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喬木の陰に佇むブリュン。
「しかし、思ったより早く撃ってきたわねぇ。しかも、一切警告なしに。こりゃあ、あの女王をバカにし過ぎたかな?」
と、バキューン! ブリュンの眼の前の幹に銃弾が命中。ブリュンは思わず悲鳴をあげました。
「うぎゃっ!・・・」
このままだと射殺されてしまう・・・ ブリュンはいろいろと考えました。認識除外魔法(透明魔法)を使って逃げようか?
けど、見られたらまずいよなあ、透明になる瞬間をデモ隊に・・・ 魔女だとバレたら、デモ隊の怒りはこっちに向かうはず?・・・
「ええーい、もう破れかぶれだ!」
ブリュンは宣言します。
「認識除外魔法!」
すると次の瞬間、ブリュンの姿は跡形もなく消えました。認識除外魔法です。
透明になったブリュンは、箒に横乗りになって急上昇して行きます。やぐらより高い高さに浮かび上がるのに、数秒もかかりません。
ブリュンから見た俯瞰の光景。デモ隊からも近衛兵からも、ブリュンを眼で追う人は1人もいません。ブリュンはほっとします。
「ふ、誰も見てなかったようね。ふふ、この高さなら当たらないわよね、絶対!」
やぐらの上では近衛兵たちが歯ぎしりしながら小銃を撃ってます。が、突然、
「何やってんのよ、みんな!?」
近衛兵たちがはっとして振り返ると、そこに姫が立ってました。こんなところに女王が? 近衛兵たちはびっくり。
「へ、陛下!?」
透明になって宙に浮いてるブリュンもびっくり。
「ええ、女王様があんな高い所に上がってくんの、わざわざ!?・・・」
姫はたった今やぐらの出入り口から出てきた模様。この高いやぐらを一気に駆け上がってきたらしく、かなり息を切らしてます。その状態で歩きます。
「いったい何を撃ってんの?」
姫は手摺に手を掛け、下を見ます。そこにはたくさんの射殺体が。中には小さな子どもの死体も。姫は愕然。
「わ、私が命がけで調達してきた銃が、こんなことに使われてんの?・・・」
近衛兵の何人かが姫に話しかけます。
「やつら、陛下の罵詈雑言を言いながらここでデモしてたんですよ!」
「完全に不敬罪の行為でした。だから制裁を!」
姫は振り返り、近衛兵を見て、激怒。
「だからって、殺すことはないでしょ!? 子どもだっているじゃないの!」
「しかし・・・」
ここで姫の耳に銃声が届きました。姫が銃声の方向を見ると、もう1つの物見やぐらでも近衛兵たちが小銃を撃ってました。姫は唖然。
「ええ?・・・」
ここでやぐらの出入り口から侍従長とヒャッハーなコマンダーとお側ご用人の2人が現れました。
「ひ、ひ、姫・・・」
侍従長は苦しそう。姫以上にハァハァと荒い息。コマンダーとお側ご用人の2人は、心配そうに侍従長をのぞき込んでます。
「だ、大丈夫ですか?」
姫はもう1つの物見やぐらを指差し、
「じぃ、向こうのやぐらの兵隊を止めて!」
侍従長は荒い息でなんとか応えました。
「ぎょ、御意・・・」
侍従長はコマンダーを見て、
「お、お前、行って来てくれないか?・・・」
コマンダーは元気そう。
「わかりました!」
コマンダーはやぐらの出入り口に消えていきました。次の瞬間、矢が飛んできて、姫の眼の前をかすめ、壁に跳ね返りました。びっくりする侍従長。
「姫!」
「私は大丈夫!」
近衛兵たちが下を見ると、デモ隊の数人が弓矢を構えてます。近衛兵たちは再び広場兼庭園に小銃を向けました。
「くそーっ!」
「やつら、いつの間に矢を?」
「どこから調達してきたんだ?」
姫はそれを見て慌てます。
「やめてって、銃は!」
小銃を構えた近衛兵たちは、顔だけ姫の方に向け、
「しかし・・・」
「しかし、思ったより早く撃ってきたわねぇ。しかも、一切警告なしに。こりゃあ、あの女王をバカにし過ぎたかな?」
と、バキューン! ブリュンの眼の前の幹に銃弾が命中。ブリュンは思わず悲鳴をあげました。
「うぎゃっ!・・・」
このままだと射殺されてしまう・・・ ブリュンはいろいろと考えました。認識除外魔法(透明魔法)を使って逃げようか?
けど、見られたらまずいよなあ、透明になる瞬間をデモ隊に・・・ 魔女だとバレたら、デモ隊の怒りはこっちに向かうはず?・・・
「ええーい、もう破れかぶれだ!」
ブリュンは宣言します。
「認識除外魔法!」
すると次の瞬間、ブリュンの姿は跡形もなく消えました。認識除外魔法です。
透明になったブリュンは、箒に横乗りになって急上昇して行きます。やぐらより高い高さに浮かび上がるのに、数秒もかかりません。
ブリュンから見た俯瞰の光景。デモ隊からも近衛兵からも、ブリュンを眼で追う人は1人もいません。ブリュンはほっとします。
「ふ、誰も見てなかったようね。ふふ、この高さなら当たらないわよね、絶対!」
やぐらの上では近衛兵たちが歯ぎしりしながら小銃を撃ってます。が、突然、
「何やってんのよ、みんな!?」
近衛兵たちがはっとして振り返ると、そこに姫が立ってました。こんなところに女王が? 近衛兵たちはびっくり。
「へ、陛下!?」
透明になって宙に浮いてるブリュンもびっくり。
「ええ、女王様があんな高い所に上がってくんの、わざわざ!?・・・」
姫はたった今やぐらの出入り口から出てきた模様。この高いやぐらを一気に駆け上がってきたらしく、かなり息を切らしてます。その状態で歩きます。
「いったい何を撃ってんの?」
姫は手摺に手を掛け、下を見ます。そこにはたくさんの射殺体が。中には小さな子どもの死体も。姫は愕然。
「わ、私が命がけで調達してきた銃が、こんなことに使われてんの?・・・」
近衛兵の何人かが姫に話しかけます。
「やつら、陛下の罵詈雑言を言いながらここでデモしてたんですよ!」
「完全に不敬罪の行為でした。だから制裁を!」
姫は振り返り、近衛兵を見て、激怒。
「だからって、殺すことはないでしょ!? 子どもだっているじゃないの!」
「しかし・・・」
ここで姫の耳に銃声が届きました。姫が銃声の方向を見ると、もう1つの物見やぐらでも近衛兵たちが小銃を撃ってました。姫は唖然。
「ええ?・・・」
ここでやぐらの出入り口から侍従長とヒャッハーなコマンダーとお側ご用人の2人が現れました。
「ひ、ひ、姫・・・」
侍従長は苦しそう。姫以上にハァハァと荒い息。コマンダーとお側ご用人の2人は、心配そうに侍従長をのぞき込んでます。
「だ、大丈夫ですか?」
姫はもう1つの物見やぐらを指差し、
「じぃ、向こうのやぐらの兵隊を止めて!」
侍従長は荒い息でなんとか応えました。
「ぎょ、御意・・・」
侍従長はコマンダーを見て、
「お、お前、行って来てくれないか?・・・」
コマンダーは元気そう。
「わかりました!」
コマンダーはやぐらの出入り口に消えていきました。次の瞬間、矢が飛んできて、姫の眼の前をかすめ、壁に跳ね返りました。びっくりする侍従長。
「姫!」
「私は大丈夫!」
近衛兵たちが下を見ると、デモ隊の数人が弓矢を構えてます。近衛兵たちは再び広場兼庭園に小銃を向けました。
「くそーっ!」
「やつら、いつの間に矢を?」
「どこから調達してきたんだ?」
姫はそれを見て慌てます。
「やめてって、銃は!」
小銃を構えた近衛兵たちは、顔だけ姫の方に向け、
「しかし・・・」
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