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詫び石14つ目
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「Aランクの依頼ですって……!?」
アイルちゃんは信じられないと言いたげな顔で後ずさり、震える指で俺をさす。
「な、なに言ってんの!? いきなりAランクなんて無理に決まってるでしょ!?」
「大丈夫だ!!」
「大丈夫なのはあんただけでしょ!? 私とルロはあんたみたいな化け物ステータスじゃないのよ……!?」
その言葉を聞いてルロちゃんは同意するでも否定するでもなく、ただ眉を八の字にしておろおろと俺たちの様子を見ていた。
「うん、わかってるよ」
俺の『化け物ステータス』はバグのおかげだということも、もちろんわかってる。
「だったら……っ!! なにが『大丈夫』だって言、」
「ルロちゃんのこともアイルちゃんのことも、俺が必ず守るから『大丈夫』だよ」
「……っ!?」
「!!」
だからこそ、俺が最優先に考えることは「バグをどう有効活用するか」……それ1つだ。
「でも、お魚団の隊長はアイルちゃんだ。判断は任せるよ」
「ご主人様……っ」
「そ、そんな、こと……」
真っ赤な顔でぷるぷる震えたあと、アイルちゃんが言い放ったのは、
「そんなこと、言われたら……嫌なんて言えないじゃない、バカ……っ」
「そんな可愛すぎる言葉だった」
アイルちゃん……。
◇
「いいか。本来なら初心者チームじゃAランク依頼の承諾はできないが、ムラビトに関しては特例だ。お前がついてるなら大丈夫だとは思うが、しっかり面倒見ろよ」
「はいっ!! 任せてください!!」
「面倒って……!! 隊長は私よ!!」
……ということで、3人でAランクの依頼に挑戦することになった。
内容は、簡単に言えば乱暴者のドラゴン狩り。
そのためにまずは山の奥にある住処へ向かわなければならない。
「よーし、頑張るぞー!! 2人とも! 疲れたらいつでも俺に言ってね!! おんぶでも抱っこでも喜んでするから!!」
「さすがご主人様、頼りになります……っ!!」
「なっ……!! バカにしないでよねっ!! 山を登るくらいあんたの手を借りなくても平気よ!!」
その後――……俺は彼女たちをお腹と背中に抱え、ドラゴンのもとへ歩みを進めるのだった。
アイルちゃんは信じられないと言いたげな顔で後ずさり、震える指で俺をさす。
「な、なに言ってんの!? いきなりAランクなんて無理に決まってるでしょ!?」
「大丈夫だ!!」
「大丈夫なのはあんただけでしょ!? 私とルロはあんたみたいな化け物ステータスじゃないのよ……!?」
その言葉を聞いてルロちゃんは同意するでも否定するでもなく、ただ眉を八の字にしておろおろと俺たちの様子を見ていた。
「うん、わかってるよ」
俺の『化け物ステータス』はバグのおかげだということも、もちろんわかってる。
「だったら……っ!! なにが『大丈夫』だって言、」
「ルロちゃんのこともアイルちゃんのことも、俺が必ず守るから『大丈夫』だよ」
「……っ!?」
「!!」
だからこそ、俺が最優先に考えることは「バグをどう有効活用するか」……それ1つだ。
「でも、お魚団の隊長はアイルちゃんだ。判断は任せるよ」
「ご主人様……っ」
「そ、そんな、こと……」
真っ赤な顔でぷるぷる震えたあと、アイルちゃんが言い放ったのは、
「そんなこと、言われたら……嫌なんて言えないじゃない、バカ……っ」
「そんな可愛すぎる言葉だった」
アイルちゃん……。
◇
「いいか。本来なら初心者チームじゃAランク依頼の承諾はできないが、ムラビトに関しては特例だ。お前がついてるなら大丈夫だとは思うが、しっかり面倒見ろよ」
「はいっ!! 任せてください!!」
「面倒って……!! 隊長は私よ!!」
……ということで、3人でAランクの依頼に挑戦することになった。
内容は、簡単に言えば乱暴者のドラゴン狩り。
そのためにまずは山の奥にある住処へ向かわなければならない。
「よーし、頑張るぞー!! 2人とも! 疲れたらいつでも俺に言ってね!! おんぶでも抱っこでも喜んでするから!!」
「さすがご主人様、頼りになります……っ!!」
「なっ……!! バカにしないでよねっ!! 山を登るくらいあんたの手を借りなくても平気よ!!」
その後――……俺は彼女たちをお腹と背中に抱え、ドラゴンのもとへ歩みを進めるのだった。
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