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4 : お父様は、頭がおかしいのですね。
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「ここの道が、何故、通行止めなんだ?!」
「あぁ、なんでも急用だとかで、大臣に命令されてるんだよ!!
スフィリノ伯爵の奥方が亡くなられたらしくてな!!
奥方が逢引きしていたのだと伯爵が五月蝿くて、取り合えず現場を見に行くらしいんだ!!
すまんが、少しだけ待っててくれ!!
大臣達が通り終わったら直ぐに解除するよ!!」
「そうか!!分かったよ!!」
あら、お兄様の懸念通り、お母様が誰かと逢引きしていたのだとお父様が主張なさってますのね。
さて、大臣はどうなさるのかしらね?
「へぇー...仕事で呼び出されて王宮にいたにしては、動きが早いね。
ロビン、猫は何か掴んでるかな?」
「うーん、んーん......あっ、伯爵は王宮にはいなかったみたいですよ?
僕らが奥様のことを聞いた辺りで、突然王宮に現れて騒ぎ立て直接大臣に要請したみたいです。
仕事で王宮に呼び出されたってのは嘘だったんですね。
奥様の事故のことを、伯爵がどうやって知ったのかは分からないみたいですけど...。」
「...ロビン、貴方って...猫ちゃんと良くお話ししてましたけれど、本当に言葉が分かりますのね?」
ポワポワとしているロビンにお兄様が訊ねると、馬車の窓から顔を出して道端にいた猫ちゃんとお話しし始めたわね。
ロビン?貴方、上手いこと隠していたつもりみたいだけれど、やっぱりアニメルトなのね?
「あっ、ジーク様、バレちゃいました!」
「構わないよ。
アリアもリュシーもそういうのは大丈夫だから。」
「え、そう...なんですか?
えっと...僕は、猫のアニメルトなのです。
そして、ロランド兄さんは馬のアニメルトです。」
「あらまぁ、やっぱりそうなのね。」
「いいなぁ。
ロビン...ねこちゃんとおはなしできるのね。」
「気味悪がらないんですね。」
「?貴方達の才能に嫉妬はいたしますわよ?
出来ることならば私もお話ししたいもの。
それに、アニメルトって、外国の言葉が話せるのと大差無いのでしょう?」
「いいなぁ。
ロランドはおうまさんとはなせるのね。」
「ありがとうございます。
僕も兄さんもこの能力が原因で両親から捨てられたらしいので、受け入れていただけて、とても嬉しいです!」
バレた!って顔をして少し顔を青くしていたけれど、頬に血色が戻りましたわね。
リュシーは、動物とお話し出来るなんていいなぁと羨ましがっておりますが、世間では、その能力を気味悪がられることもしばしばありますのよね。
そう、ロビンとロランドがサラ達の子供になったのは、実のご両親にアニメルトだからと捨てられたからなのね。
私が物心ついた頃には、2人はもうサラ達の子供でしたもの、詳しい事情を知らなくても当然のことよね。
でも、少しだけ悲しいわ。
「あっ、お母さんには言わないでください!!
お母さん、僕らがアニメルトだってことは知ってるけど、その...捨てられたんだってことは知らないんで!
実の両親は死んだってことにしてるんですよ。
心配かけるのも嫌だけど、怒られるのはもっと嫌なんです。」
「フフフッ!サラは、ロビンのこともロランドのこともきっと怒らないわよ?
もしもサラが怒るとしたら、貴方達のご両親に対してだけだと思うわ。
そうそう、ロビンもロランドもまだ会ったことないでしょうから知らないのかもしれないけれど、サラの妹のミラノはリスのアニメルトなのよ。」
えっと...ロビンとロランドが親に捨てられたのだということを知らないの?
あら、養子とするのに、サラにどう説明したのかしら?
後で確認出来たらしておきましょう。
「うん、ミラノが、リスさんとおはなしさせてくれたの!
リスさん、ミラノにきゅうこんしていたのよ?
ミラノはきこんしゃなのに...むりよね。」
「あら、そんなことがあったの?
リスさんとお話し出来て、良かったわね。
私はまだ1度も無いの...羨ましいわ。」
「えー!ミラノ叔母ちゃん、リスのアニメルトだったんですか?
存在は知ってましたけど会ったことないですし、知らなかったです。」
「ロビン、サラがよくロランドを怒っていたのは、いくら馬が好きだからと言っても、厩舎で寝起きするなんて厩舎係りの迷惑になるからなんだ。
それに、ロランドはただずっと馬と一緒にいたかっただけらしいけど、サラはロランドのことが心配だったんだよ。
あの時のロランドは、いつも泥だらけだったからね。
馬にとっても人間にとっても、泥は不衛生だから...野生児のロランドを毎回お風呂に入れるのが大変だったらしいよ?
ロビンはまだ2歳だったから、あの頃は断片的な記憶でも仕方無いけどね。」
「怒られないなら良いです。
お母さんが怒ると、凄く怖いんですよ...。」
「えぇ、サラは怒ると怖いわね。
雇い主であるお父様に対しても、いつも睨み付けていたわ。」
*
「あぁ、なんでも急用だとかで、大臣に命令されてるんだよ!!
スフィリノ伯爵の奥方が亡くなられたらしくてな!!
奥方が逢引きしていたのだと伯爵が五月蝿くて、取り合えず現場を見に行くらしいんだ!!
すまんが、少しだけ待っててくれ!!
大臣達が通り終わったら直ぐに解除するよ!!」
「そうか!!分かったよ!!」
あら、お兄様の懸念通り、お母様が誰かと逢引きしていたのだとお父様が主張なさってますのね。
さて、大臣はどうなさるのかしらね?
「へぇー...仕事で呼び出されて王宮にいたにしては、動きが早いね。
ロビン、猫は何か掴んでるかな?」
「うーん、んーん......あっ、伯爵は王宮にはいなかったみたいですよ?
僕らが奥様のことを聞いた辺りで、突然王宮に現れて騒ぎ立て直接大臣に要請したみたいです。
仕事で王宮に呼び出されたってのは嘘だったんですね。
奥様の事故のことを、伯爵がどうやって知ったのかは分からないみたいですけど...。」
「...ロビン、貴方って...猫ちゃんと良くお話ししてましたけれど、本当に言葉が分かりますのね?」
ポワポワとしているロビンにお兄様が訊ねると、馬車の窓から顔を出して道端にいた猫ちゃんとお話しし始めたわね。
ロビン?貴方、上手いこと隠していたつもりみたいだけれど、やっぱりアニメルトなのね?
「あっ、ジーク様、バレちゃいました!」
「構わないよ。
アリアもリュシーもそういうのは大丈夫だから。」
「え、そう...なんですか?
えっと...僕は、猫のアニメルトなのです。
そして、ロランド兄さんは馬のアニメルトです。」
「あらまぁ、やっぱりそうなのね。」
「いいなぁ。
ロビン...ねこちゃんとおはなしできるのね。」
「気味悪がらないんですね。」
「?貴方達の才能に嫉妬はいたしますわよ?
出来ることならば私もお話ししたいもの。
それに、アニメルトって、外国の言葉が話せるのと大差無いのでしょう?」
「いいなぁ。
ロランドはおうまさんとはなせるのね。」
「ありがとうございます。
僕も兄さんもこの能力が原因で両親から捨てられたらしいので、受け入れていただけて、とても嬉しいです!」
バレた!って顔をして少し顔を青くしていたけれど、頬に血色が戻りましたわね。
リュシーは、動物とお話し出来るなんていいなぁと羨ましがっておりますが、世間では、その能力を気味悪がられることもしばしばありますのよね。
そう、ロビンとロランドがサラ達の子供になったのは、実のご両親にアニメルトだからと捨てられたからなのね。
私が物心ついた頃には、2人はもうサラ達の子供でしたもの、詳しい事情を知らなくても当然のことよね。
でも、少しだけ悲しいわ。
「あっ、お母さんには言わないでください!!
お母さん、僕らがアニメルトだってことは知ってるけど、その...捨てられたんだってことは知らないんで!
実の両親は死んだってことにしてるんですよ。
心配かけるのも嫌だけど、怒られるのはもっと嫌なんです。」
「フフフッ!サラは、ロビンのこともロランドのこともきっと怒らないわよ?
もしもサラが怒るとしたら、貴方達のご両親に対してだけだと思うわ。
そうそう、ロビンもロランドもまだ会ったことないでしょうから知らないのかもしれないけれど、サラの妹のミラノはリスのアニメルトなのよ。」
えっと...ロビンとロランドが親に捨てられたのだということを知らないの?
あら、養子とするのに、サラにどう説明したのかしら?
後で確認出来たらしておきましょう。
「うん、ミラノが、リスさんとおはなしさせてくれたの!
リスさん、ミラノにきゅうこんしていたのよ?
ミラノはきこんしゃなのに...むりよね。」
「あら、そんなことがあったの?
リスさんとお話し出来て、良かったわね。
私はまだ1度も無いの...羨ましいわ。」
「えー!ミラノ叔母ちゃん、リスのアニメルトだったんですか?
存在は知ってましたけど会ったことないですし、知らなかったです。」
「ロビン、サラがよくロランドを怒っていたのは、いくら馬が好きだからと言っても、厩舎で寝起きするなんて厩舎係りの迷惑になるからなんだ。
それに、ロランドはただずっと馬と一緒にいたかっただけらしいけど、サラはロランドのことが心配だったんだよ。
あの時のロランドは、いつも泥だらけだったからね。
馬にとっても人間にとっても、泥は不衛生だから...野生児のロランドを毎回お風呂に入れるのが大変だったらしいよ?
ロビンはまだ2歳だったから、あの頃は断片的な記憶でも仕方無いけどね。」
「怒られないなら良いです。
お母さんが怒ると、凄く怖いんですよ...。」
「えぇ、サラは怒ると怖いわね。
雇い主であるお父様に対しても、いつも睨み付けていたわ。」
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