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これだから獣人は面倒なのです。1
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[君は僕の運命の番なんだ!!]
面倒な人に当たってしまいましたね...。
「いいえ、私は貴方の番ではありません。これは私の体質です。」
[しかし!]
「そこの方、申し訳ございませんが、私の潔白を証明するために...少し頭を失礼してもよろしいですか?」
「ん?あぁ、今日は依頼とか受けてないし、良いよ?
さぁ、どんとこい!」
「ありがとうございます。
失礼いたしますね...はい、これが、私の体質だという証明です。」
以前、同じ依頼をお請けしたことがあって...今回はニヤニヤとしながら面白がっていた方を巻き込んでみました。
どうにでもして!というかのように両手を広げて、決死の覚悟を決めた顔をしているのですが、何故なのでしょう?
なんだか無性にムカつきますね。
頭を撫でるときに、少しシバけば良かったでしょうか?
[な、なんで?!]
「私は、人族と獣人族との混血です。
この体質は、混血の中に稀に産まれる体質ですよ?」
[そうなんだよねぇ。
かなり珍しいけど、知り合いにもいない訳じゃないから...。]
[そんなぁ?!!]
これで、諦めてもらえたでしょうか?
色々と面倒なので、この依頼はあまり請けたくなかったのですが...路銀が尽きかけていたのですよねぇ......。
私の目的の為には、1つの場所にあまり永く留まらない方が良いので...。
「では、依頼は完了いたしましたので、これで失礼します。
あ、受付の方!諸々そちらで見ていましたよね?
依頼の完遂報告をお願いします。」
「え?あの、依頼主の方の署名が必要ですので...えっと、今は無理です。」
何言ってるのかな?この人。
ちゃんと目の前で依頼を完遂したのに、もしかして依頼書の中身を理解していないのでしょうか?
あぁ、馬鹿なのですね?
それとも、あの急に抱き付こうとして求婚してきた人の為に引き留めようとか思ってるの?
とても迷惑な人達ですね...。
「は?......あの、ここを見てもらえますか?」
「...あ、はい。」
イラついて笑顔が引き攣ってますけど?
ギルドの看板となる受付なのに、顔に出しすぎでは?
「この依頼は、
"・必ず受付の方の目の前で行なうこと"
そして、
"・依頼主の署名が無くとも、受付の目の前で獣体型に変化すれば完遂報告出来るものとする"
と、決められています。」
「それが、何なんですか?」
「今、見てましたよね?
依頼主の彼が獣体型になりましたよね?
ですので、完遂報告をお願いします。」
「えっと...」
困ったといった顔をしてますけど、理解出来ないのでしょうか?
それとも、引き留めようとしているから悩んでいるのでしょうか?
「ハァー、アンタ馬鹿なの?
こんな簡単なことも理解出来ていないなんて、受付として失格よ?
ちょっと退きなさい!アタシがやるわ!」
「何するんですかぁ!」
あら、後ろで腕を組んでイライラとしていたお姉さんが、受付の方を押し退けて出てきましたね。
どうやら、我慢出来なかったみたいです。
「ごめんなさいねぇ?
この子、副ギルマスの娘なんだけどあんまり使えない子でね?
何度も教えてるのに、全然覚えないし...もう首にしてやりたいわ!
あ、ギルドカードを貸してもらえる?」
「はい、お願いします。
でも、副ギルドマスターの娘さんなら、首にするのは難しいのでは?」
このギルドの副ギルドマスターは、この街随一の大きな商会のご子息だった筈です...。
大きな商会のご子息とか、なんだか面倒臭そうですよね。
「ギルマスに、職員一同とそれぞれ個人で嘆願書を出してるわ!
もしも、副ギルマスの生家に配慮したりして、それらを握り潰すのなら、こんなギルド辞めてやるわ!」
「媚び諂う為の忖度って、面倒だから止めてほしいですよね。」
「そうなのよぉー!
はい、完遂報告はこれで完了よ!」
「ありがとうございました。」
「えぇ、これが仕事ですもの。
そう言えば、荷物が多いみたいだけど...もう旅立つの?」
「はい、目指している街までもう少しなので...。
路銀もある程度貯まりましたので、そろそろ出発しようかと考えています。」
「気を付けてね?」
「はい、行ってきます。」
完遂報告の処理をしてくれたお姉さんに手を振り、ギルドを出ます。
さて、屋台でお昼を買ってから出発しましょうか。
あそこのおじさんにもご挨拶しておきたいですしね。
*
面倒な人に当たってしまいましたね...。
「いいえ、私は貴方の番ではありません。これは私の体質です。」
[しかし!]
「そこの方、申し訳ございませんが、私の潔白を証明するために...少し頭を失礼してもよろしいですか?」
「ん?あぁ、今日は依頼とか受けてないし、良いよ?
さぁ、どんとこい!」
「ありがとうございます。
失礼いたしますね...はい、これが、私の体質だという証明です。」
以前、同じ依頼をお請けしたことがあって...今回はニヤニヤとしながら面白がっていた方を巻き込んでみました。
どうにでもして!というかのように両手を広げて、決死の覚悟を決めた顔をしているのですが、何故なのでしょう?
なんだか無性にムカつきますね。
頭を撫でるときに、少しシバけば良かったでしょうか?
[な、なんで?!]
「私は、人族と獣人族との混血です。
この体質は、混血の中に稀に産まれる体質ですよ?」
[そうなんだよねぇ。
かなり珍しいけど、知り合いにもいない訳じゃないから...。]
[そんなぁ?!!]
これで、諦めてもらえたでしょうか?
色々と面倒なので、この依頼はあまり請けたくなかったのですが...路銀が尽きかけていたのですよねぇ......。
私の目的の為には、1つの場所にあまり永く留まらない方が良いので...。
「では、依頼は完了いたしましたので、これで失礼します。
あ、受付の方!諸々そちらで見ていましたよね?
依頼の完遂報告をお願いします。」
「え?あの、依頼主の方の署名が必要ですので...えっと、今は無理です。」
何言ってるのかな?この人。
ちゃんと目の前で依頼を完遂したのに、もしかして依頼書の中身を理解していないのでしょうか?
あぁ、馬鹿なのですね?
それとも、あの急に抱き付こうとして求婚してきた人の為に引き留めようとか思ってるの?
とても迷惑な人達ですね...。
「は?......あの、ここを見てもらえますか?」
「...あ、はい。」
イラついて笑顔が引き攣ってますけど?
ギルドの看板となる受付なのに、顔に出しすぎでは?
「この依頼は、
"・必ず受付の方の目の前で行なうこと"
そして、
"・依頼主の署名が無くとも、受付の目の前で獣体型に変化すれば完遂報告出来るものとする"
と、決められています。」
「それが、何なんですか?」
「今、見てましたよね?
依頼主の彼が獣体型になりましたよね?
ですので、完遂報告をお願いします。」
「えっと...」
困ったといった顔をしてますけど、理解出来ないのでしょうか?
それとも、引き留めようとしているから悩んでいるのでしょうか?
「ハァー、アンタ馬鹿なの?
こんな簡単なことも理解出来ていないなんて、受付として失格よ?
ちょっと退きなさい!アタシがやるわ!」
「何するんですかぁ!」
あら、後ろで腕を組んでイライラとしていたお姉さんが、受付の方を押し退けて出てきましたね。
どうやら、我慢出来なかったみたいです。
「ごめんなさいねぇ?
この子、副ギルマスの娘なんだけどあんまり使えない子でね?
何度も教えてるのに、全然覚えないし...もう首にしてやりたいわ!
あ、ギルドカードを貸してもらえる?」
「はい、お願いします。
でも、副ギルドマスターの娘さんなら、首にするのは難しいのでは?」
このギルドの副ギルドマスターは、この街随一の大きな商会のご子息だった筈です...。
大きな商会のご子息とか、なんだか面倒臭そうですよね。
「ギルマスに、職員一同とそれぞれ個人で嘆願書を出してるわ!
もしも、副ギルマスの生家に配慮したりして、それらを握り潰すのなら、こんなギルド辞めてやるわ!」
「媚び諂う為の忖度って、面倒だから止めてほしいですよね。」
「そうなのよぉー!
はい、完遂報告はこれで完了よ!」
「ありがとうございました。」
「えぇ、これが仕事ですもの。
そう言えば、荷物が多いみたいだけど...もう旅立つの?」
「はい、目指している街までもう少しなので...。
路銀もある程度貯まりましたので、そろそろ出発しようかと考えています。」
「気を付けてね?」
「はい、行ってきます。」
完遂報告の処理をしてくれたお姉さんに手を振り、ギルドを出ます。
さて、屋台でお昼を買ってから出発しましょうか。
あそこのおじさんにもご挨拶しておきたいですしね。
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