リトルクイーンのいけない魔法(Ｒ18＋)

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　姉はこの場を立ち去ろうと振り向きます。が、何かに気づき、
「あ」
　と言って立ち止まりました。再び妹を見て、
「例の２人、輪廻転生の手続きを済ませておいたわよ」
「相変わらず仕事が早いですわね、お姉様」
「ふふ、私のとりえはそれだけだから」
　次の瞬間、姉の姿がふっと消えました。立ち去ったというより、まるでその場に濃い霧があっという間に立ち込め、その中に入り込んだという感じです。
　妹はつぶやきました。
「さーて、あの２人、どこに輪廻転生させましょう？　戦争戦争で疲れ切ってるみたいだから、平和な世界がいいわね。となると･･･」
　実はこの女神、準一に１つ大きなうそをついてました。それは･･･

　昼の時刻。いつもの街並み。いつものようなクルマの交通量。ん、交通量？　そう、ここはノルン王国ではありません。かつて準一が住んでいた世界の街並み。我々が住んでる世界なのです。
　その街並みの中にある病院。今赤ん坊の泣き声が響きました。

　それからどれくらい時間が経ったでしょうか？　この病院の玄関に今１台のタクシーが横付けされました。
　その車内、今後部座席に座ってた30歳前後の男性が、タクシーの運転手に5000円札を渡しました。
「あ、運転士さん、お釣りはいらないから！」
　男性はタクシーを降りようとします。が、タクシーの運転士は困惑顔。
「お客さん、これじゃ足りませんよ」
　今度は男性が困惑顔。
「ええ～？」

　廊下を走る男性。そして１つのドアを開けました。そこは病室。ベッドには１人の女性が寝かされてます。男性と同じくらいの年齢のようです。その横には２人の赤ちゃんが寝かされてます。女性看護師の姿もあります。
　女性は男性に気づき、
「あなた･･･」
　男性はほっとした顔。
「ああ、無事生まれたんだ」
　看護師は笑顔。
「おめでとうございます。男の子と女の子。元気な双子ですよ」
　男性は２人の赤ん坊を見ました。
「すくすく育つといいなあ」
　女性が応えます。
「きっとすくすく育ちますよ。私たちの子どもですから」