあさんの家に入っていくのを見守りました。
「こんにちは、おばあさん。お見舞いに来たわ」
「ありがとう、赤ずきんや」
「おばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの?」
「お前の声がよく聞こえるようにだよ」
「おばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」
忘れっぽい赤ずきんはおばあさんの家を覚えていても、おばあさんの顔も狼の姿形も忘れてしまったようです。
「それはお前を食べるためだよ」
赤ずきんは狼に食べられてしまいました。
それを目の前で見ていた黄ずきんは、恐怖のあまり身動きできず、黄ずきんも狼に食べられてしまいました。
玄関先で食べられてしまった黄ずきんを見た紫ずきんは、すぐに逃げました。
「逃げるわよ!青ずきん」
青ずきんのいた場所からは赤ずきんと黄ずきんの様子は見えなかったのですが、尋常ではない紫ずきんの様子に悪い事が起きたと悟り、すぐさま逃げました。
「逃げるってどこへ」
「たしか近所に猟師がいたはず。その人の家まで走るわよ!」
「待って!赤ずきんと黄ずきんをこのまま見捨てるつもり?」
「もちろん助けるわよ。猟師にアイツを始末させるわ」
急にゴルゴの依頼人っぽい口調になった紫ずきんに、青ずきんは
(この人といて大丈夫かしら?)
と不安になりましたとさ。
おばあさんの家の近くまで来ると、青ずきんが家の異変に気づきました。
「待ってみんな。いつもならちゃんと戸締りしてるのに、ドアが開けっ放しになってるなんておかしいわ」
後退りする青ずきんに、黄ずきんはあっけらかんとこう言いました。
「私達が来るのを見越してドアを開けててくれたんじゃない?」
紫ずきんはこう提案しました。
「なら先に誰か様子を見に行けばいいんじゃない?」
「私が行くー!」
赤ずきんは元気良く立候補しました。
黄ずきんは玄関先で、紫ずきんは庭先で、青ずきんは門で、赤ずきんがおばあさんの家に入っていくのを見守りました。
「こんにちは、おばあさん。お見舞いに来たわ」
「ありがとう、赤ずきんや」
「おばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの?」
「お前の声がよく聞こえるようにだよ」
「おばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」
忘れっぽい赤ずきんはおばあさんの家を覚えていても、おばあさんの顔も狼の姿形も忘れてしまったようです。
「それはお前を食べるためだよ」
赤ずきんは狼に食べられてしまいました。
それを目の前で見ていた黄ずきんは、恐怖のあまり身動きできず、黄ずきんも狼に食べられてしまいました。
玄関先で食べられてしまった黄ずきんを見た紫ずきんは、すぐに逃げました。
「逃げるわよ!青ずきん」
青ずきんのいた場所からは赤ずきんと黄ずきんの様子は見えなかったのですが、尋常ではない紫ずきんの様子に悪い事が起きたと悟り、すぐさま逃げました。
「逃げるってどこへ」
「たしか近所に猟師がいたはず。その人の家まで走るわよ!」
「待って!赤ずきんと黄ずきんをこのまま見捨てるつもり?」
「もちろん助けるわよ。猟師にアイツを始末させるわ」
急にゴルゴの依頼人っぽい口調になった紫ずきんに、青ずきんは
(この人といて大丈夫かしら?)
と不安になりましたとさ。
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