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1歳!行動範囲が拡がります!
親達のお話し2(領主様side)
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「じゃ、先ずは...妻との離縁がやっと成立したことからかな。
勝手に連れてきていた侍女も共に、彼女の実家に無事に送り届けさせたよ。
そして、彼女と侍女が“ファビッツ保護法違反”で逮捕される所も、送り届けた御者が見届けてくれているから安心してくれ。」
「侍女も逮捕されたのか?」
そこ、気になるよね...俺も、最初聞いたときにはかなり驚いたからね。
御者曰く、
『お2人からは助けを求められたけれども、お2人が逮捕されるのを見届けたら直ぐに帰ってくるようにと言われてたので帰ってきました。
ただの御者である自分にはあのお2人を弁護することは無理ですし、無実であるとの釈明をするなら潔く逮捕されておいた方が良いと思いました。』
と。
「あぁ、使用人や本人達へと聞き取り調査なども経て得られた情報によると、
『娘を愛する母親としては、あんなにもファビッツを見たがっている娘の為にもファビッツの捕獲依頼を出したいの。』
と、あの侍女に相談したらしい。
それで、
『簡単に外に出られない奥様の代わりに私が!』
ってお節介を焼こうとした侍女が勝手にギルドへと行き、ギルドへの依頼の出し方をよく知らずに冒険者へと直接依頼を出してしまっていたことが分かってね...
『領主の娘さんが要望している!』
『領主夫人様からの許可を得た依頼だ!』
『ファビッツを見たいだけで生死は問わないから、もしも偶然死んでいるのを見かけたのならばそれでも構わないから連れてきてほしい!』
と、言ったそうだよ。」
「え?」
そもそも、“貴族の奥様は簡単に外に出られない”とか初めて聞いたんだけど...こちらとしては、妻だからと屋敷に閉じ込めるつもりなんてないんだよね。
行き先をきちんと伝えてくれて、護衛を連れての外出であれば止めたことなんてないんだけど?
結構頻繁に、2人で出掛けてたよな?
「侍女は自分の名前をきちんと告げて依頼をした筈だと言うんだよ。
自分はミリティレアの名前で依頼を出した訳ではなく、領主の依頼とも言ってはおらず、勝手に尾ヒレが付いて広まっていったっていう認識らしいよ。
生死は問わないってのは実際に言ったらしいけど、もしも死んだファビッツを連れてきたとしたら、娘に見せる前に剥製にでもするつもりだったそうでね...生きたファビッツの捕獲は難しいだろうと分かっていたから、見るだけならば死体でも構わないだろうと思ったらしいよ。」
「あらまぁ、随分と世間知らずな侍女さんなのね。」
「あぁ、腹違いの妹だったらしいから...本来侍女として育ってはいないらしい。」
「「は?」」
その反応は俺らもしたな...そりゃあ不思議だよな?
腹違いの妹を侍女として婚家に連れてくるとか、普通ならしない。
「母親がアレを妊娠しているときに、父親が平民の女性と不貞を犯して生ませた娘だったから、正式に貴族としては登録されていないとのことだ。
平民の女性が死んでから、何かの役に立つのでは?と引き取って中途半端にはなってしまったが、多少の教育をしつつ育ててたということらしい。
本人曰く、12まで普通に片親の平民として育ってきて、母親が亡くなって孤児院へと向かっていたら父親だと名乗る男が現れて、
『お前は私の娘だから貴族としての教育が必要だ。
今からでは全ては無理だろうが、我が家の名前に泥を塗られては困るからとっとと始めろ。』
と言われたらしい。
馬車に乗せられて広い屋敷に連れて行かれ、母を助けるためにと今までしてきたことは、貴族のご令嬢としては“はしたない”ことだから全てしてはいけないことなのだと否定され、戸惑うしかなかったと言っていたよ。
今までの生活とあまりにも違いすぎて、そして本妻からの嫌がらせなどもあってなかなか馴染めず、教育も進まず、放逐される寸前だったらしくてね...本人の意思とは関係なく、周囲に巻き込まれている妹が可哀想で連れて出て来たらしいよ?」
内容を聞いただけなら麗しい姉妹愛に感じるだろうけど、こちらの了解も得ずに妻が勝手なことをしただけで、本来付ける筈だった侍女からしても迷惑でしかないよね...仕事を奪われたわけだし。
腹違いとはいえ自分の妹だから、それなりの地位につけないといけないとか思ったから、侍女長に任命したらしいけど、嫁いできたばかりの妻には任命権とかないからね?
こっちに相談無く勝手なことをするから、子供を産んでからも権限は殆ど与えてないんだけどね。
それにしても、侍女長としての仕事をしていないのによくもまぁ名乗れたよね...奥様についているだけで侍女長とかになれるわけないのにさ。
*
勝手に連れてきていた侍女も共に、彼女の実家に無事に送り届けさせたよ。
そして、彼女と侍女が“ファビッツ保護法違反”で逮捕される所も、送り届けた御者が見届けてくれているから安心してくれ。」
「侍女も逮捕されたのか?」
そこ、気になるよね...俺も、最初聞いたときにはかなり驚いたからね。
御者曰く、
『お2人からは助けを求められたけれども、お2人が逮捕されるのを見届けたら直ぐに帰ってくるようにと言われてたので帰ってきました。
ただの御者である自分にはあのお2人を弁護することは無理ですし、無実であるとの釈明をするなら潔く逮捕されておいた方が良いと思いました。』
と。
「あぁ、使用人や本人達へと聞き取り調査なども経て得られた情報によると、
『娘を愛する母親としては、あんなにもファビッツを見たがっている娘の為にもファビッツの捕獲依頼を出したいの。』
と、あの侍女に相談したらしい。
それで、
『簡単に外に出られない奥様の代わりに私が!』
ってお節介を焼こうとした侍女が勝手にギルドへと行き、ギルドへの依頼の出し方をよく知らずに冒険者へと直接依頼を出してしまっていたことが分かってね...
『領主の娘さんが要望している!』
『領主夫人様からの許可を得た依頼だ!』
『ファビッツを見たいだけで生死は問わないから、もしも偶然死んでいるのを見かけたのならばそれでも構わないから連れてきてほしい!』
と、言ったそうだよ。」
「え?」
そもそも、“貴族の奥様は簡単に外に出られない”とか初めて聞いたんだけど...こちらとしては、妻だからと屋敷に閉じ込めるつもりなんてないんだよね。
行き先をきちんと伝えてくれて、護衛を連れての外出であれば止めたことなんてないんだけど?
結構頻繁に、2人で出掛けてたよな?
「侍女は自分の名前をきちんと告げて依頼をした筈だと言うんだよ。
自分はミリティレアの名前で依頼を出した訳ではなく、領主の依頼とも言ってはおらず、勝手に尾ヒレが付いて広まっていったっていう認識らしいよ。
生死は問わないってのは実際に言ったらしいけど、もしも死んだファビッツを連れてきたとしたら、娘に見せる前に剥製にでもするつもりだったそうでね...生きたファビッツの捕獲は難しいだろうと分かっていたから、見るだけならば死体でも構わないだろうと思ったらしいよ。」
「あらまぁ、随分と世間知らずな侍女さんなのね。」
「あぁ、腹違いの妹だったらしいから...本来侍女として育ってはいないらしい。」
「「は?」」
その反応は俺らもしたな...そりゃあ不思議だよな?
腹違いの妹を侍女として婚家に連れてくるとか、普通ならしない。
「母親がアレを妊娠しているときに、父親が平民の女性と不貞を犯して生ませた娘だったから、正式に貴族としては登録されていないとのことだ。
平民の女性が死んでから、何かの役に立つのでは?と引き取って中途半端にはなってしまったが、多少の教育をしつつ育ててたということらしい。
本人曰く、12まで普通に片親の平民として育ってきて、母親が亡くなって孤児院へと向かっていたら父親だと名乗る男が現れて、
『お前は私の娘だから貴族としての教育が必要だ。
今からでは全ては無理だろうが、我が家の名前に泥を塗られては困るからとっとと始めろ。』
と言われたらしい。
馬車に乗せられて広い屋敷に連れて行かれ、母を助けるためにと今までしてきたことは、貴族のご令嬢としては“はしたない”ことだから全てしてはいけないことなのだと否定され、戸惑うしかなかったと言っていたよ。
今までの生活とあまりにも違いすぎて、そして本妻からの嫌がらせなどもあってなかなか馴染めず、教育も進まず、放逐される寸前だったらしくてね...本人の意思とは関係なく、周囲に巻き込まれている妹が可哀想で連れて出て来たらしいよ?」
内容を聞いただけなら麗しい姉妹愛に感じるだろうけど、こちらの了解も得ずに妻が勝手なことをしただけで、本来付ける筈だった侍女からしても迷惑でしかないよね...仕事を奪われたわけだし。
腹違いとはいえ自分の妹だから、それなりの地位につけないといけないとか思ったから、侍女長に任命したらしいけど、嫁いできたばかりの妻には任命権とかないからね?
こっちに相談無く勝手なことをするから、子供を産んでからも権限は殆ど与えてないんだけどね。
それにしても、侍女長としての仕事をしていないのによくもまぁ名乗れたよね...奥様についているだけで侍女長とかになれるわけないのにさ。
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