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何話してるの?
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「おはよ!」
「おはよー」
電車の通学にも慣れて、少し冷たい風が通り過ぎる朝。
ランドセルの奥に溜まった切符は、過ぎた日々を感じさせた。
「ねぇ、なんの話ししてるの!」
少し耳に入った話題は、僕も好きだったアニメの話題で、昨日放送された回を意気投合していた。
「お、大誠もこのアニメみてるの?」
「あったりめーよ、昨日の凄かったよな!」
キラキラした目で会話をしていると、隣の席でそわそわとしてこちらを見てくる女の子がいた。その子の名前は美幸、あまり話したことはないが、別に仲が悪い訳では無い
「もしかして、美幸ちゃんも見てる?」
「うん。」
眼鏡のレンズ越しで少し潤んだ目を隠す。
「昨日の良かったよなぁ、美幸ちゃんはどうだった?」
「面白かった、特に...」
アニメの話題のおかげですぐに打ち解けて、彼女の目にも、キラキラとした輝いた目があった。
「最近美幸と仲いいじゃん」
「そう?でも、アニメの話題で盛り上がるんだ」
「へぇ、いいじゃん」
真弘は、もし犬なら尻尾をぶんぶんと振って、まるでイタズラをするような様子で見てくる。
「なんだよ」
「もしかして、好きになった?」
「は?!」
そう言われるとは分かっていたが、実際好きという感情は全くなく、それに、好きという気持ちはまだ分からなかった。
「別にそんなんじゃないよ、てか、好きってどんなんなの?」
「んー、わかんねぇ」
「なんだよ」
笑いながら紅葉した木下を通り抜け、真弘とはコンビニの別れ道で別々の帰路に戻った。
「...」
頭の中で美幸の顔を思い浮かべ、自問自答をする。
「好きですか、、、いいえ」
ならば、嫌いか、といことではない、ただ、好きという、ドキドキするようなことはなかった。
「おはよー」
電車の通学にも慣れて、少し冷たい風が通り過ぎる朝。
ランドセルの奥に溜まった切符は、過ぎた日々を感じさせた。
「ねぇ、なんの話ししてるの!」
少し耳に入った話題は、僕も好きだったアニメの話題で、昨日放送された回を意気投合していた。
「お、大誠もこのアニメみてるの?」
「あったりめーよ、昨日の凄かったよな!」
キラキラした目で会話をしていると、隣の席でそわそわとしてこちらを見てくる女の子がいた。その子の名前は美幸、あまり話したことはないが、別に仲が悪い訳では無い
「もしかして、美幸ちゃんも見てる?」
「うん。」
眼鏡のレンズ越しで少し潤んだ目を隠す。
「昨日の良かったよなぁ、美幸ちゃんはどうだった?」
「面白かった、特に...」
アニメの話題のおかげですぐに打ち解けて、彼女の目にも、キラキラとした輝いた目があった。
「最近美幸と仲いいじゃん」
「そう?でも、アニメの話題で盛り上がるんだ」
「へぇ、いいじゃん」
真弘は、もし犬なら尻尾をぶんぶんと振って、まるでイタズラをするような様子で見てくる。
「なんだよ」
「もしかして、好きになった?」
「は?!」
そう言われるとは分かっていたが、実際好きという感情は全くなく、それに、好きという気持ちはまだ分からなかった。
「別にそんなんじゃないよ、てか、好きってどんなんなの?」
「んー、わかんねぇ」
「なんだよ」
笑いながら紅葉した木下を通り抜け、真弘とはコンビニの別れ道で別々の帰路に戻った。
「...」
頭の中で美幸の顔を思い浮かべ、自問自答をする。
「好きですか、、、いいえ」
ならば、嫌いか、といことではない、ただ、好きという、ドキドキするようなことはなかった。
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