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第6編「素直な子ですね」
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――……しまった!
そう思った恋幸が慌てて口を閉じた時には、もう全てが後の祭り。
どうか空耳だろうと考えていますように、先ほど聞き返されたような気がしたけれど私の幻聴でありますようにと願いながら恐る恐る彼の瞳に目をやるが、
「……前世、とは? 何の話でしょうか?」
当然ばっちり聞こえてしまっていたため、二度目の問いかけが彼女の耳の穴を通過した。
「あっ……え、っと……あの……」
「はい」
ここで「もー、裕一郎様ったらなに言ってるんですか! 前世? なんて、私そんなこと言ってませんよ!」と誤魔化すなり、何でもないフリをしたまま話題を変えることが出来なかった時点で、恋幸の『裕一郎攻略ルート』は“詰んだ”も同然である。
(せ、選択肢……エンド分岐前の選択肢ミスっちゃった……っ)
今……恋幸の脳内には、2つのバッドエンドシナリオが用意されていた。
その1。前世について語るが、カルト宗教関係のヤバい女だと思われ「急用を思い出したので、今日は帰りますね」。そして二度と会えなくなる。
その2。前世について説明したら妄想癖のあるヤバい女だとドン引きされ、「急用を思い出したので」以下同文。
いったんセーブ地点まで戻ってやり直そうにも、残念ながらこの世界は『ゲーム』ではない。残酷で美しい現実だ。
「……」
唇を引き結んで俯いたまま、この状況を打破するための作戦はないものかと思考をフル回転させていた恋幸だったが、お冷の氷が溶けてカランと軽快な音を立てると同時に一つ決意の息を吐く。
彼女の心にあったのは、「悪意を持って愛しい人を欺くような真似だけはしたくない」。ただそれだけだった。
「……あの……少し、聞いてほしい話があります」
「……はい」
ぷつりと途切れたり時々話が絡まりながらも、裕一郎に対して恋幸は全ての事情を明かした。
自分には、前世の記憶が残っていること。
科学や医学ではっきりと証拠を示すことは不可能だが、裕一郎こそがずっと探し続けていた『和臣』の生まれ変わりであること。
初めて出会った瞬間、魂が惹き寄せ合うような強い衝撃が心を揺さぶり“そう”確信したこと。
自分と裕一郎は、前世では結婚を誓った仲だったこと。
(嫌われるかな……ううん、嫌われてもドン引きされても仕方ないよね……)
裕一郎は恋幸が話し終えるまで静かに耳を傾けてくれていたが、彼女はその表情を見ることができなかった。……いや、恐ろしかった。
相手の立場になって考えてみれば、「あなたの前世のことが大好きだったので、今世のあなたも好きです!」だなんて、気分が悪いに決まっている。
なんせ、暗に「あなた自身には興味がありません!」と言っているようなものなのだから。
(違う、けど……でも、そう受け止められても何も言い訳できない……)
だからこそ、自分を映す彼の瞳が今どんな色を滲ませているのか……見るのが怖かった。
(……もう、会ってもらえなくなるのかな?)
「……なるほど、興味深い話ですね」
「……っ!?」
恋幸の目尻にじわりと涙が滲んだ瞬間、裕一郎は独り言のようにぽつりと言葉を落とす。
驚きのあまり勢いよく顔を上げた彼女の目線を捕まえたのは、透き通る空色の双眸だった。
その2つのビー玉にはどこか優しい色が差していて、恋幸は目を逸らせなくなる。
「……信じ、て……信じて、くれるんですか……?」
「うん? 何がでしょう?」
「前世、とか……引いたり、しないんですか……?」
縋る気持ちで問いかけた恋幸を、裕一郎は「いえ。前世とやらの話を全て信じたわけではありません」と一刀両断した。
「えっ……? でも、あれ……?」
「ですが、全てを疑っているわけではありませんし、特別マイナスな感情を抱いたわけでもありません。貴女の言葉を借りるのであれば『引いていない』ということです」
その返答を聞き、恋幸はへらりと笑って「よかったです」と胸を撫で下ろす。
「……繋ぎ止めておけるのなら、理由なんて何でも構いませんよ」
「……え? 今、なにか言いました?」
「いいえ、何も?」
「……? そうですか?」
「はい、そうです」
たしかに裕一郎の薄い唇が上下し、低くて心地良い声がかすかに耳を撫でた気がするのに……。
気になりながらも、しつこく聞くのは“イイオンナ”のやることじゃない! という謎のプライドのもと、それ以上の言及を避けメロンソーダを飲む恋幸。
そんな彼女を見る裕一郎の口元がほんの数秒間だけ緩やかな弧を描いていたことなど、彼女が気づくわけもなかった。
◇
「今日は、あの、色々ありがとうございました……! ご馳走になっちゃってすみません……! 次お会いした時は私に払わせてください!!」
「……先日、ブレンドコーヒーをごちそうになりましたから、今日のはそのお礼です。お気になさらず。それより……本当に送らなくて大丈夫なんですか?」
「大丈夫です! お家までここから徒歩5分なので!! でも、気持ちは嬉しいです。ありがとうございます」
「……いえ、お礼を言われるようなことは何も。……お気をつけて」
「はい! ゆうい……倉本様も、気をつけて帰ってくださいね!」
律儀に一礼して去る恋幸の背中を見送りながら、車に乗り込んだ裕一郎がエンジンをかけた時――……なにやらこちらを向いて両腕をぶんぶん振る彼女の姿に気がついた。
何をしているのだろうかと運転席の窓を開け顔を覗かせると、
「倉本様ー! また会えるの、すごく! すごーく! 楽しみにしてまーす!!」
笑顔を咲かせそれだけ言い終えた恋幸は、裕一郎の返事も待たずに踵を返して再び帰路を歩み始める。
だが、待ってくれなくて良かったと彼は安堵していた。
「……はあ……夢で会った時より可愛すぎるでしょ。困ったな……」
頬の熱が冷めて、高鳴る鼓動が落ち着くまで。裕一郎が運転に集中するのは難しそうだ。
そう思った恋幸が慌てて口を閉じた時には、もう全てが後の祭り。
どうか空耳だろうと考えていますように、先ほど聞き返されたような気がしたけれど私の幻聴でありますようにと願いながら恐る恐る彼の瞳に目をやるが、
「……前世、とは? 何の話でしょうか?」
当然ばっちり聞こえてしまっていたため、二度目の問いかけが彼女の耳の穴を通過した。
「あっ……え、っと……あの……」
「はい」
ここで「もー、裕一郎様ったらなに言ってるんですか! 前世? なんて、私そんなこと言ってませんよ!」と誤魔化すなり、何でもないフリをしたまま話題を変えることが出来なかった時点で、恋幸の『裕一郎攻略ルート』は“詰んだ”も同然である。
(せ、選択肢……エンド分岐前の選択肢ミスっちゃった……っ)
今……恋幸の脳内には、2つのバッドエンドシナリオが用意されていた。
その1。前世について語るが、カルト宗教関係のヤバい女だと思われ「急用を思い出したので、今日は帰りますね」。そして二度と会えなくなる。
その2。前世について説明したら妄想癖のあるヤバい女だとドン引きされ、「急用を思い出したので」以下同文。
いったんセーブ地点まで戻ってやり直そうにも、残念ながらこの世界は『ゲーム』ではない。残酷で美しい現実だ。
「……」
唇を引き結んで俯いたまま、この状況を打破するための作戦はないものかと思考をフル回転させていた恋幸だったが、お冷の氷が溶けてカランと軽快な音を立てると同時に一つ決意の息を吐く。
彼女の心にあったのは、「悪意を持って愛しい人を欺くような真似だけはしたくない」。ただそれだけだった。
「……あの……少し、聞いてほしい話があります」
「……はい」
ぷつりと途切れたり時々話が絡まりながらも、裕一郎に対して恋幸は全ての事情を明かした。
自分には、前世の記憶が残っていること。
科学や医学ではっきりと証拠を示すことは不可能だが、裕一郎こそがずっと探し続けていた『和臣』の生まれ変わりであること。
初めて出会った瞬間、魂が惹き寄せ合うような強い衝撃が心を揺さぶり“そう”確信したこと。
自分と裕一郎は、前世では結婚を誓った仲だったこと。
(嫌われるかな……ううん、嫌われてもドン引きされても仕方ないよね……)
裕一郎は恋幸が話し終えるまで静かに耳を傾けてくれていたが、彼女はその表情を見ることができなかった。……いや、恐ろしかった。
相手の立場になって考えてみれば、「あなたの前世のことが大好きだったので、今世のあなたも好きです!」だなんて、気分が悪いに決まっている。
なんせ、暗に「あなた自身には興味がありません!」と言っているようなものなのだから。
(違う、けど……でも、そう受け止められても何も言い訳できない……)
だからこそ、自分を映す彼の瞳が今どんな色を滲ませているのか……見るのが怖かった。
(……もう、会ってもらえなくなるのかな?)
「……なるほど、興味深い話ですね」
「……っ!?」
恋幸の目尻にじわりと涙が滲んだ瞬間、裕一郎は独り言のようにぽつりと言葉を落とす。
驚きのあまり勢いよく顔を上げた彼女の目線を捕まえたのは、透き通る空色の双眸だった。
その2つのビー玉にはどこか優しい色が差していて、恋幸は目を逸らせなくなる。
「……信じ、て……信じて、くれるんですか……?」
「うん? 何がでしょう?」
「前世、とか……引いたり、しないんですか……?」
縋る気持ちで問いかけた恋幸を、裕一郎は「いえ。前世とやらの話を全て信じたわけではありません」と一刀両断した。
「えっ……? でも、あれ……?」
「ですが、全てを疑っているわけではありませんし、特別マイナスな感情を抱いたわけでもありません。貴女の言葉を借りるのであれば『引いていない』ということです」
その返答を聞き、恋幸はへらりと笑って「よかったです」と胸を撫で下ろす。
「……繋ぎ止めておけるのなら、理由なんて何でも構いませんよ」
「……え? 今、なにか言いました?」
「いいえ、何も?」
「……? そうですか?」
「はい、そうです」
たしかに裕一郎の薄い唇が上下し、低くて心地良い声がかすかに耳を撫でた気がするのに……。
気になりながらも、しつこく聞くのは“イイオンナ”のやることじゃない! という謎のプライドのもと、それ以上の言及を避けメロンソーダを飲む恋幸。
そんな彼女を見る裕一郎の口元がほんの数秒間だけ緩やかな弧を描いていたことなど、彼女が気づくわけもなかった。
◇
「今日は、あの、色々ありがとうございました……! ご馳走になっちゃってすみません……! 次お会いした時は私に払わせてください!!」
「……先日、ブレンドコーヒーをごちそうになりましたから、今日のはそのお礼です。お気になさらず。それより……本当に送らなくて大丈夫なんですか?」
「大丈夫です! お家までここから徒歩5分なので!! でも、気持ちは嬉しいです。ありがとうございます」
「……いえ、お礼を言われるようなことは何も。……お気をつけて」
「はい! ゆうい……倉本様も、気をつけて帰ってくださいね!」
律儀に一礼して去る恋幸の背中を見送りながら、車に乗り込んだ裕一郎がエンジンをかけた時――……なにやらこちらを向いて両腕をぶんぶん振る彼女の姿に気がついた。
何をしているのだろうかと運転席の窓を開け顔を覗かせると、
「倉本様ー! また会えるの、すごく! すごーく! 楽しみにしてまーす!!」
笑顔を咲かせそれだけ言い終えた恋幸は、裕一郎の返事も待たずに踵を返して再び帰路を歩み始める。
だが、待ってくれなくて良かったと彼は安堵していた。
「……はあ……夢で会った時より可愛すぎるでしょ。困ったな……」
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