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思いがけない出会い 2
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「今日はこの辺りで野営かな・・」
辺りを見廻して特に問題無い事を再確認する。
街を出発してから13時間くらいたったかな?
昼までには西街道から少し南に向かう小さな街道に入って更に3時間、鬱葱と樹々が茂る森に到達した。
その森の中を突き進む細い道を更に南下し3時間ほど歩いて予定の野営地に着いた。
この野営地、公共の施設として冒険者組合が周囲に結界を張ってくれている上に、利用はタダ。
まあ僕達みたいな冒険者組合に登録している者に限るけどね。
でも、お金を払えば商人でも騎士様でも利用できる。
そのお金がこの野営地の運営資金になっていると、この前、受付のお姉さんに教えてもらった。
つまり、お金持ちの方々のおかげで僕はタダで安心して野営が出来るということだ。
「一応あそこに座っている騎士様に手を合わせておこう」
「ん? なんだ坊主。俺を拝んでも何にも出ないぞ?」
僕が手を合わせているのが見えたのか、騎士様が話しかけて来られた。
「あ、ご、ごめんなさい! 別に拝んでたわけじゃなくてですね、騎士様達がこの野営地を利用してくれるおかげで僕達が無料でこの安全な野営地を使えていると思ったら感謝しなくちゃと思って」
「はぁ? 変わった事考える坊主だな?」
「そうですか?」
「こんな事で感謝されるなんて初めてだ。ま、悪い気はしねえけどな」
引き締まった顔付きのおじさんだけど、ほんの少し頬が緩んだ様に見えた。
「そういえば、騎士様みたいな方が結構居られますね?」
僕は最初にこの野営地に入った時、いつもと雰囲気が違うのに気付いていた。
そう、甲冑や防具を身に纏ったどうみても冒険者ではない人が多くいた。
「ん? ああ、最近この付近に魔獣がよく見られるようになったらしく、ここの領主が傭兵団を組織すると聞いてな、俺も参加しようと来たんだ」
傭兵? 確か平民や騎士、武闘家等々、腕に自信がある人が一定の領主に仕えずに、お金で雇われながら点々と主君を変えて生きている人達・・・だったかな?
「ん? 坊主、傭兵を見るのは初めてか?」
「そうですね。たぶん初めてだと思います。では、あなた様は騎士様とは違うのですか?」
「ん~俺は一応騎士の称号は貰ってはいるが、中には騎士じゃないなもいるな。ただそういう奴らに限って素行が悪い奴が多いから、坊主も気を付けるんだそ?」
「そうなんですか? ありがとうございます。参考になりました」
「ああ、別に良いよ」
「では、僕も野営の準備しますので失礼します」
「ああ、それにしても丁寧な喋り方だが、良い所の坊っちゃんか?」
「いえ、普通の平民の子ですよ?」
「そうか。あまりにも丁寧な喋り方するから、貴族とかの坊っちゃんかと思ったぜ」
「そうですか? 母から人と話す時は丁寧に話しなさいと言われてますから」
「ふ~ん・・・ま、良いか。とにかく魔獣とかも出てるようだから気を付けるんだそ?」
「はい、ありがとうございます!」
僕は一礼してからその場を離れた。
さて、どこで休もうかな?
辺りを見回すけど、さっきの騎士様みたいな人が多くて殆ど場所取られてる・・・
探しながら歩く。
ん~、なかなか無いな。
「おい! そこの少年寝る所探してるのか?」
僕が寝る場所がなかなか見つからずキョロキョロと視線をさ迷わせていたら、野営地のほぼ真ん中に陣取る数人の集団の方から声を掛けられた。
辺りを見廻して特に問題無い事を再確認する。
街を出発してから13時間くらいたったかな?
昼までには西街道から少し南に向かう小さな街道に入って更に3時間、鬱葱と樹々が茂る森に到達した。
その森の中を突き進む細い道を更に南下し3時間ほど歩いて予定の野営地に着いた。
この野営地、公共の施設として冒険者組合が周囲に結界を張ってくれている上に、利用はタダ。
まあ僕達みたいな冒険者組合に登録している者に限るけどね。
でも、お金を払えば商人でも騎士様でも利用できる。
そのお金がこの野営地の運営資金になっていると、この前、受付のお姉さんに教えてもらった。
つまり、お金持ちの方々のおかげで僕はタダで安心して野営が出来るということだ。
「一応あそこに座っている騎士様に手を合わせておこう」
「ん? なんだ坊主。俺を拝んでも何にも出ないぞ?」
僕が手を合わせているのが見えたのか、騎士様が話しかけて来られた。
「あ、ご、ごめんなさい! 別に拝んでたわけじゃなくてですね、騎士様達がこの野営地を利用してくれるおかげで僕達が無料でこの安全な野営地を使えていると思ったら感謝しなくちゃと思って」
「はぁ? 変わった事考える坊主だな?」
「そうですか?」
「こんな事で感謝されるなんて初めてだ。ま、悪い気はしねえけどな」
引き締まった顔付きのおじさんだけど、ほんの少し頬が緩んだ様に見えた。
「そういえば、騎士様みたいな方が結構居られますね?」
僕は最初にこの野営地に入った時、いつもと雰囲気が違うのに気付いていた。
そう、甲冑や防具を身に纏ったどうみても冒険者ではない人が多くいた。
「ん? ああ、最近この付近に魔獣がよく見られるようになったらしく、ここの領主が傭兵団を組織すると聞いてな、俺も参加しようと来たんだ」
傭兵? 確か平民や騎士、武闘家等々、腕に自信がある人が一定の領主に仕えずに、お金で雇われながら点々と主君を変えて生きている人達・・・だったかな?
「ん? 坊主、傭兵を見るのは初めてか?」
「そうですね。たぶん初めてだと思います。では、あなた様は騎士様とは違うのですか?」
「ん~俺は一応騎士の称号は貰ってはいるが、中には騎士じゃないなもいるな。ただそういう奴らに限って素行が悪い奴が多いから、坊主も気を付けるんだそ?」
「そうなんですか? ありがとうございます。参考になりました」
「ああ、別に良いよ」
「では、僕も野営の準備しますので失礼します」
「ああ、それにしても丁寧な喋り方だが、良い所の坊っちゃんか?」
「いえ、普通の平民の子ですよ?」
「そうか。あまりにも丁寧な喋り方するから、貴族とかの坊っちゃんかと思ったぜ」
「そうですか? 母から人と話す時は丁寧に話しなさいと言われてますから」
「ふ~ん・・・ま、良いか。とにかく魔獣とかも出てるようだから気を付けるんだそ?」
「はい、ありがとうございます!」
僕は一礼してからその場を離れた。
さて、どこで休もうかな?
辺りを見回すけど、さっきの騎士様みたいな人が多くて殆ど場所取られてる・・・
探しながら歩く。
ん~、なかなか無いな。
「おい! そこの少年寝る所探してるのか?」
僕が寝る場所がなかなか見つからずキョロキョロと視線をさ迷わせていたら、野営地のほぼ真ん中に陣取る数人の集団の方から声を掛けられた。
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