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第3章 クルデ村
Ⅶ
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ルエルはシンジのせいで要らない力を使ったせいか、体調を崩してしまい、今は病室で安静にさせている。
「シンジ!女の子がいる部屋に入るときは、絶対にノックしてから入りなさい!」
「え、でも病室だよ?」
「女の子がいる部屋は、何処だろうと変わりません! いいわね!」
母、エレノアールの有無を言わさない言葉に、大きく頷くシンジだった。
「さてと、話を戻すわね。」
エレノアールは今、村の集会所の一室にシンジを初めドアルドとレアイア、そして村のまとめ役のタイゾウを集めていた。
「まず、みんなに来てもらったのはルエルの事について、みんなの意見を聞きたくて集まってもらったの。」
「ルエル、ですか? 若が奴隷商から助け出したっていう女の子の事でしょうか?」
白髪でいぶし銀と言う言葉がそのまま当てはまるタイゾウが、確認するように聞いてきた。
「そうよ。」
「その様子からすると、かなり厄介な話という事ですな?」
「そうよ、タイゾウの考え通り、下手をすればこの村の存亡に関わるかもしれないわ。」
エレノアールのその一言で、部屋の中が一気に緊張する。
「おい、おい、えらく大袈裟な話じゃないか。」
エレノアールがわざわざこんな嘘をつく事は無いと解ってはいるが、たった一人の奴隷だった少女が、村の命運を握るとまで言われると、さすがのドアルドも本当なのだろうかと疑わずにはいられなかった。
「大袈裟でもなんでもないわ。まず、あの子は鬼人であることは判ってるわよね?」
「それはもちろん。」
レアイアの言葉にシンジとドアルドが頷く。
タイゾウは直接は会ってはいないが、シンジからルエルの事を聞いているので鬼人という事は解っていた。
「鬼人族でしたら、この村にも3ヶ月前に仲間になった者もおりますから、別段珍しい事でもないですが。」
タイゾウの答に、エレノアールも頷く。
「けど、鬼人族の大国、ダイアファレスが人族によって滅亡した事も知っているな。
「そえは、もちろん。その事で、帝国から鬼人族の討伐や賞金を掛けて探しているので厄介と言えば厄介ではありますな。」
「そんなのは帝国だけが騒いでいるだけで、他の諸国は無視してるから問題ないわ。特にこの村は青の大森林の中に位置してるから、遠くの帝国がわざわざ遠征に来る程、裕福でもないからね。ほっとける分には問題なにわ。
「じゃあ、どうしてですか?」
タイゾウは再度エレノアール聞く。
「それは、彼女の名前が、ルエル・ダイアファレスだからだ。」
「え? なっ! なんと!」
シンジ以外の三人がそれぞれ驚く。
「彼女、お姫様なの!?」
「そうよ。」
王位継承権は何位なんだ?
「たしかだけど、一人娘のはずよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
集会所の中は沈黙だけが漂う。
「一応、彼女は帝国では死んでいると言う事で通っているみたい。」
「それは確かなのか?」
今度はドアルドがエレノアールに聞いて来た。
「それは確かよ。私が冒険者として活動している時に、帝国領に行った事があったんだけど、ダイアファレス王家はルエルの母君、セルエ様以外全て命を落としていると言うお触れが出てたからね。」
レアイアが事情を説明する。
「でもそれって表向きだよね。実際は帝国は、ルエルが生きていて奴隷となっている事は知っているよね?」
今度はシンジがエレノアールに聞いてくる。
「それはどうかしらね。帝国としては王族の血縁者が生きているのは問題だからね、本当なら殺してるはずなんだよね。でも、奴隷として売られてたって事は、ルエルを捕らええた男が、帝国には殺したと報告して、金欲しさに奴隷として売ったんじゃないかなと思うんだよね。」
「それは、考えられるな。であれば、当面は問題無いのか?」
「それはどうかしら。」
ドアルドの言葉にエレノアールは否定する。
「どういう事だ?」
「ルエルがこのまま大人しくしてるわけないじゃ無いの。彼女は必ず、王妃を救う為に動き出すわよ。」
確定事項だと言わんばかりに言い切るエレノアール。
「それはそうよね。私でもそうするわ。」
レアイアが同意し、他の男性陣も確かにと頷く。
「でも、一人じゃどうしようもねえだろ? かと言って直ぐに協力者なんて見付からねえだろ?」
ドアルドの言葉にエレノアールは何故か溜息を大きくついていた。
「ここに、やる気満々の男が一人いるわよ。」
エレノアール視線の先にシンジが満面の笑顔があった。
「シンジ、解ってるのか? 彼女は侵略されて滅亡したとは言っても、ダイアファレス王国の姫君なんだぞ?」
「判ってるよ。」
当たり前のように言うシンジにあきれ顔のドアルド。
「母様はいつも、困った人がいたら助けてあげろ。特に女の子が困っていたら、何をおいても助けなきゃいけないっていつも言ってたよ? ルエルは、一人ぼっちで、いっぱい辛い思いをして来たんでしょ? そんな女の子を見捨てるなんて僕には出来ないし、父ちゃんは見捨てるの?」
「うっ、そ、そりゃ見捨てるつもりはないが、」
「なら、助けてあげようよ。」
シンジの訴えは間違ってはいない。
だからと言って、はい、そうですかとは言えない団長のドアルドだ。
「しかしだ、彼女を助けるといっても、事が国家レベルの話になるんだぞ? ただの盗賊団の一村がしょい込む話とは次元が違うんだ。」
「それでも僕は彼女を助けるって決めたんだ。父ちゃんだって、昔、母様を命を掛けて守ってあげたって母様から聞いてるよ。」
「うっ!そ、それはだな、おい!エレン!シンジに何教えてるんだ!」
「あら、いいじゃない。私は、そんなドアルドが格好良くて結婚したんだもの。あの時の父さんったら、本当に格好良かったわ。」
エレノアールが、昔を思い出しながら語り出すと周囲が反応しだす。
「そう言えば在りましたな、そういう事も。」
タイゾウがしみじみ昔を思い出しながら語ると、
「え?何、何!エレノアール様が族長を好きになったんですか?!」
「そうよ。普段、こんな風だけど、いざって時はもの凄く格好良いんだから。」
レアイアとエレノアールはドアルドの格好良さについて女子トークを始め出した。
ドアルド本人は、二人の会話が余りにも恥ずかしかったので耳を塞いでテーブルに顔を突っ伏してしまった。
「えーと、つまりルエルを助けてあげて良いんだね!?」
すっかり蚊帳の外となってしまったシンジが半分むくれながら、賛同してもらったよね?と大声で投げかける。
その声で皆が一斉にシンジの方を向いて、謝っていた。
「あーコホン。」
わざとらしくエレノアールが咳をして、場の空気を戻す。
「どのみち、ルエルを助けてしまったんだもの。このまま見捨てるなんて出来ないわ。」
エレノアールのこの一言で決定はしているが、一応皆の顔を見渡し、反対が無いかを確認する。
「あなたも良いわね?」
「判った。シンジ、父親として言っておく。一度、助けるって決めたなら、途中で投げ出すな! それと、ルエルの願いは多分簡単には叶えられるものではないはずだ。だからと言って、無理をして死んでしまったらせっかく拾った命の無駄遣いだぞ。シンジは必ずルエルを守れ。ルエルが暴走しても絶対に止めてやれ。それが本当の助けるって意味だからな!」
ドアルドはシンジの方を両手で掴み、力強く語りかける。
そんなドアルドをじっと見つめる瞳は力強く輝いていた。
「判った!絶対にルエルの事は僕が守るよ!」
言い切るシンジを見て、ドアルドは大きく頷く。
「ほらね、案外見た目と違って、此処っていう時は格好良いでしょ?」
「そうですね。団長の評価を少し上げてもいいですね。」
横の方では、女二人が女子トークをヒソヒソと語り合っていた。
「それで、どうする?」
「何が?父ちゃん。」
「いや、これからの事だよ。」
「どうしようか?」
「やっぱり何も考えて無かったか。」
今後の事を聞いてみたドアルドだったが、案の定と言うべきかシンジが何も考えて無かった事に溜息をついた。
「でも取り合えず、ルエルの体調を万全にする事が大切だし、その間、僕はもっと母様に魔法やレアイアに剣術を学んで、強くなろうと思うんだ。」
え?もう十分強いわよ!
と、レアイアは心の中で叫んでいたが、シンジが自分を見つめて頭を下げて来るもんだから笑顔で返してしまう。
どうしよう、私に教える事ってまだあったかしら?
等とレアイアが思い悩んでいることなんか知らないシンジは力強く拳を作っていた。
「シンジ!女の子がいる部屋に入るときは、絶対にノックしてから入りなさい!」
「え、でも病室だよ?」
「女の子がいる部屋は、何処だろうと変わりません! いいわね!」
母、エレノアールの有無を言わさない言葉に、大きく頷くシンジだった。
「さてと、話を戻すわね。」
エレノアールは今、村の集会所の一室にシンジを初めドアルドとレアイア、そして村のまとめ役のタイゾウを集めていた。
「まず、みんなに来てもらったのはルエルの事について、みんなの意見を聞きたくて集まってもらったの。」
「ルエル、ですか? 若が奴隷商から助け出したっていう女の子の事でしょうか?」
白髪でいぶし銀と言う言葉がそのまま当てはまるタイゾウが、確認するように聞いてきた。
「そうよ。」
「その様子からすると、かなり厄介な話という事ですな?」
「そうよ、タイゾウの考え通り、下手をすればこの村の存亡に関わるかもしれないわ。」
エレノアールのその一言で、部屋の中が一気に緊張する。
「おい、おい、えらく大袈裟な話じゃないか。」
エレノアールがわざわざこんな嘘をつく事は無いと解ってはいるが、たった一人の奴隷だった少女が、村の命運を握るとまで言われると、さすがのドアルドも本当なのだろうかと疑わずにはいられなかった。
「大袈裟でもなんでもないわ。まず、あの子は鬼人であることは判ってるわよね?」
「それはもちろん。」
レアイアの言葉にシンジとドアルドが頷く。
タイゾウは直接は会ってはいないが、シンジからルエルの事を聞いているので鬼人という事は解っていた。
「鬼人族でしたら、この村にも3ヶ月前に仲間になった者もおりますから、別段珍しい事でもないですが。」
タイゾウの答に、エレノアールも頷く。
「けど、鬼人族の大国、ダイアファレスが人族によって滅亡した事も知っているな。
「そえは、もちろん。その事で、帝国から鬼人族の討伐や賞金を掛けて探しているので厄介と言えば厄介ではありますな。」
「そんなのは帝国だけが騒いでいるだけで、他の諸国は無視してるから問題ないわ。特にこの村は青の大森林の中に位置してるから、遠くの帝国がわざわざ遠征に来る程、裕福でもないからね。ほっとける分には問題なにわ。
「じゃあ、どうしてですか?」
タイゾウは再度エレノアール聞く。
「それは、彼女の名前が、ルエル・ダイアファレスだからだ。」
「え? なっ! なんと!」
シンジ以外の三人がそれぞれ驚く。
「彼女、お姫様なの!?」
「そうよ。」
王位継承権は何位なんだ?
「たしかだけど、一人娘のはずよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
集会所の中は沈黙だけが漂う。
「一応、彼女は帝国では死んでいると言う事で通っているみたい。」
「それは確かなのか?」
今度はドアルドがエレノアールに聞いて来た。
「それは確かよ。私が冒険者として活動している時に、帝国領に行った事があったんだけど、ダイアファレス王家はルエルの母君、セルエ様以外全て命を落としていると言うお触れが出てたからね。」
レアイアが事情を説明する。
「でもそれって表向きだよね。実際は帝国は、ルエルが生きていて奴隷となっている事は知っているよね?」
今度はシンジがエレノアールに聞いてくる。
「それはどうかしらね。帝国としては王族の血縁者が生きているのは問題だからね、本当なら殺してるはずなんだよね。でも、奴隷として売られてたって事は、ルエルを捕らええた男が、帝国には殺したと報告して、金欲しさに奴隷として売ったんじゃないかなと思うんだよね。」
「それは、考えられるな。であれば、当面は問題無いのか?」
「それはどうかしら。」
ドアルドの言葉にエレノアールは否定する。
「どういう事だ?」
「ルエルがこのまま大人しくしてるわけないじゃ無いの。彼女は必ず、王妃を救う為に動き出すわよ。」
確定事項だと言わんばかりに言い切るエレノアール。
「それはそうよね。私でもそうするわ。」
レアイアが同意し、他の男性陣も確かにと頷く。
「でも、一人じゃどうしようもねえだろ? かと言って直ぐに協力者なんて見付からねえだろ?」
ドアルドの言葉にエレノアールは何故か溜息を大きくついていた。
「ここに、やる気満々の男が一人いるわよ。」
エレノアール視線の先にシンジが満面の笑顔があった。
「シンジ、解ってるのか? 彼女は侵略されて滅亡したとは言っても、ダイアファレス王国の姫君なんだぞ?」
「判ってるよ。」
当たり前のように言うシンジにあきれ顔のドアルド。
「母様はいつも、困った人がいたら助けてあげろ。特に女の子が困っていたら、何をおいても助けなきゃいけないっていつも言ってたよ? ルエルは、一人ぼっちで、いっぱい辛い思いをして来たんでしょ? そんな女の子を見捨てるなんて僕には出来ないし、父ちゃんは見捨てるの?」
「うっ、そ、そりゃ見捨てるつもりはないが、」
「なら、助けてあげようよ。」
シンジの訴えは間違ってはいない。
だからと言って、はい、そうですかとは言えない団長のドアルドだ。
「しかしだ、彼女を助けるといっても、事が国家レベルの話になるんだぞ? ただの盗賊団の一村がしょい込む話とは次元が違うんだ。」
「それでも僕は彼女を助けるって決めたんだ。父ちゃんだって、昔、母様を命を掛けて守ってあげたって母様から聞いてるよ。」
「うっ!そ、それはだな、おい!エレン!シンジに何教えてるんだ!」
「あら、いいじゃない。私は、そんなドアルドが格好良くて結婚したんだもの。あの時の父さんったら、本当に格好良かったわ。」
エレノアールが、昔を思い出しながら語り出すと周囲が反応しだす。
「そう言えば在りましたな、そういう事も。」
タイゾウがしみじみ昔を思い出しながら語ると、
「え?何、何!エレノアール様が族長を好きになったんですか?!」
「そうよ。普段、こんな風だけど、いざって時はもの凄く格好良いんだから。」
レアイアとエレノアールはドアルドの格好良さについて女子トークを始め出した。
ドアルド本人は、二人の会話が余りにも恥ずかしかったので耳を塞いでテーブルに顔を突っ伏してしまった。
「えーと、つまりルエルを助けてあげて良いんだね!?」
すっかり蚊帳の外となってしまったシンジが半分むくれながら、賛同してもらったよね?と大声で投げかける。
その声で皆が一斉にシンジの方を向いて、謝っていた。
「あーコホン。」
わざとらしくエレノアールが咳をして、場の空気を戻す。
「どのみち、ルエルを助けてしまったんだもの。このまま見捨てるなんて出来ないわ。」
エレノアールのこの一言で決定はしているが、一応皆の顔を見渡し、反対が無いかを確認する。
「あなたも良いわね?」
「判った。シンジ、父親として言っておく。一度、助けるって決めたなら、途中で投げ出すな! それと、ルエルの願いは多分簡単には叶えられるものではないはずだ。だからと言って、無理をして死んでしまったらせっかく拾った命の無駄遣いだぞ。シンジは必ずルエルを守れ。ルエルが暴走しても絶対に止めてやれ。それが本当の助けるって意味だからな!」
ドアルドはシンジの方を両手で掴み、力強く語りかける。
そんなドアルドをじっと見つめる瞳は力強く輝いていた。
「判った!絶対にルエルの事は僕が守るよ!」
言い切るシンジを見て、ドアルドは大きく頷く。
「ほらね、案外見た目と違って、此処っていう時は格好良いでしょ?」
「そうですね。団長の評価を少し上げてもいいですね。」
横の方では、女二人が女子トークをヒソヒソと語り合っていた。
「それで、どうする?」
「何が?父ちゃん。」
「いや、これからの事だよ。」
「どうしようか?」
「やっぱり何も考えて無かったか。」
今後の事を聞いてみたドアルドだったが、案の定と言うべきかシンジが何も考えて無かった事に溜息をついた。
「でも取り合えず、ルエルの体調を万全にする事が大切だし、その間、僕はもっと母様に魔法やレアイアに剣術を学んで、強くなろうと思うんだ。」
え?もう十分強いわよ!
と、レアイアは心の中で叫んでいたが、シンジが自分を見つめて頭を下げて来るもんだから笑顔で返してしまう。
どうしよう、私に教える事ってまだあったかしら?
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