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本物のような映像
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「若者のテレビ離れ」なんて言われていたテレビ業界だったが、ある技術革新によって再び復権を果たした。
その名も「ホロ-TV」。
部屋全体に立体的なホログラム映像を映し出し、部屋があたかもTV番組の中になってしまったかのような映像体験ができる次世代型TVだ。
6歳のジョン君は「ホロ-TV」が大好きな大のテレビっ子。
学校から帰るといつもTVルームに直行。今日はお母さんもお父さんも帰るのが遅くなるって言ってたからテレビ見放題だ!
ジョン君が投影機のスイッチを入れると部屋の風景が一気に変わっていって、一瞬でジョン君は宇宙空間の真っ只中。
大好きなカッコいいロボットが目の前に現れる。ジョン君の何倍もの大きさのロボットだ。これを見てジョン君は大興奮。大迫力の戦いのシーンが始まると、上を見上げながら正義のロボットを応援する。
あっという間に番組が終わって次の番組が始まる。次の番組はトレンディドラマだった。ジョン君はドラマも大好き。綺麗な女優さんがジョン君の目の前に現れ、ジョン君は釘付けになる。
「ああ、テレビは面白いなぁ」
するとジョン君の後ろに、銃を持った男が現れた。彼はジョン君を挟んで、女優さんに銃口を向けている。
「動くな!」
男が鋭い口調で言った。
すると女優は男に背を向けながら、
「なぜそんなことを言うの……?」
と言った。
ジョン君は急展開に目を輝かせる。
「わぁー、すごい迫力だなぁ」
男は再び鋭い声で、
「黙れ! 俺は女子供でも容赦しねぇ!」
と言う。
「どうして? 愛してるって言ったじゃない!」
女優の悲痛な声。
ジョン君は緊張感に息を飲んだ。けど、ちょっとだけ銃をよく見たくなって、男の方に近づいていってみた。
ジョン君の後ろで女優が身じろいだ。
男が叫んだ。
「おい、動くな!」
ジョン君は男の持つ銃をジーっと見つめた。
「あんまりよ!」
女優が叫ぶ。
「この銃はホンモノだ! おとなしくしろって言ってるだろ!」
ジョン君はもう一歩男の方に近づいて、銃を見つめながら、
「わぁー、この銃カッコいいなぁ」
と言った。
「くそっ、なんだこのガキ、狂ってやがる!」
そう言って男は足早に部屋を出ていった。
「あぁ、行っちゃった……」
ジョン君は女優の方に向き直った。
「もうあんたなんか知らないわ!」
ホログラムの女優はそう言いながら携帯電話を床に投げつけた。
その名も「ホロ-TV」。
部屋全体に立体的なホログラム映像を映し出し、部屋があたかもTV番組の中になってしまったかのような映像体験ができる次世代型TVだ。
6歳のジョン君は「ホロ-TV」が大好きな大のテレビっ子。
学校から帰るといつもTVルームに直行。今日はお母さんもお父さんも帰るのが遅くなるって言ってたからテレビ見放題だ!
ジョン君が投影機のスイッチを入れると部屋の風景が一気に変わっていって、一瞬でジョン君は宇宙空間の真っ只中。
大好きなカッコいいロボットが目の前に現れる。ジョン君の何倍もの大きさのロボットだ。これを見てジョン君は大興奮。大迫力の戦いのシーンが始まると、上を見上げながら正義のロボットを応援する。
あっという間に番組が終わって次の番組が始まる。次の番組はトレンディドラマだった。ジョン君はドラマも大好き。綺麗な女優さんがジョン君の目の前に現れ、ジョン君は釘付けになる。
「ああ、テレビは面白いなぁ」
するとジョン君の後ろに、銃を持った男が現れた。彼はジョン君を挟んで、女優さんに銃口を向けている。
「動くな!」
男が鋭い口調で言った。
すると女優は男に背を向けながら、
「なぜそんなことを言うの……?」
と言った。
ジョン君は急展開に目を輝かせる。
「わぁー、すごい迫力だなぁ」
男は再び鋭い声で、
「黙れ! 俺は女子供でも容赦しねぇ!」
と言う。
「どうして? 愛してるって言ったじゃない!」
女優の悲痛な声。
ジョン君は緊張感に息を飲んだ。けど、ちょっとだけ銃をよく見たくなって、男の方に近づいていってみた。
ジョン君の後ろで女優が身じろいだ。
男が叫んだ。
「おい、動くな!」
ジョン君は男の持つ銃をジーっと見つめた。
「あんまりよ!」
女優が叫ぶ。
「この銃はホンモノだ! おとなしくしろって言ってるだろ!」
ジョン君はもう一歩男の方に近づいて、銃を見つめながら、
「わぁー、この銃カッコいいなぁ」
と言った。
「くそっ、なんだこのガキ、狂ってやがる!」
そう言って男は足早に部屋を出ていった。
「あぁ、行っちゃった……」
ジョン君は女優の方に向き直った。
「もうあんたなんか知らないわ!」
ホログラムの女優はそう言いながら携帯電話を床に投げつけた。
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