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神谷 絵馬

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どちらに嫁ぐ?どちらも嫌です。

選択肢があるから幸せ?1

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「どっちと結婚する?
私としては、別にどちらでも構わないぞ?」

え?どっちも嫌。
ぶりっこ腹黒と、のーたりん傲慢なんてお呼びじゃないです。

「僕だよね?ね?」

私、貴方が一番嫌いです。
自分が悪くても、ぶりっこして他人に擦り付けて回避するとことかが嫌いです。
上げて上げて上げて落とされて、手酷く死ねばいいと思ってます。

「どちらかとしか結婚出来ないのだから、きちんと選ばなければならないよ?」

は?運命の人でもないのに、どうしてこの2人から選ばなければならないのでしょう?
ババアって馬鹿なのですか?
子を生ませる為に、別な人と結婚していた人族の母を無理矢理に拐ってきたのは自分のくせに、私が生まれたら産後の母をさっさと故郷に捨ててきたらしいのです。
あー、獣族至上主義って馬鹿ばっかりなんですね。

「家の利益の為、お前はどちらかに嫁ぐことになる。
私のときは、お前の母しかいなかったのだぞ?
選べるだけマシなのだから、贅沢を言うな。」

運命の人は母だったのに...何度も運命の人が見付かったとかほざいて、勝手に舞い上がって愛人として囲っては逃げられてるくせに、何故偉そうに出来るのでしょう?
子が出来なければ出来損ないと言われてしまうのに、運命の人としか子が出来ないという獣族の運命を覆すことなど出来ませんよー?
出来ればさっさと病気にでもなって、散々苦しんでから死ねば良いのです。

「いくら雑ざり者でも、子を残して貰わねばならぬのよ...そのために生かしているのだからね。
それくらい、お前にも分かるでしょう?」

血の濃い獣族との結婚を繰り返せば、いずれ、人族の雑ざりが薄くなるとでも思ってます?
雑ぜたのは、運命でしょ?
結婚して子供もいた女性を無理矢理拐ってきて無体な真似をしておいて、要らなくなったからと捨てる...そんな外道なことを、家のためにと平気で出来るババアらしい考えかもしれませんね。
まぁ、殆どの獣族がそういう考えでやらかしまくってるらしいけど......だから人族に運命の人が現れると苦労するのよ。
そういうことを繰り返された人族も魔族も妖精族も、黙ってないとは思うけど...連合されたりしても大丈夫なのでしょうか?

「お前のような低俗な雑ざり者を嫁に貰ってやると言っているのに、何故許否するのだ?
頭がおかしくなったのか?」

お前が......な?
嫌がるのを無理矢理に...勝手に雑ぜたのはそっちにいるババアの方だろうに、低俗なのはどっちなんだか分かりませんね。
獣族は運命の人でなければならないとか、言ってませんでした?
運命の人とでなければ子を成せないからと...説明されましたけどね。
拐われた人族や魔族や妖精族達を、低俗と罵る方が低俗だと思うのだけども?

『そこの2人のどちらとも華が違うので、その子はどちらとも子が成せないですよ。
力任せに拉致して、監禁してからの身勝手な放逐を繰り返す脳筋な獣族さん方?
我々人族のことを勘違いしてもらっては困ります。』

あ、本当に来たんですね。
扉を抱えて部屋に入ってきた魔族の女性と、その後ろから現れて怖い笑みを浮かべる人族の男性の2人組。
私が物心ついた頃に接触してきた妖精族の男性から、3種族の連合軍が今日獣族の国に乗り込んで来るとは聞いていたけど...ここに来たってことはもう制圧しちゃったのでしょうか?

『馬鹿に何を言っても理解出来る訳無かろう?
うむ、そやつらは現行犯で確保すれば良い。

さてさて嬢ちゃん、我々は怪しい者などではない。
嬢ちゃんを助けに来たのだからな!
もう安心なされよ。』

私を見た瞬間に扉をポイッと奴等の方に向かって棄てた魔族の女性は、どこからか毛布のようにモフモフとした肌触りのワンピースを出して、私に着せてくれました。
そして、慈愛に満ちた微笑みで優しく抱き締めてくださいました。

魔族特有の褐色の肌に、美しく波打つ艶やかな紅色の髪が映えてます。
キリッとした目鼻立ちでなんだか迫力のある美人な方で、人族の男性よりも頭1つ分程身長が高くて...お胸も大きいのです。
優しく抱き締めてはくださったのだけど、大きなお胸に潰されるかと思いました。
お胸って、柔らかいのに凶器にもなるんですね。





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