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姉妹誘惑のお宿編

あいつ、お姉ちゃんの彼氏だから。①

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 こんにちは、千夏です。
 いまボクは、そっと一階の様子を窺っているところです。
 物音はしないし人の気配もない。さっき玄関の閉じる音がしたので、たぶん徹と姉は買い物に出かけたんだと思う。

 こっそり一階を見下ろすと、やっぱり二人の姿は消えていた。
 ここの貸別荘は吹き抜けになっていて、大きな窓からは海が見える。そういう普段と違う景色というのは不思議と創作熱にも力が入るからいいんだけど、問題はあの二人だ。
 ボクの創作熱と同じように浮かれて、大胆になっていることに気づけていないんだと思う。

 さっきなんてお勝手の流しの上でエッチをしておいて、ボクに気づかれていないとかアホなことを思っていたんだよ? 信じられる? 吹き抜けなんだから丸聞こえだっつーの! ばーか!

「……ンもー、最近のお姉ちゃんはどこか抜けてるからなー。引き合わせたのはボクだけど、やっぱりちょっとフクザツ」

 ふすんと溜息をまたしてしまった。
 実は何日か前、徹に告白をしたことがある。付き合って欲しいとも言った。彼が一方的に姉を好いていたのは知っていたけど、ボクだって本音を言いたくなるときもあるんだい。

「なのにわざわざ二人の仲を取り持つとかさー、なに考えてんのかなー、もー」

 だけどもしも姉が追って来なかったら本気で奪う気だったんだよ。ビスケットを作るみたいに、心も身体もとろとろになるまで溶かして、ボクの型に流し込ませてあげたいと思っていた。
 そんな乙女心に近しいことを考えるくらい、最近のボクは変わってきた。

 つっと膨らんだ胸の先端を指先で触れる。少し前はくすぐったいくらいだったのに、いまは甘痒い感じがする。
 身体がすごく敏感になっているし、エッチな空気を感じるとすぐに濡れてしまう。これが身体の変化というものらしく、男性を受け入れるための準備ができるようになった……ということらしい。

 はあ、もう、それなのに貸別荘についてすぐにエッチを始めるなんて、あの二人はちょっと頭がおかしいと思う。
 モヤモヤするしムラムラするし、それは先ほどこっそりと覗いたせいなんだけど、もう少し思春期のボクを気づかうべきだと思うよ。ジョーシキ的に考えて。

「もおおー、そんな恥ずかしいこと注意できないじゃん。はあ、一階で続きを書こ。徹のばーか」

 むすっとした顔のままノートパソコンを手にして、明るいリビングへ移ることにした。ソファーがあってくつろげるし、ちょうど飲み物も欲しかったところだ。
 あとは目のつくところにボクがいたら、さすがにエッチをしないだろうという算段もある。

「いいもん、こうなったら旅行中はずっと邪魔しちゃうもん。あの二人もずっとムラムラしたらいいんだ」

 そんなささやかな仕返しを思いながらあぐらをかいて、ノートパソコンを立ち上げる。続きをだいぶ書き溜められたので、新しい話をアップしたばかりだ。アクセス数も気になるので成績を見るとしよう。

 ーーー
 感想が書かれました
 ーーー

 そんな見慣れない赤字のメッセージがあって「ひょっ」と軽い奇声をあげる。
 数秒ほどその表示を眺めて、ハッとその意味に気づく。

「うわ、うわあー、これ感想だよ!」

 なんて見たまんまのことを言うくらいボクは驚いていた。だって感想をもらうなんて初めてだもん。
 どうしようと辺りを見回しても自分しかいない。せっかくだから徹と一緒に見たい気もするけど、そわそわする気持ちを止められない。
 今回のお話では初めてのエッチシーンもある。書いていて手ごたえはあったけど、実際にどう思われたのかはすっごく気になる。

「あーー、怖い! 見るのが怖い! でも見ちゃう! ボクは見ちゃうぞォォーッ!」

 意味もなく劇画調な顔でひとりごとをして、ポチッとメッセージを押した。ひゃー、押しちゃった。
 うわ、心臓がばくばくする! 急に怖くなってきたし、ひどいことが書いてあったらどうしよう!
 ベタ褒めまでは望まない。初めて書いたエロ小説なんだし、心が折れないくらいのごく普通なあたりさわりもない感想でお願いします!

 そーっと目を開けると、そこは初めて見る感想専用のページだった。

 ーーー
 いい感じ。
 タイトルから陵辱展開だと分かってたけどね。
 脱がされてレイプされてもすぐ気持ちよくならないのがいい。と、お世話になった私のムスコも喜んでます。
 このリアルな感じで続き頑張って!
 投稿者:毘沙門
 ーーー

 上から下までじっと眺めて、また最初から読み直す。悪いことを書かれていなくてホッとするし、なぜか知らないけど胸がドキドキする。
 嘘じゃないよねと疑って、何度も読み直すくらい感想をもらって嬉しかった。気がついたら体温まであがっていて、ちょっとだけ指先が震えている。

 はー、びっくりした。
 ぼすんとソファーにもたれかかって、手をさすりながらしばらくそのまま動けない。
 どうしてこんなに驚いているのかというと、ちゃんと読む人がいると分かったからだ。今までアクセス数と総合評価しか見ていなくて、でも本当は……。

「はあ、読まれているんだ、ボクの小説が」

 読者はちゃんといた。ただの数字じゃなかった。
 胸のドキドキはなかなか収まらなくて、クッションを抱えても落ち着けない。
 続きを書かなきゃと思っても、ついまたさっきの感想を読んで、にへらと笑う。なんで笑ってるのか自分でもよく分からない。

 はー、嬉しい。
 なんだこれ、ただの感想なのに。
 それと先ほどからずっと気になっているのは「ムスコがお世話になった」という一文だ。
 たぶん、いや間違いなくそういう意味だろう。ボクの文章を読んで、そして感極まった彼は……。

「シコシコ、したのかな」

 そう熱っぽい声でつぶやいた。
 最近、ボクは変わってきたと思う。
 官能的な文章を書き始めたからというもの感覚が先走っており、エッチなことの妄想がどんどんリアルになっていく。

 異性への好奇心が強くて、つい指で輪っかを作って股間にあてがう。何もない場所で上下させると、まるでそこにペニスがあるように感じた。
 思い浮かぶのは徹の男性器であり、雄々しくそそり立つものだ。大人だと分かる大きさで、生々しく血管を浮かべており、くりっと幻視である亀頭の場所をシゴくと頭がジンと痺れた。頬が熱くなって、だけどそんな妄想を自分では止められない。

 ふと、キーボードに手を伸ばす。
 そして見えないペニスをシゴきながら文字を打つ。このいやらしい感覚だけであやふやなものが、文字という形になっていく。
 それは登場人物の一人であるオルガに伝わって、薄暗い洞窟のなかで裸体をビクンと震わせる。飲まされた秘薬の効果によって、美しい彼女の身体に男性器が生えてきたのだ。
 おぞましさに瞳をそらし、だけど奥底から湧きあがる性欲は本物で、硬い寝床でただ一人、黒髪で清楚な顔つきをしたオルガはペニスにそっと触れる。


 ーーガチャっ。


 背後から響くドアの音。
 唐突に入り込んでいた妄想から引き戻されて、慌ててボクは振り返る。
 おかえりなさいと言いかけた姿勢で、しかし声をあげられずに凍りつく。フーフーと興奮を表す呼吸をしながら、姉と徹は玄関で抱き合っていたのだ。当たり前のように唇を重ねあい、そして我慢しきれないらしく焦った動きで互いの衣服を剥いでいく様子に目を剥いた。

 ちょっと! おっぱじめちゃった! 気づかれないと監視する意味がぜんぜん無いじゃん!
 いまなら咳払いをするだけで済む。そうしたら二人は笑えるほどビクッと震えて、しどろもどろの意味のない言いわけをしてくるはずだ。
 でも、ぶるんと本物のペニスが現れると、その迫力に口ごもる。
 想像していたよりも大きくて、先端から粘液を垂らしている。どくどくと脈うっており、きっとものすごく熱いんだろうなと思った。

 最近、変わってきたと思う。
 あんなに乱暴で卑猥で汚らしいものから目を逸らせない。下腹部が疼いて、奥からとろりと液体が溢れてくる。
 受け入れる準備があっという間にできて、そしてお腹を中心にして身体が熱くなってくる。
 肌がより敏感になり、室内着では隠せないほど乳房の先端を硬くしていく。身体の力が抜けていって……くたりとソファーに伏してしまう。

 濡れそぼった場所に触れたときの切ない声は、姉と同時に放たれて気づかれることは無かった。



 すごく気持ちいい声が隣室から聞こえてくる。
 そのあいだボクはずっと小説を書いていた。頭のなかにいろんな感覚があって、それを文字にして形にしていくという作業が、今までとぜんぜん違ったんだ。
 文字が生きている。
 そんな不思議なことを思う。感覚がそのまま文字になって、そして深夜になって疲れ果てていても指だけは止まらない。

 イきそうな感じなんだ。
 触ってもいないのに達しかけている。きっと長時間、二人の声を聞かされているせいだ。熱が身体に入ってきて、それがずっと冷めない。炎のように熱くって、感覚のエネルギーが尽きない。
 そんなときに隣室からひときわ大きな声が響く。

『あ、あ、あ、い、いくっ、もっ、イキますっ、お、お兄さん、そこ、そこの……う゛っ!』

 望みの場所を探し当てるのは徹の得意技だ。
 う、う、う、とおしとやかな姉と思えない声が響き続けて、やがて大きな痙攣を感じさせるあえぎ声となった。

 そして唐突に静まり返った隣室に、その空白の時間に、ものすごく気持ちいい感覚がリンクした。
 しっかりと相手を抱くように手を伸ばし、体温を夢想すると身体がビクッと震えた。肩にあごを乗せて動けないボクを、徹のアレが容赦なく……。


 ふっと意識が戻った。
 スリープになったノートパソコンが視界に入って、ぼうっとした頭で部屋を見回す。
 まさか気絶でもしたのかな。いや、深夜まで根を詰めすぎていたんだ。力尽きて寝落ちしたんだと思う。

 まだ鈍い頭のまま立ち上がる。
 身体の感覚が頼りなくて、そして濡れたパンツが食い込んでおり歩きづらい。熱に浮かされたように痺れており、腰にまったく力が入らないんだ。

 きぃ、と戸を開けて廊下に出ると冷たい空気が流れ込む。この時間になると夜気は落ち着いて、過ごしやすいくらいだと思う。
 ふらりと一歩だけ進み、そして真向かいの部屋の戸に指をかける。

 いけない、ここを開けたらいけない。
 そう理性から諭される。
 二人を引き合わせたのはボクだし、いくら欲しがってももう届かない。二人はもう入る余地がないくらい求めあっていて、これまでの鬱憤を晴らすような声をずっと響かせていたんだ。

 徹もこんな気持ちだったのだろうか。
 ノブにかけた指に力を込めながら、そんなことを思う。
 狂おしいほど求めて、それを、その衝動を自分では決して止められなかった。
 ずっと前に彼をバカだと笑ったこともある。だけど同じ境遇になるとすごく分かる。この強い衝動は決して言葉や文字では表せない。
 みんな徹が悪い。あんなに気持ち良さそうな声をあげさせて、あんなにおしとやかだった姉がメロメロにされているなんて。

 きぃぃ、と戸は開く。
 いけないことだと分かっている。
 でも同時にものすごく興奮した。ぞくくくっと脚から胸まで駆け上がるものがあり、はああと熱い息を吐く。
 精液の匂いがしたんだ。
 子供を作れる液体の匂いがして、誰からもそう教えられていないのに本能的に感じ取れる。
 いけないことだ。これはいけないこと。だけど近づいていくと匂いが濃くなる。だから雄の匂いの発生源に向かって一歩ずつ進んでゆくのを止められない。

 気づいたら、ぱさりと下着が床に落ちていた。たくさん汗を吸ったシャツを脱ぐとそれも放る。
 このときはなぜか恥ずかしさを感じなくて、空調が効いて気持ちいいなとか考えていた。

 きしっとベッドの端に座り、裸体のまま眠る徹に目を向ける。その向こうには姉が寝ており、形の良いお尻を向けていた。
 どちらもぐっすり眠りについている。長い長い性行為、そしてこれまでに溜め続けた好きという感情を互いにぶつけ合い、満足しきっている寝顔だった。

 どんな感じなのかな。
 男性に抱かれるってどう感じるんだろう。
 そんな好奇心があって、彼に背中を向ける形で寝そべってみる。ぴとりと素肌が背中に触れてきて、軽く静電気が身体を流れるのを感じる。

「ん……」

 と、身じろぎをした彼にドキッとした。寝ぼけているのかその腕に抱きすくめられてしまい、ドキッドキッとうるさいくらい心臓は鳴り響く。
 気づかれたらどうしようという思いは、腕に包まれると同時に吹き飛んだ。

 ふぁ、あったかいー。
 わー、こんな感じなんだ、男の人に抱かれるのって。ぎゅっと抱きすくめられて、徹の汗の匂いがして、さらに首元に息が当たってきてめまいがしそうだ。くらくらする。
 耳に響く寝息は相変わらず安定しており、寝ぼけて抱きついてきたらしい。ほっと安堵をしながら、この不可思議な感じを楽しむことにした。

 なんだろう、すごく安心する。
 それと同時にドキドキする。いつもふざけているけど徹はやっぱり男の人で、ボクにかけられている手の大きさを意識する。その手が下腹部のあたりをなでてきた。
 すべすべの触り心地を気に入ったのか、くすぐったさを覚えながら身じろぎをすると、ぐりっと硬い感触がお尻に当たる。

 うっ、まさかこれって徹のアレ?
 かあっと身体の体温が上がる。素肌同士を触れあっているせいで体温は上がり続ける一方だ。いや、考えてみればこちらもあちらも服を着ていない。当然、お尻に触れているものは、なんの覆いもない生の……おちんちんだ。

 わー、きゃー、と声に出さず悲鳴をあげた。
 固いしあったかいし、なんだろ……試しに触ってみたいなーって思うんだ。そんなことを考えるなんてボクはちょっとおかしいのかもしれない。
 ドキドキするんだ。身体が熱くて汗が吹き出てくる。額に触れてみると汗にまみれており、腕で拭いていたときに……すごく唐突に、むちゃあっと脇を舐められた。

「はう……っ!」

 びっくりする間もなく手首を押さえられて、身動きを封じられると彼は本格的に舐めてきた。
 脇の下にむちゃりと吸いつかれ、そして舌が舐めてくる。ねろ、ねろ、と舌が動いて、つうっと唾液が垂れていく。
 くすぐったい。しかし同時に下腹部が疼く。大きな手に撫でられ続けていて、その手のすぐ下には子宮がある。優しく優しく撫でられて、くすぐったいはずなのに唾液だけでなく汗が裸体をしたたり落ちる。

 やっと分かった。このために撫でているんだ。
 女の子の弱いところを徹は知っていて、そして嫌がっていない様子を知られて手首の拘束は解けてゆく。
 自由になった手が、薄暗くても正確に乳房の先端に触れてきて、くっと指先で押してくる。

 はあっ、と息を吐いた。
 乳房がゆっくりとコネられてゆき、唇を閉じることができない。そこは真っ白な肌をしており、先端の鮮やかな朱色がだんだん硬さを伴っていく。
 わななく喉から絞り出されるように息が漏れて、そして熱いと思える舌がしつこく脇を舐めてくる。
 目の前で己の胸が形を変えて、こねこねと丹念に揉みしだかれていることに驚く。そのあいだも下腹部を撫でる速度がちょっとだけ早まっており、とろりと液体が溢れてくるのを感じた。

「待っ、て……」

 姉と間違えている。そう伝えたかったのに身体の力があっという間に抜けてしまう。
 だらんと腕は垂れたままで脇下は彼に蹂躙されている。寝ぼけて姉だと勘違いした徹が、じっくりとボクの身体を女の子の身体に変えようとしていた。
 そして彼もまた男の人として準備を整えつつあり、硬くて太いものが股間をゆっくりと登ってくる。

 ぬるぬるの太ももから現れたのは彼の男性器だった。赤黒くてグロテスクとさえ思えるものが、徐々に本来の大きさになりつつある。

 黒髪で清楚な顔つきのオルガ。
 秘薬によって植えつけられた男性器は、彼女にとってこう見えたと思う。
 生々しくて力強くて、そっと触ると手のひらよりもずっと熱いものだった。指を輪っかの形にしてそれを握ると、密着した彼の下腹部がビクと震えを伝えてくる。
 シコシコしたい。そんな欲望が湧きあがり、ゆっくりと両手を上下させる。とろとろとボクの愛液が伝うそれを、痛くないように気持ちいい良くなるようにコネていく。

 ぐぽ、ぐぽ、と室内に音が鳴る。
 指一本分の段差があって、そこをつまんだまま逆の手で根元からシゴきだすと徹はたまらなそうな息を吐く。
 首元にその息を受けると、ぞくくくっとまた得体の知れぬ感情が裸体を震わせた。

 チャッチャッと小刻みに、そしてとろけるようにゆっくりと。いつしか徹からの愛撫は緩慢になってゆき、そのぶんボクは彼のアレ……おちんちんに集中していく。
 そして耳元に、脳へ直接声が伝わるようにぼそっと声を響かせた。彼がもっときちんと欲情するように。

「いいの? おちんちんをシコシコされて気持ちいいの? お顔がとろーってしてきたよ?」

 はああ、と彼は熱い息を吐いた。興奮しているとはっきり分かって、なぜかボクも早くて浅い呼吸に変わっていく。
 だんだん彼は体温を上げてゆき、ボクを抱きすくめてくる。息苦しいくらいだけど、ぴくぴくとお腹を痙攣させているのが伝わってきて、なぜかそれが可愛いと思う。
 可愛い。射精するのを楽しみにして、ボクの手に集中している徹は可愛い。
 もっと興奮させてあげたい。ぽやっとした顔つきをもっと欲情させて、射精するそのときの顔を見てみたい。

「じゃあ、ビュってしよ? びゅっびゅって精液を出して、ボクをザーメンまみれにしよ? ほら、いい子いい子」

 ぼそっぼそっと耳の奥にそう囁きかけると、彼の体温はもう少しあがる。ぴったりと密着してきて、小刻みに震えた吐息を首筋に吹きかけてくる。

 亀頭をコネくり回すと、根元から先端まで愛液たっぷりにどるどると刺激する。
 速度をどんどん増してゆき、くちゃくちゃと淫猥な音を立てながら勃起したそれをシゴく。牛の乳搾りみたいに優しく強く。そして硬くて熱いものがはちきれそうな空気を感じたとき、彼の耳に「びゅ~、びゅ~」とささやきかけた。

 オウッと彼は呻いて、手のひらに液体がほとばしる。
 射精感によって下腹部を痙攣させており、べとっべとっと重くて熱い液体が降りそそぐ。
 とたんに溢れかえる不可思議な匂いと、なおも太ももではさみつけた場所からビクビクと痙攣が伝っており新たな液体が注がれる。とろりと流れていくそれはおへそに水たまりを生んで、頭がジンと痺れているなか触れてみる。

 熱くてペタッとした感触が手にまとわりついて、ほううと同時に息を吐く。ボクと徹の二人が。

 オルガは耐えられない。
 いくら清楚で生まれの良い彼女でも、こんなに気持ちいいことを我慢できない。秘薬はオルガの新たな性欲を呼び起こし、夜になると一人でシコシコする己を止められない。
 ボクもそうだ。
 そっと内股に手をかけられただけで、それが合図だと気づいてしまう。期待に胸を弾ませて、どきっどきっとしながらゆっくりと太ももを開いてしまう。

 もうすぐシちゃう。徹とシちゃう。
 その期待が強すぎて、姉が同室にいることなどすっかりボクの頭から消えていた。
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