リトルクイーンのいけない魔法(R18+)

のどか

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 逃げているグラニ帝国軍の兵たちをモニターで見て、ナルヴィはさらに怒り心頭に。
「なんなんだよ、こいつら!? どいつもこいつも腑抜けやがって!」
 その兵たちが一斉にもんどりうって倒れました。
「ふぎゃーっ!」
 それを見て、不思議がるナルヴィ。
「な、何が起きた?」
 その背後から3人のノルン王国軍の兵が現れました。3人とも自衛隊の小銃を構えてます。
 それを見たナルヴィの顔は、一瞬で血の気が引きました。
「たった3人!? たった3人にやられたのか!? ほんの一瞬だったぞ!?」
 ブリュンが応えます。
「それが突撃銃アサルトライフルですよ。これでわかりましたか?」
 ほぞを噛むナルヴィ。
「うぐぐ~・・・」
 3人のノルン王国軍の兵の1人がモニターこちらに向け、小銃を発射。するとそのモニターが一瞬で真っ青になりました。ナルヴィはびっくり。
「こ、今度はなんだ? 何が起きたんだ?」
 技術者が応えます。
「どうやらカメラを撃たれたようですね」
 ナルヴィは唖然。
「あ、あんな遠くから? 王宮ではなんともなかったろ?・・・」
 ブリュンが応えます。
「あん時はこの要塞がとてつもなく高いところを飛んでたから、銃弾タマが届かなかったんですよ。この距離なら十分届きますよ」
 ブリュンの顔が焦りに変わりました。
「うぐぐ・・・」
 別のモニターを見ると、すぐ側までノルン王国の兵たちが迫ってました。もちろん小銃をこちらに向けてます。
「ちっ、やつら、もうそこまで来てるじゃないか! あんなのが1人でもこの要塞に入ったら・・・」
 ナルヴィはコンソールの前に座ってる兵に命令。
「大至急浮上しろ!」
 コンソールの前に座ってた兵たちはびっくり。
「ええ?」
「早く浮上しろと言ってんだよ!」
「し、しかし、まだ帰ってない兵がたくさん・・・」
「ほっとけ! やつら、みんな奴隷だろ! 正規軍は1人もいないんだ! 今すぐ浮上しろ!」
「・・・わ、わかりました!」

 ギュンギュンギュンギュン 機械音が一気に高まり、空中要塞が急浮上し始めました。逃げ帰ってきたグラニ帝国軍の兵たちはびっくり、または唖然。
「お、おい、オレたちを置いてくつもりかよ!?」
 ゲートの先端はすでに地面を離れ、腰くらいの高さになってます。それにしがみつくグラニ帝国軍の兵たち。
「こんなところに取り残されてたまるかーっ!」
 追ってきたノルン王国軍の兵数人が小銃を連射。ゲートにしがみついていた敵兵は、みんな撃ち落とされてしまいました。
「うぎゃ~!」
 さらにノルン王国軍兵士の1人が突進。上昇中のゲートの先端に飛びつこうとします。
「逃がすかーっ!」
 ゲートの先端は地面より2m50cmくらいの高さ。兵の指はぎりぎり届きませんでした。ほぞを噛む兵。
「ちっ・・・」
 ノルン王国軍兵士たちは、上空に向かって小銃を一斉射撃。
「くそーっ、逃がすかよ!」
 空中要塞の底辺に次々と着弾。が、底辺は硬く、銃弾はすべて弾かれてしまいました。
 空中要塞はあっという間に大空高く舞い上がりました。もう銃弾が届かない距離。ほぞを噛むノルン王国軍の兵たち。
「ちっ!・・・」

 空中要塞コントロールルーム。ナルヴィはモニターを見てほっとしてます。
「ふーっ、助かったぁ・・・」

 地上に取り残されてしまったグラニ帝国軍の兵たちは、完全に戦意喪失。武器をすべて放り出しました。
 小銃を構えじりじりと寄って来るノルン王国軍の兵たち。焦るグラニ帝国軍の兵たち。
「うう・・・」
 何人かは意を翻《ひるがえ》し、一度は地面に捨てた刀剣を拾い上げ、または拳でノルン王国軍の兵に突っ込んで行きます。
「うぉーっ!」
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