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姫は必死に訴えます。
「彼らもノルン王国の国民よ。どんな事情があっても、絶対撃っちゃだめ!」
広場兼庭園では弓矢をデモ参加者に配ってる男の姿がありました。やぐらの上の近衛兵はそれを見て、
「なんだ、あいつ? 弓矢を配ってるやつがいるぞ!?」
弓矢を配ってる男をアップ。実は彼はグラニ帝国の間者。少し前にブリュンに接触した間者です。透明になってるブリュンはそれを見て、
「ふふ、ナイス!」
間者は弓矢を配りながら思いました。
「万が一を考え用意しておいた弓矢がこんな形で役に立つとは、思ってもみなかったぜ!」
荷車を水路に落とされた夫婦が、この男に駆けてきました。
「オ、オラたちにも弓矢をくれ!」
男はこの夫婦に弓矢を渡し、
「ああ、いいよ! どんどん射ってくれ!」
しかし、夫は弓を射ったことがないようです。
「あちゃーっ、オラ、これ、射ったことないんだ。どうりゃいいんだ?・・・」
夫は横目で弓矢を射ってる人を見て、矢を弓に番えました。
「こうやるのか?」
夫、やぐらの上に向け矢を発射。矢はやぐらの半分くらいしか飛びませんでしたが、夫は満足顔。
「あは、こいつは面白い!」
物見やぐらでこれを見ている近衛兵は、再び姫を見て、
「もうみんなに弓矢が行き渡ってます。このままでは危険です! 銃を撃たせてください!」
けど、姫の反応は否定的。再び怒鳴ります。いや、今度は金切声です。
「だめったら、だめーっ!」
複数の矢が飛んできました。その矢が近衛兵の甲冑に次々と当たります。もちろん矢は甲冑を貫くことはできません。が、甲冑をまとってない姫にはかなり危険。侍従長は姫を見て、
「姫、ここは危険です! 避難しましょう!」
侍従長は近衛兵たちを見て、
「みんな、姫を守るんじゃ!」
「御意!」
侍従長は無理やり姫の右腕をひっぱり、出入り口へ。近衛兵たちはその2人を半円に囲みます。透明になって宙に浮いてるブリュンはそれを見て、
「ふふ、いい調子! いい調子! あ~あ、私もなんか飛び道具を持ってくればよかった・・・」
姫たちが向かう物見やぐらの出入り口から将軍が出てきました。将軍は高齢なせいか、なんとか物見やぐらのてっぺんに到達したようです。
「はぁはぁ・・・ やっと、やっと到着したぞ・・・」
次の瞬間、1本の矢が飛んできて、放物線を描き、将軍の身体へ。そして・・・ グサッ! 将軍の額に刺さりました。
「うぐっ・・・」
それは姫の眼の前の出来事。姫は唖然。
「しょ、将軍!?・・・」
将軍は何か一言発した直後、後ろにバタンと卒倒してしまいました。その場にいた一同は唖然。そして叫びました。
「将軍!」
将軍の身体を観察したお側ご用人の侍女は、みんなの顔を見て、顔を横に振りました。唖然とする姫。
「そ、そんな・・・」
コン! 近衛兵の1人の後頭部(甲冑)に矢が当たりました。
「ち・・・
ここは危険です!」
侍従長は再び姫の右二の腕を握り、
「姫、早く!」
姫は将軍の亡骸を名残惜しそうに見ながら、侍従長に曳かれていきます。そのまま出入り口の奥に消えて行きました。お側ご用人の2人もそれに続きます。近衛兵たちは顔を見合わせ、
「我々も退避しよう!」
「了解!」
近衛兵たちも物見やぐらから退きました。
これを空中から見ているブリュン。
「ふふ、こっちは放棄されたか?」
ブリュンは振り向き、もう1つの物見やぐらを見ました。
「こっちはどうなってんの?」
もう1つの物見やぐらでは、今コマンダーが1人の近衛兵にラリアットを喰らわしたところ。ぶっとい腕のラリアットを喰らって、その近衛兵は泡を吹いて卒倒します。
「ぐふぉーっ!」
「彼らもノルン王国の国民よ。どんな事情があっても、絶対撃っちゃだめ!」
広場兼庭園では弓矢をデモ参加者に配ってる男の姿がありました。やぐらの上の近衛兵はそれを見て、
「なんだ、あいつ? 弓矢を配ってるやつがいるぞ!?」
弓矢を配ってる男をアップ。実は彼はグラニ帝国の間者。少し前にブリュンに接触した間者です。透明になってるブリュンはそれを見て、
「ふふ、ナイス!」
間者は弓矢を配りながら思いました。
「万が一を考え用意しておいた弓矢がこんな形で役に立つとは、思ってもみなかったぜ!」
荷車を水路に落とされた夫婦が、この男に駆けてきました。
「オ、オラたちにも弓矢をくれ!」
男はこの夫婦に弓矢を渡し、
「ああ、いいよ! どんどん射ってくれ!」
しかし、夫は弓を射ったことがないようです。
「あちゃーっ、オラ、これ、射ったことないんだ。どうりゃいいんだ?・・・」
夫は横目で弓矢を射ってる人を見て、矢を弓に番えました。
「こうやるのか?」
夫、やぐらの上に向け矢を発射。矢はやぐらの半分くらいしか飛びませんでしたが、夫は満足顔。
「あは、こいつは面白い!」
物見やぐらでこれを見ている近衛兵は、再び姫を見て、
「もうみんなに弓矢が行き渡ってます。このままでは危険です! 銃を撃たせてください!」
けど、姫の反応は否定的。再び怒鳴ります。いや、今度は金切声です。
「だめったら、だめーっ!」
複数の矢が飛んできました。その矢が近衛兵の甲冑に次々と当たります。もちろん矢は甲冑を貫くことはできません。が、甲冑をまとってない姫にはかなり危険。侍従長は姫を見て、
「姫、ここは危険です! 避難しましょう!」
侍従長は近衛兵たちを見て、
「みんな、姫を守るんじゃ!」
「御意!」
侍従長は無理やり姫の右腕をひっぱり、出入り口へ。近衛兵たちはその2人を半円に囲みます。透明になって宙に浮いてるブリュンはそれを見て、
「ふふ、いい調子! いい調子! あ~あ、私もなんか飛び道具を持ってくればよかった・・・」
姫たちが向かう物見やぐらの出入り口から将軍が出てきました。将軍は高齢なせいか、なんとか物見やぐらのてっぺんに到達したようです。
「はぁはぁ・・・ やっと、やっと到着したぞ・・・」
次の瞬間、1本の矢が飛んできて、放物線を描き、将軍の身体へ。そして・・・ グサッ! 将軍の額に刺さりました。
「うぐっ・・・」
それは姫の眼の前の出来事。姫は唖然。
「しょ、将軍!?・・・」
将軍は何か一言発した直後、後ろにバタンと卒倒してしまいました。その場にいた一同は唖然。そして叫びました。
「将軍!」
将軍の身体を観察したお側ご用人の侍女は、みんなの顔を見て、顔を横に振りました。唖然とする姫。
「そ、そんな・・・」
コン! 近衛兵の1人の後頭部(甲冑)に矢が当たりました。
「ち・・・
ここは危険です!」
侍従長は再び姫の右二の腕を握り、
「姫、早く!」
姫は将軍の亡骸を名残惜しそうに見ながら、侍従長に曳かれていきます。そのまま出入り口の奥に消えて行きました。お側ご用人の2人もそれに続きます。近衛兵たちは顔を見合わせ、
「我々も退避しよう!」
「了解!」
近衛兵たちも物見やぐらから退きました。
これを空中から見ているブリュン。
「ふふ、こっちは放棄されたか?」
ブリュンは振り向き、もう1つの物見やぐらを見ました。
「こっちはどうなってんの?」
もう1つの物見やぐらでは、今コマンダーが1人の近衛兵にラリアットを喰らわしたところ。ぶっとい腕のラリアットを喰らって、その近衛兵は泡を吹いて卒倒します。
「ぐふぉーっ!」
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