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お兄様の結婚式
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「こんな豪華なドレスを着ていると...なんだか肩が凝るわね。
結婚式ではこれを着ないといけないのは分かっているのだけれど、今はもう脱いでも良いかしら?」
「シェリーお姉様、もう少しだけ我慢なさってくださいませ。
サイズをきちんと合わせておかないといけませんし、お飾りも選ばなければいけませんわ。
それに、私の大好きなシェリーお姉様を着飾らせる折角の機会ですのよ?
少しくらい楽しませてくださいませ。」
「うぅ...そんな、ティリーのその顔は反則よぉ......。」
「シェリー、スッゴクキレイなのに、もう脱いじゃうの?」
「シェリー、私ももう少し見ていたいなぁ...駄目?」
「......スリゼルとミーリスまで!
そんな可愛らしい顔で上目遣いに見ないでちょうだい?」
「「「駄目?」」」
結婚式仕様のとても豪華なドレスを着て、カチコチに固まっているシェリーお姉様。
ウフフ、普段はシンプルなもの好んでおられますものね...慣れないからかなんだかゲッソリとしておりますわね。
まだドレスの調整もしておりませんし、これから宝飾品も合わせなければなりませんのに、脱がれたら大変ですわ!
種族に関わらず、女の子というものは、他人を着飾らせることが好きなのですよ?
シェリーお姉様だって、ミーリスさんや私を着飾らせて楽しんでおられたではありませんか!
そのときの意趣返しではありませんけれど、私もミーリスさんもシェリーお姉様を着飾らせて楽しみたいのですわ。
反則と言われようと、シェリーお姉様には私の秘技ウルウル上目遣いが有効なのですから、出し惜しみせずに使いますわよ!
さぁ、今ならミーリスさんとスリゼルの上目遣いもプラスいたしておりますのよ?
この2人の尋常ならざる可愛らしさに、早く陥落してくださいませ。
「もう!良いわよ!
暫くはこのドレスでいるわ!!」
「やったぁー!!」
「うふふ、シェリーが凄く可愛いわ。」
「我が家の全力を持って、結婚式で身に付ける宝飾品も多数ご用意いたしましたの。
この中からドレスやシェリーお姉様に似合う宝飾品を選びましょうね。
ミーリスさんは、クッションから動いたら駄目ですわよ?
もしも見にくいのなであれば、私が見易い位置まで運びますから仰ってくださいませね?」
「むぅ、分かったわ。」
うふふ...ようやく陥落いたしましたわね。
頬を膨らませて怒っているようにも見えますけれど、シェリーお姉様からは、全く...仕方のない子ね?と慈愛に満ちた眼差しを送られましたわ。
私達の作戦はバレバレだったみたいね...まぁ、シェリーお姉様がまだドレスを脱がないと決められたのですから、良しとしておきましょう。
あ、ミーリスさんが動こうとするのを止めておきませんと!
お医者様のお言いつけ通り、安定期に入るまでは安静にしておいていただきませんとね!
ぷっくりと頬を膨らませて、剥れているミーリスさんがとても可愛らしいですわ。
「まずは、こちらが我が家の次期当主へ嫁がれた方に代々引き継がれてきた宝飾品の数々ですわ。
結婚式の後に、この宝石箱ごとシェリーお姉様の物になりますわ。」
「...今ここに合って大丈夫なの?」
「えぇ、当主であるお祖父様の許可もありますので、構いませんわ。
お父様によって心を壊されたお母様には申し訳ありませんけれど、救いの手を何度も差し伸べようとしていたお祖父様やリリスお祖母様に頼らなかったお母様も悪いですもの。
先頃、父と母と妹の3人が追放されたときにお祖父様のご命令で、この宝石箱も公爵家縁の宝飾品も、1つの不足もなく回収されましたの。
...このピンクサファイアのセットは、強請る愚妹へと勝手に何度もプレゼントなさっていたそうですが、その時は身に付けられたとしても直ぐに宝石箱に戻されてしまいますので、結局愚妹のものにはなりませんのよね。
この宝石箱に納められている宝飾品は全て、お母様個人の物ではなく我が家所有の物ですの。
この宝石箱を守護してくださっている妖精さんが、お母様が愚妹へと勝手にプレゼントする度にきっちりと取り戻してくださいましたのよ。」
「まぁ、そうなの?!」
*
結婚式ではこれを着ないといけないのは分かっているのだけれど、今はもう脱いでも良いかしら?」
「シェリーお姉様、もう少しだけ我慢なさってくださいませ。
サイズをきちんと合わせておかないといけませんし、お飾りも選ばなければいけませんわ。
それに、私の大好きなシェリーお姉様を着飾らせる折角の機会ですのよ?
少しくらい楽しませてくださいませ。」
「うぅ...そんな、ティリーのその顔は反則よぉ......。」
「シェリー、スッゴクキレイなのに、もう脱いじゃうの?」
「シェリー、私ももう少し見ていたいなぁ...駄目?」
「......スリゼルとミーリスまで!
そんな可愛らしい顔で上目遣いに見ないでちょうだい?」
「「「駄目?」」」
結婚式仕様のとても豪華なドレスを着て、カチコチに固まっているシェリーお姉様。
ウフフ、普段はシンプルなもの好んでおられますものね...慣れないからかなんだかゲッソリとしておりますわね。
まだドレスの調整もしておりませんし、これから宝飾品も合わせなければなりませんのに、脱がれたら大変ですわ!
種族に関わらず、女の子というものは、他人を着飾らせることが好きなのですよ?
シェリーお姉様だって、ミーリスさんや私を着飾らせて楽しんでおられたではありませんか!
そのときの意趣返しではありませんけれど、私もミーリスさんもシェリーお姉様を着飾らせて楽しみたいのですわ。
反則と言われようと、シェリーお姉様には私の秘技ウルウル上目遣いが有効なのですから、出し惜しみせずに使いますわよ!
さぁ、今ならミーリスさんとスリゼルの上目遣いもプラスいたしておりますのよ?
この2人の尋常ならざる可愛らしさに、早く陥落してくださいませ。
「もう!良いわよ!
暫くはこのドレスでいるわ!!」
「やったぁー!!」
「うふふ、シェリーが凄く可愛いわ。」
「我が家の全力を持って、結婚式で身に付ける宝飾品も多数ご用意いたしましたの。
この中からドレスやシェリーお姉様に似合う宝飾品を選びましょうね。
ミーリスさんは、クッションから動いたら駄目ですわよ?
もしも見にくいのなであれば、私が見易い位置まで運びますから仰ってくださいませね?」
「むぅ、分かったわ。」
うふふ...ようやく陥落いたしましたわね。
頬を膨らませて怒っているようにも見えますけれど、シェリーお姉様からは、全く...仕方のない子ね?と慈愛に満ちた眼差しを送られましたわ。
私達の作戦はバレバレだったみたいね...まぁ、シェリーお姉様がまだドレスを脱がないと決められたのですから、良しとしておきましょう。
あ、ミーリスさんが動こうとするのを止めておきませんと!
お医者様のお言いつけ通り、安定期に入るまでは安静にしておいていただきませんとね!
ぷっくりと頬を膨らませて、剥れているミーリスさんがとても可愛らしいですわ。
「まずは、こちらが我が家の次期当主へ嫁がれた方に代々引き継がれてきた宝飾品の数々ですわ。
結婚式の後に、この宝石箱ごとシェリーお姉様の物になりますわ。」
「...今ここに合って大丈夫なの?」
「えぇ、当主であるお祖父様の許可もありますので、構いませんわ。
お父様によって心を壊されたお母様には申し訳ありませんけれど、救いの手を何度も差し伸べようとしていたお祖父様やリリスお祖母様に頼らなかったお母様も悪いですもの。
先頃、父と母と妹の3人が追放されたときにお祖父様のご命令で、この宝石箱も公爵家縁の宝飾品も、1つの不足もなく回収されましたの。
...このピンクサファイアのセットは、強請る愚妹へと勝手に何度もプレゼントなさっていたそうですが、その時は身に付けられたとしても直ぐに宝石箱に戻されてしまいますので、結局愚妹のものにはなりませんのよね。
この宝石箱に納められている宝飾品は全て、お母様個人の物ではなく我が家所有の物ですの。
この宝石箱を守護してくださっている妖精さんが、お母様が愚妹へと勝手にプレゼントする度にきっちりと取り戻してくださいましたのよ。」
「まぁ、そうなの?!」
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