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今日は、私の旦那さまである桜木葵――通称・あっくんが、どれだけヘタレであるか皆様にお教えしましょう。
ただ今、夕方の5時。場所は自宅リビング(というか居間)。
そして、
「ひいぃぃぃ!! みーちゃあぁぁぁん!!」
泣きながら私に抱きつくあっくん。
その手には、殺虫スプレーと丸められた新聞紙が。
「どうしたの? あっくん」
彼は青ざめた顔で涙を流し、手もかすかに震えている。
「出たよぉぉぉ!!」
濡れた瞳に私を映すその様子から全てを察した。
アレである。そう、SAGD。
桜木葵はゴキブリが駄目、略してSAGDである。
「どこにいたの?」
「キッチンにいたよぉぉぉ!!」
なだめるように頭を撫でれば、あっくんはさらに泣き出してしまう。
可愛いんだけど……普通は逆だよね、あっくん。
なんてことは、
「怖かったぁぁぁ!!」
眉を八の字にしている彼には言えない。
とりあえず、あっくんをくっつけたままキッチンへ。
ぐるりと見渡せば、
「まだいるぅぅぅ!!」
天井の角に茶色い生物がいた。
さすがに私も「ゴキブリがおるじゃろ? これを、こうじゃ」なんて、素手で簡単に倒すおばあちゃんほどに平気なわけではない。
けれど、ご覧の通り。
「ひーん!!」
あっくんは、この有り様である。
彼は虫が苦手なんじゃなくて、ゴキブリが苦手なのです。
そんなあっくんの手から殺虫スプレーを取って、ノズルの先をGに向ける。そして、発射。
白い煙がかかった瞬間、Gがこちらに飛んできた。
「きゃあぁぁぁぁ!!」
あっ、可愛らしい声をあげたのは私じゃなくてあっくんです。
向かってくるGに血の気が一気に引き、危機一髪のところでそれをよけた。
「気持ち悪い……!」
「うぇぇ……ごめんなさいみーちゃん~!」
「あっくんのことなわけないでしょ!」
あっくんは可愛いしかっこいいし大好きだよ!
そう言えば、あっくんはきらきらと表情を輝かせる。
「みーちゃん……! 俺も大好きだよ! あと、みーちゃんの方が数億倍可愛いよ!」
「あっくん……!」
この状況でこんなことをしている場合じゃないかもしれないけれど、嬉しいものは嬉しいし、あっくんが大好きだから仕方がないのです。
もうGなんて蚊帳の外(蚊じゃないけど)。
「みーちゃん」
あっくんが優しい声で私を呼んで、ゆっくりと顔を近づける。
あとちょっとキス……というところで、
「……っ!?」
Gが再び私に向かって飛んでくる。
それを視界の端に捉えたらしいあっくんは一言。
「邪魔するな」
と低く呟いて、持っていた新聞紙でGを叩き、床に落ちたGが逃げ出す前に、もう一度新聞紙で叩いた。
見事にGはご愁傷様。
あっくんは何事もなかったかのように、
「みーちゃん!」
声を弾ませこちらを向く。
私はといえば、びっくりして開いた口が塞がらない。
(あんなあっくん……初めて見た……!)
「……? どうしたの? みーちゃん」
恐怖も度が過ぎると怒りのパワーに変わるのだろうか? なんて考える、今日この頃でした。
ただ今、夕方の5時。場所は自宅リビング(というか居間)。
そして、
「ひいぃぃぃ!! みーちゃあぁぁぁん!!」
泣きながら私に抱きつくあっくん。
その手には、殺虫スプレーと丸められた新聞紙が。
「どうしたの? あっくん」
彼は青ざめた顔で涙を流し、手もかすかに震えている。
「出たよぉぉぉ!!」
濡れた瞳に私を映すその様子から全てを察した。
アレである。そう、SAGD。
桜木葵はゴキブリが駄目、略してSAGDである。
「どこにいたの?」
「キッチンにいたよぉぉぉ!!」
なだめるように頭を撫でれば、あっくんはさらに泣き出してしまう。
可愛いんだけど……普通は逆だよね、あっくん。
なんてことは、
「怖かったぁぁぁ!!」
眉を八の字にしている彼には言えない。
とりあえず、あっくんをくっつけたままキッチンへ。
ぐるりと見渡せば、
「まだいるぅぅぅ!!」
天井の角に茶色い生物がいた。
さすがに私も「ゴキブリがおるじゃろ? これを、こうじゃ」なんて、素手で簡単に倒すおばあちゃんほどに平気なわけではない。
けれど、ご覧の通り。
「ひーん!!」
あっくんは、この有り様である。
彼は虫が苦手なんじゃなくて、ゴキブリが苦手なのです。
そんなあっくんの手から殺虫スプレーを取って、ノズルの先をGに向ける。そして、発射。
白い煙がかかった瞬間、Gがこちらに飛んできた。
「きゃあぁぁぁぁ!!」
あっ、可愛らしい声をあげたのは私じゃなくてあっくんです。
向かってくるGに血の気が一気に引き、危機一髪のところでそれをよけた。
「気持ち悪い……!」
「うぇぇ……ごめんなさいみーちゃん~!」
「あっくんのことなわけないでしょ!」
あっくんは可愛いしかっこいいし大好きだよ!
そう言えば、あっくんはきらきらと表情を輝かせる。
「みーちゃん……! 俺も大好きだよ! あと、みーちゃんの方が数億倍可愛いよ!」
「あっくん……!」
この状況でこんなことをしている場合じゃないかもしれないけれど、嬉しいものは嬉しいし、あっくんが大好きだから仕方がないのです。
もうGなんて蚊帳の外(蚊じゃないけど)。
「みーちゃん」
あっくんが優しい声で私を呼んで、ゆっくりと顔を近づける。
あとちょっとキス……というところで、
「……っ!?」
Gが再び私に向かって飛んでくる。
それを視界の端に捉えたらしいあっくんは一言。
「邪魔するな」
と低く呟いて、持っていた新聞紙でGを叩き、床に落ちたGが逃げ出す前に、もう一度新聞紙で叩いた。
見事にGはご愁傷様。
あっくんは何事もなかったかのように、
「みーちゃん!」
声を弾ませこちらを向く。
私はといえば、びっくりして開いた口が塞がらない。
(あんなあっくん……初めて見た……!)
「……? どうしたの? みーちゃん」
恐怖も度が過ぎると怒りのパワーに変わるのだろうか? なんて考える、今日この頃でした。
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