リトルクイーンのいけない魔法(R18+)

のどか

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 外はすでに陽が高く昇ってました。昨夜はたくさんの一般市民が空中要塞を見守ってましたが、今はかなり減ってます。それでも多数の人が空を見上げてました。
 マグニが孤児院の建物から飛び出してくると、たくさんの兵が小銃を真上に向けてました。
「撃てーっ!」
 その号令とともにたくさんの兵が小銃を一斉発砲。マグニがその銃口の先を見ると、巨大な空中要塞が。しかし、兵たちが撃ってるのはその空中要塞ではないようです。
 よーく見ると、空中要塞の近くに何かあります。これは・・・ 空飛ぶ鉄の馬です。兵たちはこの空飛ぶ鉄の馬を撃ってるのです。なお、空飛ぶ鉄の馬は空中要塞に尻を向けてました。
 ちなみに、マグニからは見えないのですが、乗って操縦してる人はブリュンです。
 高度はかなりありそう。そのせいか、小銃の銃弾は届いてないようです。
 マグニがさらに眼を凝らして見てみると、鉄の馬と相対してる何かがあります。
 それは箒に跨ってるようです。黒い服。魔女のようないで立ち。マグニはそれだけでこの物体が、マグニがお姉ちゃんと呼んでる人物だと気づきました。そう、それは姫なのです。
「お、お姉ちゃん?・・・」
「撃てーっ!」
 再び隊長格の兵士が号令。軍隊が上空に向け一斉に小銃を撃ちました。ズバババババーン! しかし、鉄の馬は微動だにしません。やはり銃弾は届いてないようです。ほぞを噛む隊長格の兵士。
「くそーっ、届かないか?・・・」

 ここははるか上空。箒に跨った姫と鉄の馬に乗ったブリュン。2人は対峙してます。姫は怖い眼差しで叫びました。
「どいて!」
 売り言葉に買い言葉。ブリュンも怖い口調で言い返します。
「嫌だね!」
 ブリュンは姫の周りを見ました。周りには何もありません。ブリュンは準一を思い浮かべ、
「あの男がいない? いや、またどこかに潜んでいるのかもしれないな? 注意しないと・・・」
 実はブリュンは、昨夜出現した準一が肉体を持たない幽霊のような存在とは気づいてませんでした。もちろん、消滅したことも知りません。
 一方姫はブリュンに殺意剥き出しの顔になってます。あいつは私の大事な準一を殺した魔女。今ここで閃光魔法を使ってこの女を殺してやろうか?
 しかし、閃光魔法は1度しか使えません。だいたい姫がここに来た目的は1つ。
 姫はブリュンの背後に浮いてる空中要塞をにらみました。今私がらないといけない相手は、この中にいるグラニ帝国第2皇子ナルヴィ。ナルヴィ、覚悟!
 姫が乗る箒がスタート。ものすごい加速。ブリュンはあわてて光弾銃を構えました。
「ちっ!」
 姫はブリュンから見て左側に飛んで行きます。
「させるか!」
 ブリュンは持っていた光弾銃を撃ちました。が、姫は上に下にと不規則に蛇行。軽く光弾を避けます。
「くそーっ、ちょこざいなーっ!」
 ブリュンは光弾銃を連射。が、不規則に動く姫に光弾は当たりません。
 空中要塞に近づく姫の身体。ほぞを噛むブリュン。
「ちっ、このままだと貫通魔法で内部に侵入されちゃう・・・」

 地上では市民や兵たちが固唾を呑んで見上げてます。中には祈ってる人も。
「神様、どうか女王様を守ってください!」
 グラニも固唾を呑んでました。
「お姉ちゃん・・・」

 姫とブリュンの戦いがモニターに映し出されてます。ここは空中要塞コントロールルーム。ナルヴィはモニターを見ながらつぶやいてます。
「おいおい、しっかりしろよ・・・」

 空中要塞の外壁がものすごいスピードで近づいてきました。あともう少し・・・ が、姫ははっとしました。
「ダメ!」
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