いつかまた僕の隣に……

チタン

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いつかまた僕の隣に……

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 分かってたんだ。君が僕に呆れているのは。
 僕は君と離れたくなかったけど、何かを変えようとするわけでもなくって、居心地の良いぬるま湯に肩まで浸かって。

 「夢のため」って就職もせずに、中途半端な日々。
 「夢」を言い訳に使うようになったのはいつからだったろう。

 だから君が離れていったのも当然なんだ。
 僕も予感はしていたけど、それでも君は一緒にいてくれるって高を括って。

 そうなってから初めて気づいたんだ。僕が君にどれだけ支えられていたのか、どれだけ君が大切なのかを。

 それ以来、君がどうすれば戻ってきてくれるかって、そればかり考えていた。
 そのために僕は変わろうとしてるんだ。君にもう呆れられないようにね。
 けど、それだけじゃ君は僕の隣に戻ってきてはくれないだろうな。

 だから夢を叶えたら、その時こそ君を迎えに行こう。
 きっと君は僕を待ってはいないけど、それでも。
 夢を叶えて、自分に胸を張れる僕になっていられれば。

 その時には君はもうこの街にはいないかもしれない。
 君が遠くに居たって気づいてくれるよう有名になるよ。なおさら頑張らなくっちゃね。

 今さら会いに行っても迷惑がられるかもしれない。
 だったら、それでもまた好きになってもらえる男にならないと。

 そんな風になれたら、君はまた僕の隣に戻ってきてくれるだろうか?

 ……いや、きっと無理だろうな。
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