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廊下。リネン室のドアから侍女、侍従長。姫が出てきました。侍従長は侍女に、
「例の隠し部屋まで一気に行くぞ!」
「御意!」
侍従長は階段を上り始めました。侍従長に続く姫は不思議に思い、質問しました。
「え、なんで? なんで上に行くの?」
「例の隠し部屋は塔の上にあるのです!」
「ええ?」
姫は秘密の隠し部屋は地階にあると思っていたようです。無関係の人もそう思うかもしれません。隠し部屋はそんな常識の裏をかいた位置にあるのです。
しかし、この階段は侍女の脇腹のけがに負荷を与えたようです。3人の中で一番後ろにいた侍女の息が荒くなってきました。
侍女がふと振り返ると、階段のカーペットに血が点々とついてました。侍女の脇腹の出血量は明らかに増えてます。
侍従長はふと立ち止まり、侍女を見ました。
「どうした?」
「私はここで敵を迎え撃ちます」
姫はそれを聞いてびっくり。
「ええ、なんで? 私たちと一緒に行こうよ!」
しかし、侍従長はわかってました。
「わかった。じゃ、頼む!」
姫は侍従長に振り返り、
「ええ、なんで? なんでなのよ!? 一緒に逃げた方が・・・」
侍女。
「敵はおそらく1人しか残ってませんが、たぶんそいつは間者。どこで網を張ってるのかわかりません。逆に私がここで網を張ってた方が効率的です」
侍従長は姫の右手首を握り、
「さあ、姫、行きましょう!」
「で、でも・・・」
侍女は強めに、
「行ってください!」
姫は残念そう。侍女は再び口を開きました。
「あ、そうだ」
侍女は小銃を2人にかざし、
「これを持って行ってください」
姫はびっくり。思わず声を漏らします。
「ええ、それがなかったら、敵を迎え撃てないじゃん!」
侍従長。
「それはお前が持っておけ」
侍女はちょっと考え、
「わかりました」
と応えました。
侍従長は再び姫の右手を引き、
「さあ、行きましょう!」
姫は名残惜しそうに侍女を一べつし、
「お願いします!」
姫と侍従長は駆け出しました。取り残された侍女は壁にドカッともたれかかりました。と同時に、脇腹の傷から血がドバッと噴き出しました。侍女は思わず悲鳴。
「うぐあーっ!・・・
あは、もうダメか・・・」
侍女は持ってる小銃を見て、
「これを敵に渡すと面倒なことに・・・ あは、侍従長、これ、持って行って欲しかったなあ・・・」
侍女はすぐ下の階に降りました。するとその眼がドアノブを捉えました。
ホテルの1人用のような部屋。ドアが開き、侍女が入って来ました。侍女はドアを閉めました。次の瞬間侍女は、意識を失ったように突然バターンとうつ伏せに倒れました。
消え消えの意識の中で侍女は思いました。
「まだ、まだ死んじゃダメ・・・」
侍女は小銃から弾倉をはずしました。そして手を横に振り、その弾倉を投げました。弾倉はうまくベッドの向こうに隠れました。
侍女はニヤッと笑い、
「これでよし!」
そして先に死んでしまったお側ご用人の侍従を思い出し、
「私も今からそっちに行くよ・・・ 来世では夫婦になろうね、絶対・・・」
侍女は眼をつぶりました。
廊下を歩く最後の生き残りの間者(リーダー格)。と、間者ははっとします。眼の前のドアのノブに血がこびりついてるのです。その真下の床には、たくさんの血が落ちてました。
「この部屋か?」
室内。ドアが開き、間者が入ってきました。間者は倒れてる侍女を発見しました。
「こいつ、死んでるのか?・・・」
間者は侍女の後頭部をつま先で軽く蹴りました。反応はありません。
「反応なし。死んでるな」
「例の隠し部屋まで一気に行くぞ!」
「御意!」
侍従長は階段を上り始めました。侍従長に続く姫は不思議に思い、質問しました。
「え、なんで? なんで上に行くの?」
「例の隠し部屋は塔の上にあるのです!」
「ええ?」
姫は秘密の隠し部屋は地階にあると思っていたようです。無関係の人もそう思うかもしれません。隠し部屋はそんな常識の裏をかいた位置にあるのです。
しかし、この階段は侍女の脇腹のけがに負荷を与えたようです。3人の中で一番後ろにいた侍女の息が荒くなってきました。
侍女がふと振り返ると、階段のカーペットに血が点々とついてました。侍女の脇腹の出血量は明らかに増えてます。
侍従長はふと立ち止まり、侍女を見ました。
「どうした?」
「私はここで敵を迎え撃ちます」
姫はそれを聞いてびっくり。
「ええ、なんで? 私たちと一緒に行こうよ!」
しかし、侍従長はわかってました。
「わかった。じゃ、頼む!」
姫は侍従長に振り返り、
「ええ、なんで? なんでなのよ!? 一緒に逃げた方が・・・」
侍女。
「敵はおそらく1人しか残ってませんが、たぶんそいつは間者。どこで網を張ってるのかわかりません。逆に私がここで網を張ってた方が効率的です」
侍従長は姫の右手首を握り、
「さあ、姫、行きましょう!」
「で、でも・・・」
侍女は強めに、
「行ってください!」
姫は残念そう。侍女は再び口を開きました。
「あ、そうだ」
侍女は小銃を2人にかざし、
「これを持って行ってください」
姫はびっくり。思わず声を漏らします。
「ええ、それがなかったら、敵を迎え撃てないじゃん!」
侍従長。
「それはお前が持っておけ」
侍女はちょっと考え、
「わかりました」
と応えました。
侍従長は再び姫の右手を引き、
「さあ、行きましょう!」
姫は名残惜しそうに侍女を一べつし、
「お願いします!」
姫と侍従長は駆け出しました。取り残された侍女は壁にドカッともたれかかりました。と同時に、脇腹の傷から血がドバッと噴き出しました。侍女は思わず悲鳴。
「うぐあーっ!・・・
あは、もうダメか・・・」
侍女は持ってる小銃を見て、
「これを敵に渡すと面倒なことに・・・ あは、侍従長、これ、持って行って欲しかったなあ・・・」
侍女はすぐ下の階に降りました。するとその眼がドアノブを捉えました。
ホテルの1人用のような部屋。ドアが開き、侍女が入って来ました。侍女はドアを閉めました。次の瞬間侍女は、意識を失ったように突然バターンとうつ伏せに倒れました。
消え消えの意識の中で侍女は思いました。
「まだ、まだ死んじゃダメ・・・」
侍女は小銃から弾倉をはずしました。そして手を横に振り、その弾倉を投げました。弾倉はうまくベッドの向こうに隠れました。
侍女はニヤッと笑い、
「これでよし!」
そして先に死んでしまったお側ご用人の侍従を思い出し、
「私も今からそっちに行くよ・・・ 来世では夫婦になろうね、絶対・・・」
侍女は眼をつぶりました。
廊下を歩く最後の生き残りの間者(リーダー格)。と、間者ははっとします。眼の前のドアのノブに血がこびりついてるのです。その真下の床には、たくさんの血が落ちてました。
「この部屋か?」
室内。ドアが開き、間者が入ってきました。間者は倒れてる侍女を発見しました。
「こいつ、死んでるのか?・・・」
間者は侍女の後頭部をつま先で軽く蹴りました。反応はありません。
「反応なし。死んでるな」
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