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船での航海は半年にも及び、1人でのお座りも出来るようになり肉付きも良くなったルシアは、何故か船員達から崇められていた。
___ルシアが拾われて直ぐの頃
「ちゃー!」
だーかーらー!
好き嫌いせずにこれも食べろって言ってるでしょ??
お野菜や果物も食べないと、病気になるんだからね?
まぁ、詳しくは知らないんだけど、ほら!食ーべーろー!!
「う、これ苦手なんだよー。
ルシアちゃん、これだけは勘弁してーー!!」
「ぉ?......にゃ、ちゃー!」
あ、これは苦手だったの?
この、味は蜜柑っぽいけど林檎みたいな食感の鮮やかな黄緑色の謎な果物、美味しいのに...色が謎に派手だけどね。
まぁ、これが苦手なのなら、こっちのドピンクの、見た目は大人の男性の手の平サイズのメロンだけど味は苺な果物にしても良いよ?
「お、これなら食べられるよ!
ルシアちゃん、ありがとう。」
「ンフフー。
..........ぁー!ちゃー!にゃーー!!!」
「毎日野菜とか果物とか食べたくないーー!!」
全く...好き嫌いがあるのは仕方無いから、食べられるのを食べれば良いんだけどね?
食べない、なんていう選択肢はありません。
ほら、皆食べなさーーい!!
食べるまで、ミシャードさんやパパさんと追いかけるんだからね!
___
と、このように、魚や肉ばかりを好んで食べる船員達を、ハイハイや誰かしらの抱っこで追いかけて無理矢理にでも野菜や果物を食べさせていたのだ。
きつもの可愛らしさをどこぞかにほっぽり出して、器用にも眉間にシワを寄せてガンつけてくるという、普通の赤ちゃんらしからぬ表情をするルシアのゴリ押しに負ける船員の多いこと...多いこと......。
一応、自分達が野菜や果物を食べると、花が咲くようにパアッと明るく笑うルシア見たさに、自分から進んで食べるようになった船員もいたよ?
目的地であった故郷の港に着いたことで、ルシアの国を出発してから半年も経っていたことに気付いた船員達は、今回は体調を崩す者が少ないということに今更ながらも気付き、ルシアに感謝したのだという。
「ルシアちゃんの言う通り、野菜や果物を食べていたからか、皆無事に帰ってこられたよ!
本当にありがとう!!
君は、僕達の女神様だよ!!」
「「「ルシアちゃーーん!!」」」
「「「「ルシアちゃん!!」」」」
「ありぇ?パッパ!パッパ!」
いつの間に信者が出来てたの?と、ルシアが慌てたのは言うまでもないだろう。
__________
「あれは...何??」
「可愛らしい赤ちゃんですねー。」
「そんなの見れば分かるわよ!!」
「ん?そうですねー...見たところ、1歳くらいですかね?
今回の旅の間にこさえたのでは?
いやー、可愛らしい赤ちゃんですねー。」
そんな驚愕って表情をして、私を激しく揺さぶりながら確認しなくても見れば分かりますよね?
普通に可愛らしい、ほっぺたぷくぷくの赤ちゃんなんだから...。
船長さんに抱かれて、お人形をアムアムしながらの笑顔が可愛いなぁ。
あー、後で抱っこさせてもらえないかなぁ...。
「あんた!!あのお邪魔虫を消しなさい!!」
「え?そんなのは無理ですよー。
お嬢様もこの国の人間ならば知ってるでしょー?
赤ちゃんは、神聖なるものなのです。
なんでかは知りませんけど、この国は出生率激低いんだから、希少な赤ちゃんを消すとかムリムリ。
むしろ、愛でるでしょー?
それ1択しかありません!」
入国審査の為に首に着けてるタグを見せないといけないからと副船長さんに赤ちゃんを預けたみたいなんだけど、赤ちゃんは副船長さんの頬っぺたをツンツンとして遊んでるみたい。
あぁ、やっぱり可愛いなぁ。
「馬鹿なの?殺せとは言ってないわ!!
ただ、あの人から引き離せって言ってるの!!」
「あんなに慕ってるのに引き離すなんて、可哀想じゃないですかー。
私は絶対に嫌でーす。」
確認が終わった船長さんに抱っこされて、船長さんの肩に頭を乗せてウトウトしてるのも可愛い。
そんなにも信頼してるんだね...良いなぁ。
大丈夫、このワガママお嬢様はちゃんと止めるからね!
「あの人は、私のものなのよ?!
なのに、誰の子とも分からない赤ちゃんを抱いているなんて信じられないわ!!」
「ん?船長さん、既に結婚してましたよね?」
「病弱な子供も産めない欠陥品の女とね!
親同士の契約によるものらしいわよ!
そんなものに縛られなくても良いのに...あの人ったら律儀なんだから。」
「んー、奥様は亡くなられてましたっけ?」
「えぇ、あの人が旅に出られる3ヶ月程前に死んだわ!
だから、私が次の妻となるのよ!!」
「それ、もうなれないんじゃありません?
赤ちゃんがいるのなら赤ちゃんのお母さんと再婚なさるでしょう?
多分、お嬢様とは再婚なんてしませんよー。」
「だから消せって言ってるのよ!
ホントに馬鹿過ぎるわ!このメイド!」
いやー、馬鹿過ぎるのは自分でしょ?
たとえ船長さん自身の子供じゃなくとも、身内として受け入れた赤ちゃんがいるのならばその子に愛情を注ぐのがこの国の人間性でしょ?
ま、本当に船長さんの赤ちゃんかもしれないけどね?
あぁん!もう!船長さんのアゴにグリグリと頭を擦り付けて、きっと眠いんだね...可愛いなぁ。
本当に、頬っぺたとか触らせてもらえないかなー。
*
___ルシアが拾われて直ぐの頃
「ちゃー!」
だーかーらー!
好き嫌いせずにこれも食べろって言ってるでしょ??
お野菜や果物も食べないと、病気になるんだからね?
まぁ、詳しくは知らないんだけど、ほら!食ーべーろー!!
「う、これ苦手なんだよー。
ルシアちゃん、これだけは勘弁してーー!!」
「ぉ?......にゃ、ちゃー!」
あ、これは苦手だったの?
この、味は蜜柑っぽいけど林檎みたいな食感の鮮やかな黄緑色の謎な果物、美味しいのに...色が謎に派手だけどね。
まぁ、これが苦手なのなら、こっちのドピンクの、見た目は大人の男性の手の平サイズのメロンだけど味は苺な果物にしても良いよ?
「お、これなら食べられるよ!
ルシアちゃん、ありがとう。」
「ンフフー。
..........ぁー!ちゃー!にゃーー!!!」
「毎日野菜とか果物とか食べたくないーー!!」
全く...好き嫌いがあるのは仕方無いから、食べられるのを食べれば良いんだけどね?
食べない、なんていう選択肢はありません。
ほら、皆食べなさーーい!!
食べるまで、ミシャードさんやパパさんと追いかけるんだからね!
___
と、このように、魚や肉ばかりを好んで食べる船員達を、ハイハイや誰かしらの抱っこで追いかけて無理矢理にでも野菜や果物を食べさせていたのだ。
きつもの可愛らしさをどこぞかにほっぽり出して、器用にも眉間にシワを寄せてガンつけてくるという、普通の赤ちゃんらしからぬ表情をするルシアのゴリ押しに負ける船員の多いこと...多いこと......。
一応、自分達が野菜や果物を食べると、花が咲くようにパアッと明るく笑うルシア見たさに、自分から進んで食べるようになった船員もいたよ?
目的地であった故郷の港に着いたことで、ルシアの国を出発してから半年も経っていたことに気付いた船員達は、今回は体調を崩す者が少ないということに今更ながらも気付き、ルシアに感謝したのだという。
「ルシアちゃんの言う通り、野菜や果物を食べていたからか、皆無事に帰ってこられたよ!
本当にありがとう!!
君は、僕達の女神様だよ!!」
「「「ルシアちゃーーん!!」」」
「「「「ルシアちゃん!!」」」」
「ありぇ?パッパ!パッパ!」
いつの間に信者が出来てたの?と、ルシアが慌てたのは言うまでもないだろう。
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「あれは...何??」
「可愛らしい赤ちゃんですねー。」
「そんなの見れば分かるわよ!!」
「ん?そうですねー...見たところ、1歳くらいですかね?
今回の旅の間にこさえたのでは?
いやー、可愛らしい赤ちゃんですねー。」
そんな驚愕って表情をして、私を激しく揺さぶりながら確認しなくても見れば分かりますよね?
普通に可愛らしい、ほっぺたぷくぷくの赤ちゃんなんだから...。
船長さんに抱かれて、お人形をアムアムしながらの笑顔が可愛いなぁ。
あー、後で抱っこさせてもらえないかなぁ...。
「あんた!!あのお邪魔虫を消しなさい!!」
「え?そんなのは無理ですよー。
お嬢様もこの国の人間ならば知ってるでしょー?
赤ちゃんは、神聖なるものなのです。
なんでかは知りませんけど、この国は出生率激低いんだから、希少な赤ちゃんを消すとかムリムリ。
むしろ、愛でるでしょー?
それ1択しかありません!」
入国審査の為に首に着けてるタグを見せないといけないからと副船長さんに赤ちゃんを預けたみたいなんだけど、赤ちゃんは副船長さんの頬っぺたをツンツンとして遊んでるみたい。
あぁ、やっぱり可愛いなぁ。
「馬鹿なの?殺せとは言ってないわ!!
ただ、あの人から引き離せって言ってるの!!」
「あんなに慕ってるのに引き離すなんて、可哀想じゃないですかー。
私は絶対に嫌でーす。」
確認が終わった船長さんに抱っこされて、船長さんの肩に頭を乗せてウトウトしてるのも可愛い。
そんなにも信頼してるんだね...良いなぁ。
大丈夫、このワガママお嬢様はちゃんと止めるからね!
「あの人は、私のものなのよ?!
なのに、誰の子とも分からない赤ちゃんを抱いているなんて信じられないわ!!」
「ん?船長さん、既に結婚してましたよね?」
「病弱な子供も産めない欠陥品の女とね!
親同士の契約によるものらしいわよ!
そんなものに縛られなくても良いのに...あの人ったら律儀なんだから。」
「んー、奥様は亡くなられてましたっけ?」
「えぇ、あの人が旅に出られる3ヶ月程前に死んだわ!
だから、私が次の妻となるのよ!!」
「それ、もうなれないんじゃありません?
赤ちゃんがいるのなら赤ちゃんのお母さんと再婚なさるでしょう?
多分、お嬢様とは再婚なんてしませんよー。」
「だから消せって言ってるのよ!
ホントに馬鹿過ぎるわ!このメイド!」
いやー、馬鹿過ぎるのは自分でしょ?
たとえ船長さん自身の子供じゃなくとも、身内として受け入れた赤ちゃんがいるのならばその子に愛情を注ぐのがこの国の人間性でしょ?
ま、本当に船長さんの赤ちゃんかもしれないけどね?
あぁん!もう!船長さんのアゴにグリグリと頭を擦り付けて、きっと眠いんだね...可愛いなぁ。
本当に、頬っぺたとか触らせてもらえないかなー。
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