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と、ここで姫はひらめきました。
「そうだ!」
姫は侍女の赤くなった脇腹に右の掌をかざし、
「飛行魔法は封じられたけど、こっちの魔法はまだ使えるはず!
自己治癒魔法!」
と宣言。すると姫の掌から淡い光が現れました。侍従長はそれを見て、
「おお、自己治癒魔法!・・・」
と感嘆な声をあげました。が、すぐに1つの疑問が思い浮かび、頭の中でつぶやきました。
「いや、自己治癒魔法は自分にしか使えないはず。他人には使えないのでは?・・・」
姫の右掌から出ている光が消えました。姫は侍女に質問。
「どう?」
「はい、かなり楽になりました!」
姫の顔はぱっと明るくなりました。
「あは、よかった!」
しかしです。実は侍女の脇腹のケガは何1つ良くなってませんでした。侍女はウソをついたのです。
やはり侍従長の記憶通り、姫の自己治癒魔法は他人には使えない魔法だったようです。
と、ドアの向こうから会話が聞こえてきました。3人ははっとします。
宮殿内の廊下。男性2人が歩いてます。2人ともデモ隊の生き残りです。2人とも小銃を持ってますが、市井の人間のせいか、右手でグリップ、左手で銃身を持ってます。これではとっさに小銃を撃てません。
「いったい今何人生き残ってんだ、デモ隊は?」
「さあなあ・・・ もしかしたらオレたち2人だけになったかも?」
「まあ、敵もあと2~3人。なんとかなるんじゃないか・・・」
「けどなあ、肝心な女王はまだ生き残ってるんだ。あいつを殺さないと話が終わらないぞ」
と、1人の男が下の方を見てはっとしました。
「ん?」
その男がしゃがみ込みました。男の眼の前のカーペットには染みのようなものがあります。
「これ、血か?」
「え?」
もう1人もしゃがみ込んで、その染みを観察します。
「う~ん、ワインの染みじゃねぇの?」
最初にしゃがんだ男は、指先でその染みに触れました。そしてその指先を自分の眼の前に持ってきました。
「濡れてる?・・・」
それを聞いてもう1人の男がびっくり。
「ええ、じゃ、今ついたばっかり?・・・」
2人が眼を上げると、そこにはドアがありました。2人は視線と視線を合わせ、うなずきました。
リネン室。今ドアが開き、先ほどの2人のデモ隊の生き残りが入ってきました。2人は小銃を持ってますが、やはりすぐ撃てる体勢ではありません。
2人の眼が捕らえたリネン室の中は無人。
「いない、誰も?」
突然ガサッという音。2人の男はさっとそっちの方向に身体を向けます。
「そこか!?」
が、そこには誰にもいません。と、いつの間にか2人の背後に小銃を構えた侍女が立ってました。
「ここよ!」
はっとする2人。
「えっ!?」
ズババババーン! 炸裂する銃弾。
「うぎゃーっ!」
2人はあっという間に蜂の巣になってしまいました。
ガサッという物音がした場所には数個の木箱が。その背後から侍従長が現れました。
「どうやらこれで全員片付いたようじゃな」
侍女は応えます。
「いや、少なくともまだ1人は残ってますよ」
侍従長は大広間の観音開きのドアから小銃を乱射してる間者のリーダー格を思い出し、
「そう言えば、いたな・・・ あの男、間者か? 間者だったら厄介だな・・・」
別の物陰から姫が姫が現れました。姫は心配顔で侍女に質問。
「あ、あの~ ケガの方は大丈夫?」
「大丈夫です、心配はいりません!
さあ、行きましょう! 今の銃声で我々の居場所がバレたはず。残りの1人が襲って来たら大変です!」
「そうだ!」
姫は侍女の赤くなった脇腹に右の掌をかざし、
「飛行魔法は封じられたけど、こっちの魔法はまだ使えるはず!
自己治癒魔法!」
と宣言。すると姫の掌から淡い光が現れました。侍従長はそれを見て、
「おお、自己治癒魔法!・・・」
と感嘆な声をあげました。が、すぐに1つの疑問が思い浮かび、頭の中でつぶやきました。
「いや、自己治癒魔法は自分にしか使えないはず。他人には使えないのでは?・・・」
姫の右掌から出ている光が消えました。姫は侍女に質問。
「どう?」
「はい、かなり楽になりました!」
姫の顔はぱっと明るくなりました。
「あは、よかった!」
しかしです。実は侍女の脇腹のケガは何1つ良くなってませんでした。侍女はウソをついたのです。
やはり侍従長の記憶通り、姫の自己治癒魔法は他人には使えない魔法だったようです。
と、ドアの向こうから会話が聞こえてきました。3人ははっとします。
宮殿内の廊下。男性2人が歩いてます。2人ともデモ隊の生き残りです。2人とも小銃を持ってますが、市井の人間のせいか、右手でグリップ、左手で銃身を持ってます。これではとっさに小銃を撃てません。
「いったい今何人生き残ってんだ、デモ隊は?」
「さあなあ・・・ もしかしたらオレたち2人だけになったかも?」
「まあ、敵もあと2~3人。なんとかなるんじゃないか・・・」
「けどなあ、肝心な女王はまだ生き残ってるんだ。あいつを殺さないと話が終わらないぞ」
と、1人の男が下の方を見てはっとしました。
「ん?」
その男がしゃがみ込みました。男の眼の前のカーペットには染みのようなものがあります。
「これ、血か?」
「え?」
もう1人もしゃがみ込んで、その染みを観察します。
「う~ん、ワインの染みじゃねぇの?」
最初にしゃがんだ男は、指先でその染みに触れました。そしてその指先を自分の眼の前に持ってきました。
「濡れてる?・・・」
それを聞いてもう1人の男がびっくり。
「ええ、じゃ、今ついたばっかり?・・・」
2人が眼を上げると、そこにはドアがありました。2人は視線と視線を合わせ、うなずきました。
リネン室。今ドアが開き、先ほどの2人のデモ隊の生き残りが入ってきました。2人は小銃を持ってますが、やはりすぐ撃てる体勢ではありません。
2人の眼が捕らえたリネン室の中は無人。
「いない、誰も?」
突然ガサッという音。2人の男はさっとそっちの方向に身体を向けます。
「そこか!?」
が、そこには誰にもいません。と、いつの間にか2人の背後に小銃を構えた侍女が立ってました。
「ここよ!」
はっとする2人。
「えっ!?」
ズババババーン! 炸裂する銃弾。
「うぎゃーっ!」
2人はあっという間に蜂の巣になってしまいました。
ガサッという物音がした場所には数個の木箱が。その背後から侍従長が現れました。
「どうやらこれで全員片付いたようじゃな」
侍女は応えます。
「いや、少なくともまだ1人は残ってますよ」
侍従長は大広間の観音開きのドアから小銃を乱射してる間者のリーダー格を思い出し、
「そう言えば、いたな・・・ あの男、間者か? 間者だったら厄介だな・・・」
別の物陰から姫が姫が現れました。姫は心配顔で侍女に質問。
「あ、あの~ ケガの方は大丈夫?」
「大丈夫です、心配はいりません!
さあ、行きましょう! 今の銃声で我々の居場所がバレたはず。残りの1人が襲って来たら大変です!」
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