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ハジマリ

プロローグ

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はぁ、疲れた...。
そりゃあそうだよね...これ、トータルで30㎏はある筈だもん。

突然来た督促状的な封書に驚きつつも、宛先は自分の名前だし住所も間違いないことを確認してから内容を確かめたけど...伯母さん、せめて、島の名前とかくらいは教えててくれても良いのに!
聞いたことないから訳分からなくて...物は試しと封書に書いてあった電話番号にかけてみたら、ザ・お役所!って感じのお堅い喋り方の男性が出て、封書の通りに伝えてなんやかやと対応してもらった。
その時に、私が行くときにはライフラインを通しておくって言ってたけど、封書の島には現在誰も住んでおらず、今後も私1人しか住まない予定らしい。
それなら、私1人で住んでいて断水とか停電とかになったら大変でしょ!ってことで、電話を終えてから慌てて行ったお店の中で取り敢えず頑丈で一番大きいスーツケースと、長時間でも背負いやすいって触れ込みのアウトドア用の大きいリュックを買った。
家に帰ってからあれもこれもと詰め始めたら直ぐにパンパンになっちゃった...仕方ないよね?

ほら、生きるのに必要なものを衣・食・住って言うじゃない?
だから、下着に洋服に膝掛けとか...衣に分類されるだろうものがまずは大事でしょ?
島にどんなお店があるのかも...ん?誰も住んでいないのならお店は無いんだよね?
ってことは、本島に出なければ買えないってことだよね?
いや...それは不便すぎる。
取り敢えず、春夏秋冬いられるようにそれぞれ5着は入れました。
靴下も靴も帽子も入れてあるし、寝るところがあるかも分からないんだからクッション性のあるレジャーシートも寝袋も薄手のひざ掛けもハーフケットも厚手の毛布も準備したわ!
全て季節ごとに纏めて圧縮してあるから、見た目は板みたいにぺらんとしてるけど...圧縮袋最高!!

それで、ハサミとかごみ袋とか包丁とか充電器とか石鹸とかの、住に必要そうな日用品は勿論入れて...唯一の趣味である手芸用品も諸々入れてある。
解れたりしたら補修したいし、雨の日とかは何も出来ないだろうから暇潰しにもなるでしょ。
圧縮するためにダウンジャケットもダウンベストも諦めたから、大きめのセーターとか編もうかな?って思ってるの。
四季があるらしいことは電話で言ってたけど、どれだけ寒いかも暑いかも分からないんだもん...もう少し情報くれれば良いのに、迷惑なお役所だよ。
勿論、DIY用に工具類も入ってますよ?
電気を使う工具類って嵩張るし重たいから、電気を使わないヤツを選びましたとも。
発電機も欲しかったけど重すぎたから断念して、ソーラー発電も出来るって書いてあった手回し発電の出来る大きめの懐中電灯を買いました。
少しお高かったけど、USBポート?が付いてて携帯とかの充電なら出来るらしいからね。

それで、あちらに食料とか調理器具とかがあるかなんてことも教えてくれなかったから、簡単に作れるレトルトとか缶詰も必要だろうし...勿論、お米も5㎏入ってますよ?
絶対食べたくなるもん!
非常食として売ってた乾パンや堅焼きビスケット的なやつとか、宇宙食にも選ばれてるらしい羊羹も入れてある。
消費期限が2年くらいあったから、ビックリするよねー。

ハァー、現実逃避してても距離は縮まらない......チャキチャキ歩くか。
それにしても、どうして目的地が遥か向こうの丘の上にあるのよ!
下り坂なら、スーツケースに乗って楽ーに移動出来るのに!!
というか、島の地図くらいくれても良くない?

まったく、あの役人共々お役所って鬼畜過ぎるわー。





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