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2人の前方に灯が見えてきました。
「ん、なんだ、あの光は?」
「たいまつか?」
灯が近づいてきました。その正体に気づいて2人はびっくり、そして唖然。
「な、なんだ、あいつら?」
それは国境警備隊を務めてるヒャッハーな連中でした。1人1人が馬に乗ってこっちに駆けてきます。約30人くらいか? 何人かはたいまつを持ってます。
「うわーっ!」
2人はこの連中に襲われると思い、思わず悲鳴をあげました。が、ヒャッハーな連中が乗った馬は一列になり、馬車とすれ違っていきました。2人は後ろを見て、
「なんなんだ、あついら?・・・」
先頭の馬に乗ってるヒャッハーな男。
「やっとオレたちの出番が来た! オレたちゃ先代の王様に生かしてもらったんだ。命を賭けても女王様を守り抜くぞ!」
後ろのヒャッハーな連中が呼応します。
「おーっ!」
さらに夜は更けてきました。王宮の上には月が出ています。いびつな形の月です。
王宮内の一室。侍従長と将軍が説明してます。ブリーフィングです。この2人から少し離れた位置に姫が立ってます。その両側にはお側ご用人の2人が小銃を持って立ってます。
侍従長と将軍の前には10人弱の男が立っていて、このブリーフィングを聞いてます。中にはヒャッハーなコマンダーがいます。それ以外は黒ずくめのユニホーム。まるで忍者。
実は彼らは近衛兵。いつもの煌びやかな甲冑とは違う戦闘服をまとってました。
将軍が発言してます。
「決行は午前0時、皆の者、よろしく頼む!」
全員一斉に応答します。
「御意!」
コマンダーはニヤッとしてぽつり。
「ふふ、0時なら国境警備隊の連中も駆け付けてるはず!」
それを聞いて将軍は渋い顔をしました。あんな連中がいたら返って目立ってしまうからです。
今回の作戦はひそやかに行わなければいけないので将軍は彼らの行動を止めたいところなのですが、何分彼らは愚連隊。ヘタに止めたら何をされるのかわかりません。ここは運を天に任せるしかないのです。
姫が深々と頭を下げました。
「みなさん、よろしくお願いします」
姫は女王。女王はこんなに頭が低いはずがないのですが、先代の王だった祖父と侍従長の教育が行き届いてるようで、謙虚になってます。
近衛兵全員が厳しい顔で返答。
「御意!」
ここで遠くから異音が。銃声です。かなりの数の銃声です。びっくりする侍従長。
「じゅ、銃声? なんじゃ、これは?・・・」
姫もはっとしてます。
「この音は?・・・」
姫はドアを開け、部屋を飛び出していきました。侍従長はびっくり。
「ど、どこに行くんですか、姫!?」
この王宮はぐるーっと堀に囲まれていて、そのすぐ内側は城壁。いつもは堀の上に設置されてる跳ね橋は城壁に収納されてました。
跳ね橋の両側には、城壁に付随するように物見やぐらが2塔あり、その頂上では複数の近衛兵が自衛隊の小銃を連射してます。
堀の向こうは広場兼庭園。さきほどブリュンに導かれていたデモ隊がいます。そのデモ隊が次々と小銃の弾丸に倒されてます。阿鼻叫喚状態。
デモ隊の中には、数時間前水路に荷車を落とされた夫婦とその子どもたちもいます。この一家は庭園の灌木の向こうで小さくなってました。苦し紛れに夫が叫びます。
「くそーっ、なんなんだよ、これーっ!」
子どもたちは泣き叫んでます。しかし・・・ この子たち、なんかいつも泣き叫んでるような?
数少ない喬木の陰にはブリュンがいます。ブリュンは歯ぎしり。
「これが突撃銃の威力なの?・・・ なんとなくわかってたけど、これは思った以上ね・・・」
「ん、なんだ、あの光は?」
「たいまつか?」
灯が近づいてきました。その正体に気づいて2人はびっくり、そして唖然。
「な、なんだ、あいつら?」
それは国境警備隊を務めてるヒャッハーな連中でした。1人1人が馬に乗ってこっちに駆けてきます。約30人くらいか? 何人かはたいまつを持ってます。
「うわーっ!」
2人はこの連中に襲われると思い、思わず悲鳴をあげました。が、ヒャッハーな連中が乗った馬は一列になり、馬車とすれ違っていきました。2人は後ろを見て、
「なんなんだ、あついら?・・・」
先頭の馬に乗ってるヒャッハーな男。
「やっとオレたちの出番が来た! オレたちゃ先代の王様に生かしてもらったんだ。命を賭けても女王様を守り抜くぞ!」
後ろのヒャッハーな連中が呼応します。
「おーっ!」
さらに夜は更けてきました。王宮の上には月が出ています。いびつな形の月です。
王宮内の一室。侍従長と将軍が説明してます。ブリーフィングです。この2人から少し離れた位置に姫が立ってます。その両側にはお側ご用人の2人が小銃を持って立ってます。
侍従長と将軍の前には10人弱の男が立っていて、このブリーフィングを聞いてます。中にはヒャッハーなコマンダーがいます。それ以外は黒ずくめのユニホーム。まるで忍者。
実は彼らは近衛兵。いつもの煌びやかな甲冑とは違う戦闘服をまとってました。
将軍が発言してます。
「決行は午前0時、皆の者、よろしく頼む!」
全員一斉に応答します。
「御意!」
コマンダーはニヤッとしてぽつり。
「ふふ、0時なら国境警備隊の連中も駆け付けてるはず!」
それを聞いて将軍は渋い顔をしました。あんな連中がいたら返って目立ってしまうからです。
今回の作戦はひそやかに行わなければいけないので将軍は彼らの行動を止めたいところなのですが、何分彼らは愚連隊。ヘタに止めたら何をされるのかわかりません。ここは運を天に任せるしかないのです。
姫が深々と頭を下げました。
「みなさん、よろしくお願いします」
姫は女王。女王はこんなに頭が低いはずがないのですが、先代の王だった祖父と侍従長の教育が行き届いてるようで、謙虚になってます。
近衛兵全員が厳しい顔で返答。
「御意!」
ここで遠くから異音が。銃声です。かなりの数の銃声です。びっくりする侍従長。
「じゅ、銃声? なんじゃ、これは?・・・」
姫もはっとしてます。
「この音は?・・・」
姫はドアを開け、部屋を飛び出していきました。侍従長はびっくり。
「ど、どこに行くんですか、姫!?」
この王宮はぐるーっと堀に囲まれていて、そのすぐ内側は城壁。いつもは堀の上に設置されてる跳ね橋は城壁に収納されてました。
跳ね橋の両側には、城壁に付随するように物見やぐらが2塔あり、その頂上では複数の近衛兵が自衛隊の小銃を連射してます。
堀の向こうは広場兼庭園。さきほどブリュンに導かれていたデモ隊がいます。そのデモ隊が次々と小銃の弾丸に倒されてます。阿鼻叫喚状態。
デモ隊の中には、数時間前水路に荷車を落とされた夫婦とその子どもたちもいます。この一家は庭園の灌木の向こうで小さくなってました。苦し紛れに夫が叫びます。
「くそーっ、なんなんだよ、これーっ!」
子どもたちは泣き叫んでます。しかし・・・ この子たち、なんかいつも泣き叫んでるような?
数少ない喬木の陰にはブリュンがいます。ブリュンは歯ぎしり。
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