70 / 131
第10章 侵略者を撃つな!
侵略者を撃つな! 70
しおりを挟む
母親の発言に金目ひなたは焦ります。
「え?・・・」
一方父親はあっさりと、なおかつ吐き捨てるように応えました。
「わかった。じゃ、離婚しよう。あの家と土地はお前にくれてやるよ!」
離婚。父親から思っても見なかったセリフが出てきました。金目ひなたは涙声で訴えます。
「お父さん、お母さん、離婚だけはやめてよ! お願いだからーっ!」
「うるさい!」
と金切り声をあげると、母親は立ち上がり、思いっきり平手を振り上げました。次の瞬間、そのビンタが金目ひなたの左ほおにヒット。金目ひなたの身体は無残にも絨毯に転がりました。
さらに母親は金目ひなたに馬乗りになり、両手で首を絞め始めました。
「お前がいけないんだよ! お前がーっ! 陽一が死んだのも、全部お前のせいよ! お前なんかより陽一の方がずーっとずーっと出来がよかったんだよ! お前なんか、生まなきゃよかったのよ!」
「お母さん、やめて・・・」
と金目ひなたは言おうとしましたが、首を絞めあげられてるせいで声が出ません。
薄れいく意識の中、金目ひなたはふと父親を見上げました。父親は平然とした顔でグラスの水割りを呑んでました。それは金目ひなたには、とてもショックな光景でした。
母親はときたま激昂することがあり、今まで何度か往復ビンタを喰らったことがありました。そんなときは必ず父親が止め、父親がいないときは、あとで必ず慰めてくれました。なのに今の父親は、自分にまったく関心がないのです。
金目ひなたは思いました。私はもう父親にも母親にも愛されてない。1人ぼっちになったんだ・・・
「けっ!」
母親は金目ひなたの首から両手を離しました。金目ひなたはゲボゲボと咳き込みます。母親はそんな娘に吐き捨てます。
「ほんとうに殺してやりたいけど、死んじまったら私も逮捕だからね。このへんにしておいてやるよ!」
母親は金目ひなたを横目で見ながら夫に、
「私、もう嫌! こんな娘とは絶対飛行機に乗らないからね!」
「好きにすればいいさ。けどなあ、お前の顔は日本国中に知れ渡ってんぞ。どこに行ってもマスコミやネット民がまとわりつくんじゃないか?」
母親はドアに向かって歩き始めてましたが、その言葉を聞いて、はっとして歩みを止めました。そして振り返り、再び夫の顔を見て、
「ふ、わかった。国を出るまではつきあってやんよ!」
と、ここでドアが開き、1人の女性空港職員が顔を出しました。
「飛行機の用意ができました!」
父親は立ち上がりました。
「わかった!」
空港に駐機してる旅客機。ボーディングブリッジが2本横付けされてます。空は完全に青くなってます。
その機内、ビジネスクラス。かなりゆったりとした席になってます。
今自動ドアが開き、金目家の3人が入室してきました。席は6割くらい埋まってます。
通路を歩く3人。それを見てすでに着席してた客が騒めきます。
「おい、あれ、金目ひなたじゃないのか?」
「あんな娘と一緒なの? 嫌・・・」
「快適じゃない空の旅にならなきゃいいが・・・」
父親は歩を止め、通路から2番目の席を見て、次に金目ひなたを見ました。
「ここに座れ」
金目ひなたはその席に座りました。父親のその隣りの通路側の席に、母親は通路を挟んだ隣りの席に座りました。
実は3人はファーストクラスの席を手配しようとしましたが、こんな日に限ってファーストクラスは満席。それでビジネスクラスを選んだのです。
今度はこの通路に人相の悪い20代の男3人が入ってきました。3人はそれぞれ左右キョロキョロしながら通路を進みます。客の顔を1人1人確認してるようです。
「え?・・・」
一方父親はあっさりと、なおかつ吐き捨てるように応えました。
「わかった。じゃ、離婚しよう。あの家と土地はお前にくれてやるよ!」
離婚。父親から思っても見なかったセリフが出てきました。金目ひなたは涙声で訴えます。
「お父さん、お母さん、離婚だけはやめてよ! お願いだからーっ!」
「うるさい!」
と金切り声をあげると、母親は立ち上がり、思いっきり平手を振り上げました。次の瞬間、そのビンタが金目ひなたの左ほおにヒット。金目ひなたの身体は無残にも絨毯に転がりました。
さらに母親は金目ひなたに馬乗りになり、両手で首を絞め始めました。
「お前がいけないんだよ! お前がーっ! 陽一が死んだのも、全部お前のせいよ! お前なんかより陽一の方がずーっとずーっと出来がよかったんだよ! お前なんか、生まなきゃよかったのよ!」
「お母さん、やめて・・・」
と金目ひなたは言おうとしましたが、首を絞めあげられてるせいで声が出ません。
薄れいく意識の中、金目ひなたはふと父親を見上げました。父親は平然とした顔でグラスの水割りを呑んでました。それは金目ひなたには、とてもショックな光景でした。
母親はときたま激昂することがあり、今まで何度か往復ビンタを喰らったことがありました。そんなときは必ず父親が止め、父親がいないときは、あとで必ず慰めてくれました。なのに今の父親は、自分にまったく関心がないのです。
金目ひなたは思いました。私はもう父親にも母親にも愛されてない。1人ぼっちになったんだ・・・
「けっ!」
母親は金目ひなたの首から両手を離しました。金目ひなたはゲボゲボと咳き込みます。母親はそんな娘に吐き捨てます。
「ほんとうに殺してやりたいけど、死んじまったら私も逮捕だからね。このへんにしておいてやるよ!」
母親は金目ひなたを横目で見ながら夫に、
「私、もう嫌! こんな娘とは絶対飛行機に乗らないからね!」
「好きにすればいいさ。けどなあ、お前の顔は日本国中に知れ渡ってんぞ。どこに行ってもマスコミやネット民がまとわりつくんじゃないか?」
母親はドアに向かって歩き始めてましたが、その言葉を聞いて、はっとして歩みを止めました。そして振り返り、再び夫の顔を見て、
「ふ、わかった。国を出るまではつきあってやんよ!」
と、ここでドアが開き、1人の女性空港職員が顔を出しました。
「飛行機の用意ができました!」
父親は立ち上がりました。
「わかった!」
空港に駐機してる旅客機。ボーディングブリッジが2本横付けされてます。空は完全に青くなってます。
その機内、ビジネスクラス。かなりゆったりとした席になってます。
今自動ドアが開き、金目家の3人が入室してきました。席は6割くらい埋まってます。
通路を歩く3人。それを見てすでに着席してた客が騒めきます。
「おい、あれ、金目ひなたじゃないのか?」
「あんな娘と一緒なの? 嫌・・・」
「快適じゃない空の旅にならなきゃいいが・・・」
父親は歩を止め、通路から2番目の席を見て、次に金目ひなたを見ました。
「ここに座れ」
金目ひなたはその席に座りました。父親のその隣りの通路側の席に、母親は通路を挟んだ隣りの席に座りました。
実は3人はファーストクラスの席を手配しようとしましたが、こんな日に限ってファーストクラスは満席。それでビジネスクラスを選んだのです。
今度はこの通路に人相の悪い20代の男3人が入ってきました。3人はそれぞれ左右キョロキョロしながら通路を進みます。客の顔を1人1人確認してるようです。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる