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後日談
#2
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私はまだデビュタントを迎えていないので、差し出された手の上にチョコンと乗せるだけのエスコートですが、出来れば第3王子に頼みたかった。
けれど、差し出された王太子殿下の手を取らないなんて不敬は許されないんだろうなぁ...うん、長いものには巻かれとかなきゃね。
王太子殿下も第3王子も、青い髪に黄色の瞳という...よくいる金髪碧眼の王子様の逆をいくお色味をされてますのよ...オホホホ。
王太子殿下はサラッサラのストレートで、睨まれたら威圧感抜群の切れ長の目をしてて、第3王子はふわふわの癖毛で、柔和な垂れ目という色味だけが同じなのも面白いところかな。
王太子殿下は国王陛下にめちゃくちゃ似てて、第3王子は王妃殿下と前国王陛下を足して2で割った感じ...というか、顔立ちは全部王妃殿下で、国王陛下に似てる部分が色味だけなんだよね。
前国王陛下は国王陛下の伯父さんにあたりまして、昔は色々諸々と継承問題があったらしいんですよー...巻き込まれたくないから知らん方が良さそうでしょ?
だから詳しく掘り下げてはいない。
因みに私は、地味な濃いめの茶色の髪に薄めの茶色の瞳です。
可もなく不可もない普通のどこにでもいる女の子なんで!
「よろしくお願いいたします。
デビュタントのパートナーは4番目の兄がしてくれる予定とはなっておりますが、不測の事態が起きたとするならば2番目の兄になります。」
「おや?1番上の兄ではないのかい?」
「1兄様は私を甘やかしすぎるので、家以外でのエスコートは母と2にぃににより禁止されております。」
「あ、そっか...赤ちゃんの頃から溺愛だったんだもんね。
赤ちゃんの頃の姪っ子ちゃんにも会いたかったなぁ......今も可愛いけど、もっと早く会いたかったんだよ?」
そうなんですよね...赤ちゃんの頃のことはほぼ覚えてないんだけど、1兄様曰く誰もいないことに気付くとふぇふぇ寂しそうに小さめに泣く子だったらしくて、成長した今も1人が寂しくて泣いてないかが心配になるらしい。
いや、この歳ですしもうさすがに泣きませんよ?
でも、家にいるときは毎日時間があれば会いに来てたし、私付きのメイドには1人にするなと厳命してたらしいし、私の悪口を言ってた従姉妹をどこぞかに強制的に嫁がせたらしいし、その他にも色々とやらかしてるんだよなぁ...あの人。
うん、そんな感じで私の障害となりそうなモノは全て消し去ろうとする人なので、その......私が慣れないヒールでふらつくと直ぐに抱き上げちゃうだろうし、男の子とか男性が寄ってくると自分の友人だろうと威圧するだろうし...ってか実際にしたし、1兄様と一緒だと社交など一切出来ないことになるのよ。
「お時間が合いませんでしたものね......。」
なんて便利な言葉!
「デビュタントの時、ダンスをしてくれるかい?」
「...ダンスはあまり得意ではなくて、申し訳ありませんがお断りさせてください。」
「えーー、じゃあ、後でサロンでダンスしようね。」
ん?後で?少し遠回しだけども、ちゃんと断ったのに通じてない?!
「ワルツならステップが簡単だし大丈夫だよね!」
「兄上、キャロル嬢とのダンスは危険過ぎると思うよ?
兄上にはよく分からないんだろうけど、キャロル嬢はこんなにも小さいんだから身長差がありすぎてうまく踊れないよ。
僕となら大丈夫だろうけど、もう!自分の身長を忘れないでよね?
無駄にデカイんだから!」
そうそう、場所は問題じゃなくて、王太子殿下とのダンスが無理なの!
私の身長って、王太子殿下の肘を少し超すくらいしかないんですよ。
王太子殿下より頭1つ分とちょっと小さい第3王子とならば、少し不恰好でもなんとかなるけれどね?
半年ほど前に1兄様の友人である第2騎士団長様からも申し込まれたけれど、そちらも身長が理由でお断りしたんですよね...申し訳ないけれどこればかりは仕方ないんです。
あらあら、第3王子?自分の兄に対してでも、無駄にデカイとか言っちゃ駄目ですよー。
まぁ、幼い頃に肩車をされて落とされたことがあるらしいんで恨みもあるのかもしれないけれど...その方は一応王太子殿下ですからね?
*
けれど、差し出された王太子殿下の手を取らないなんて不敬は許されないんだろうなぁ...うん、長いものには巻かれとかなきゃね。
王太子殿下も第3王子も、青い髪に黄色の瞳という...よくいる金髪碧眼の王子様の逆をいくお色味をされてますのよ...オホホホ。
王太子殿下はサラッサラのストレートで、睨まれたら威圧感抜群の切れ長の目をしてて、第3王子はふわふわの癖毛で、柔和な垂れ目という色味だけが同じなのも面白いところかな。
王太子殿下は国王陛下にめちゃくちゃ似てて、第3王子は王妃殿下と前国王陛下を足して2で割った感じ...というか、顔立ちは全部王妃殿下で、国王陛下に似てる部分が色味だけなんだよね。
前国王陛下は国王陛下の伯父さんにあたりまして、昔は色々諸々と継承問題があったらしいんですよー...巻き込まれたくないから知らん方が良さそうでしょ?
だから詳しく掘り下げてはいない。
因みに私は、地味な濃いめの茶色の髪に薄めの茶色の瞳です。
可もなく不可もない普通のどこにでもいる女の子なんで!
「よろしくお願いいたします。
デビュタントのパートナーは4番目の兄がしてくれる予定とはなっておりますが、不測の事態が起きたとするならば2番目の兄になります。」
「おや?1番上の兄ではないのかい?」
「1兄様は私を甘やかしすぎるので、家以外でのエスコートは母と2にぃににより禁止されております。」
「あ、そっか...赤ちゃんの頃から溺愛だったんだもんね。
赤ちゃんの頃の姪っ子ちゃんにも会いたかったなぁ......今も可愛いけど、もっと早く会いたかったんだよ?」
そうなんですよね...赤ちゃんの頃のことはほぼ覚えてないんだけど、1兄様曰く誰もいないことに気付くとふぇふぇ寂しそうに小さめに泣く子だったらしくて、成長した今も1人が寂しくて泣いてないかが心配になるらしい。
いや、この歳ですしもうさすがに泣きませんよ?
でも、家にいるときは毎日時間があれば会いに来てたし、私付きのメイドには1人にするなと厳命してたらしいし、私の悪口を言ってた従姉妹をどこぞかに強制的に嫁がせたらしいし、その他にも色々とやらかしてるんだよなぁ...あの人。
うん、そんな感じで私の障害となりそうなモノは全て消し去ろうとする人なので、その......私が慣れないヒールでふらつくと直ぐに抱き上げちゃうだろうし、男の子とか男性が寄ってくると自分の友人だろうと威圧するだろうし...ってか実際にしたし、1兄様と一緒だと社交など一切出来ないことになるのよ。
「お時間が合いませんでしたものね......。」
なんて便利な言葉!
「デビュタントの時、ダンスをしてくれるかい?」
「...ダンスはあまり得意ではなくて、申し訳ありませんがお断りさせてください。」
「えーー、じゃあ、後でサロンでダンスしようね。」
ん?後で?少し遠回しだけども、ちゃんと断ったのに通じてない?!
「ワルツならステップが簡単だし大丈夫だよね!」
「兄上、キャロル嬢とのダンスは危険過ぎると思うよ?
兄上にはよく分からないんだろうけど、キャロル嬢はこんなにも小さいんだから身長差がありすぎてうまく踊れないよ。
僕となら大丈夫だろうけど、もう!自分の身長を忘れないでよね?
無駄にデカイんだから!」
そうそう、場所は問題じゃなくて、王太子殿下とのダンスが無理なの!
私の身長って、王太子殿下の肘を少し超すくらいしかないんですよ。
王太子殿下より頭1つ分とちょっと小さい第3王子とならば、少し不恰好でもなんとかなるけれどね?
半年ほど前に1兄様の友人である第2騎士団長様からも申し込まれたけれど、そちらも身長が理由でお断りしたんですよね...申し訳ないけれどこればかりは仕方ないんです。
あらあら、第3王子?自分の兄に対してでも、無駄にデカイとか言っちゃ駄目ですよー。
まぁ、幼い頃に肩車をされて落とされたことがあるらしいんで恨みもあるのかもしれないけれど...その方は一応王太子殿下ですからね?
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