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リーダー格の間者が悔しがってます。
「くそーっ! あともう少しだったのに・・・」
すると彼の背後から声が。
「まだチャンスはあるわよ」
間者ははっとし、大きなナイフを取り出し、横目で後ろを見ます。
「誰だ!?」
そこにいたのは、箒に横乗りしたブリュンでした。間者の顔は安心顔に。
「ふ、あんたか・・・」
間者はナイフをしまいました。
ブリュン。
「近衛兵はみんな片付けておいたわよ・・・ と言いたいところなんだけどねぇ・・・」
ブリュンは自分の太ももを見ました。そこにはネッカチーフのようなものが巻かれてました。近衛兵に撃たれた箇所です。
「足を撃たれちゃって、このありさま」
「何人残ってるんだ、近衛兵は?」
「さあ?・・・」
「見てないのかよ?」
「言ったでしょ、足を撃たれたって。逃げるのがやっとだったのよ。まあ、5人も残ってないんじゃないの?」
「5人?・・・
そいつら、空中要塞のところに行くな?」
「え、なんで?」
間者は姫を思い浮かべ、次に城壁を見上げ、
「今この城内には、あの女王を守るだけの近衛兵は十分いないはず。どこからか兵を調達してこないといけないだろ?」
間者は今度は空中要塞を思い浮かべ、
「今あの空中要塞の下には1万人以上のノルン王国軍がいるらしい。その半分・・・ いや、1/10でも連れてくれば?・・・」
「じゃ、それを阻止しないといけないんじゃない?・・・」
間者はニコッと笑いました。何かいい案が思い浮かんだようです。
「ああ、そうだな!」
王宮内の廊下。廊下のどん突きには姫、侍従長、2人のお側ご用人、10人ほどの黒服姿の近衛兵がいます。側には小さな観音開きの扉があります。たった今閉ざされたばかりの扉です。
侍従長はぽつり。
「くー・・・ やはり最後にもう1回兵を巡回させておくべきだった・・・」
一方姫は顔面蒼白状態になってました。自分と関係の深い人がまた眼の前で殺されてしまった・・・
今回は将軍のときと違って姫自身に落ち度はなかったのですが、ショックは計り知れません。もうこれ以上配下の者が死ぬのは嫌だ。こうなったら・・・
姫は侍従長を見て、
「じぃ、お願い。私の飛行魔法を元に戻して!」
しかし、侍従長は姫の期待に応える気はないようです。
「できません!」
姫はむっとしました。
「なんで? なんでよ!? このままじゃ、みんな死んじゃうよ! 私が箒に乗って逃げれば、それで済むことじゃん!
私、約束するよ! あの要塞には絶対突っ込まない! 準一の仇なんか一切考えないから!」
侍従長は怒鳴ります。
「ダメと言ったらダメです!」
姫は唖然。
「な、なんでよ・・・」
と、姫は何か思いついたようです。姫は懐に右手を入れ、すぐにその手を抜きました。するとその手には軍用拳銃が握られてました。それを見てお側ご用人の2人と近衛兵たちはびっくり。
「ひ、姫!?」
姫は暴力を使って自身の魔法を取り返すつもりだ! 誰もがそう思いました。が、実際はちょっと違うようです。
「あは、わかった。あの魔法て1度かけると2度と解除できない魔法なんだ!」
姫は拳銃の銃口を侍従長の額に向けました。
「でも、私、知ってんわよ。その手の魔法て、たいてい魔法をかけた人が死ねば、自動的に解除になるってことを。つまりじぃが死ねば、この魔法はなかったことになるのよ!」
侍従長は姫が握る拳銃をにらみます。
「どうぞ撃ってください! 私はあなたが生まれたときからずーっとお世話をしてきました。おしめも交換したし、毎晩お風呂にも入れてあげました。そんな姫に殺されるんなら、私は本望です!」
それを聞いて姫はびびりました。
「う・・・」
「くそーっ! あともう少しだったのに・・・」
すると彼の背後から声が。
「まだチャンスはあるわよ」
間者ははっとし、大きなナイフを取り出し、横目で後ろを見ます。
「誰だ!?」
そこにいたのは、箒に横乗りしたブリュンでした。間者の顔は安心顔に。
「ふ、あんたか・・・」
間者はナイフをしまいました。
ブリュン。
「近衛兵はみんな片付けておいたわよ・・・ と言いたいところなんだけどねぇ・・・」
ブリュンは自分の太ももを見ました。そこにはネッカチーフのようなものが巻かれてました。近衛兵に撃たれた箇所です。
「足を撃たれちゃって、このありさま」
「何人残ってるんだ、近衛兵は?」
「さあ?・・・」
「見てないのかよ?」
「言ったでしょ、足を撃たれたって。逃げるのがやっとだったのよ。まあ、5人も残ってないんじゃないの?」
「5人?・・・
そいつら、空中要塞のところに行くな?」
「え、なんで?」
間者は姫を思い浮かべ、次に城壁を見上げ、
「今この城内には、あの女王を守るだけの近衛兵は十分いないはず。どこからか兵を調達してこないといけないだろ?」
間者は今度は空中要塞を思い浮かべ、
「今あの空中要塞の下には1万人以上のノルン王国軍がいるらしい。その半分・・・ いや、1/10でも連れてくれば?・・・」
「じゃ、それを阻止しないといけないんじゃない?・・・」
間者はニコッと笑いました。何かいい案が思い浮かんだようです。
「ああ、そうだな!」
王宮内の廊下。廊下のどん突きには姫、侍従長、2人のお側ご用人、10人ほどの黒服姿の近衛兵がいます。側には小さな観音開きの扉があります。たった今閉ざされたばかりの扉です。
侍従長はぽつり。
「くー・・・ やはり最後にもう1回兵を巡回させておくべきだった・・・」
一方姫は顔面蒼白状態になってました。自分と関係の深い人がまた眼の前で殺されてしまった・・・
今回は将軍のときと違って姫自身に落ち度はなかったのですが、ショックは計り知れません。もうこれ以上配下の者が死ぬのは嫌だ。こうなったら・・・
姫は侍従長を見て、
「じぃ、お願い。私の飛行魔法を元に戻して!」
しかし、侍従長は姫の期待に応える気はないようです。
「できません!」
姫はむっとしました。
「なんで? なんでよ!? このままじゃ、みんな死んじゃうよ! 私が箒に乗って逃げれば、それで済むことじゃん!
私、約束するよ! あの要塞には絶対突っ込まない! 準一の仇なんか一切考えないから!」
侍従長は怒鳴ります。
「ダメと言ったらダメです!」
姫は唖然。
「な、なんでよ・・・」
と、姫は何か思いついたようです。姫は懐に右手を入れ、すぐにその手を抜きました。するとその手には軍用拳銃が握られてました。それを見てお側ご用人の2人と近衛兵たちはびっくり。
「ひ、姫!?」
姫は暴力を使って自身の魔法を取り返すつもりだ! 誰もがそう思いました。が、実際はちょっと違うようです。
「あは、わかった。あの魔法て1度かけると2度と解除できない魔法なんだ!」
姫は拳銃の銃口を侍従長の額に向けました。
「でも、私、知ってんわよ。その手の魔法て、たいてい魔法をかけた人が死ねば、自動的に解除になるってことを。つまりじぃが死ねば、この魔法はなかったことになるのよ!」
侍従長は姫が握る拳銃をにらみます。
「どうぞ撃ってください! 私はあなたが生まれたときからずーっとお世話をしてきました。おしめも交換したし、毎晩お風呂にも入れてあげました。そんな姫に殺されるんなら、私は本望です!」
それを聞いて姫はびびりました。
「う・・・」
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