97 / 143
97
しおりを挟む
この技術者、空中要塞そのものを造ることができますが、武器を始め、搭載する装備は何一つ造れないのです。
技術者のアドバイスを聞いたナルヴィは残念そう。
「むむ、そうか?・・・ 威力偵察を考えたが、ちょっと浅はかだったか?・・・」
技術者は威力偵察て言葉にピーンときました。
「威力偵察? では、郊外の草原に降りてみてはいかがですか? そこで兵を降ろして街に侵攻させれば・・・」
「うむ、それはいい考えだな。よーし、皆の者、郊外に向かうぞ!」
コンソールの兵たちが一斉に応えました。
「了解!」
宮殿の上に浮いていた空中要塞が移動開始しました。
王宮の姫が籠ってる部屋。今回は2人のお側ご用人も室内にいます。2人とも姫が自衛隊から奪ってきた小銃を握ってます。
姫は立ったまま、窓の外の空中要塞をにらんでます。動き出した要塞を見て、右手をぎゅっと握りしめました。
「く~・・・」
そして、
「私、やっぱ行く!」
すると侍女が姫の眼の前に立ち、大声を発します。
「なりません!」
姫も怒鳴ります。
「いいえ、私は行きます! どいて!」
侍女は小銃の銃口を姫に向けました。
「姫、それ以上動いたら撃ちますよ!」
それを見て侍従はびっくり。
「ええ~?・・・」
けど、姫は落ち着いてます。
「お側ご用人が私を撃つっていうの? あは、撃てばいいさ! 撃ったら私も報復するから!」
「報復? 何を?」
「あなたたちの結婚を祝福しない!」
思ってもみなかった応え。プッ! 侍女は思わず吹き出してしまいました。
姫はローブに右手を突っ込みました。そしてそこから自動式拳銃を取り出しました。そう、ブリュンの弟子ヒルドを射殺した拳銃です。そして侍女にその銃口を向けました。
「ねぇ、どっちが本気か、試してみよっか?」
「うう・・・」
さすがに侍女も、フリーズしてしまいました。
「ふふ、な~んだ。その程度の覚悟だったんだ~?・・・」
姫はふっと笑うと、拳銃を眼の前のテーブルに置き、右手を前に突き出しました。そして宣言。
「出でよ、箒!」
すると箒が現れ、姫の右手に握られました。それを見た侍女はあせります。
「何やってんのよ、私? 私、お側ご用人でしょ? 姫をこのまま行かせちゃっていいの?・・・」
姫は観音開きのガラス戸を右手だけで器用に開けました。そして再び拳銃を握り、ローブ内に仕舞い、箒に跨ろうとします。
「くっ! やむなし!」
侍女は小銃の銃口を再び姫に向けました。側にいた侍従は、ただの脅しだろうと思ったのですが・・・
バーン! 侍女の小銃は、弾丸を1発発射。その弾丸が姫の耳の近くを通過。背後の壁に炸裂しました。
ガクン! 初めて聞く銃弾がかすめる音に、姫は思わず腰を抜かしてしまいました。侍従は口を開けたままになってしまいました。
「ええ~?・・・」
突然ドアが開き、侍従長と2人の小銃を持った近衛兵が入ってきました。
「何事じゃ!」
姫に小銃を向けたままの侍女。その銃口の先の壁についた銃痕。小銃からはまだ煙が出ています。それを見た近衛兵の1人が、持っていた小銃を侍女に向けました。
「キサマ、姫に何をした!?」
が、侍従長がその銃口を上から押さえつけました。
「待てぃ!」
侍従長は2人の近衛兵を見て、
「ここからは大事な話になる。悪いが退室してもらうぞ!」
2人の近衛兵は顔を見合わせ、そして侍従長を見ました。
「御意!」
2人は出ていきました。バタン! 閉まるドア。
侍従長は足下に落ちてる箒を見て、さらに開いた窓を見て、
「出て行こうとしたのか、姫は、箒に乗って?」
侍女が応えます。
「御意!」
技術者のアドバイスを聞いたナルヴィは残念そう。
「むむ、そうか?・・・ 威力偵察を考えたが、ちょっと浅はかだったか?・・・」
技術者は威力偵察て言葉にピーンときました。
「威力偵察? では、郊外の草原に降りてみてはいかがですか? そこで兵を降ろして街に侵攻させれば・・・」
「うむ、それはいい考えだな。よーし、皆の者、郊外に向かうぞ!」
コンソールの兵たちが一斉に応えました。
「了解!」
宮殿の上に浮いていた空中要塞が移動開始しました。
王宮の姫が籠ってる部屋。今回は2人のお側ご用人も室内にいます。2人とも姫が自衛隊から奪ってきた小銃を握ってます。
姫は立ったまま、窓の外の空中要塞をにらんでます。動き出した要塞を見て、右手をぎゅっと握りしめました。
「く~・・・」
そして、
「私、やっぱ行く!」
すると侍女が姫の眼の前に立ち、大声を発します。
「なりません!」
姫も怒鳴ります。
「いいえ、私は行きます! どいて!」
侍女は小銃の銃口を姫に向けました。
「姫、それ以上動いたら撃ちますよ!」
それを見て侍従はびっくり。
「ええ~?・・・」
けど、姫は落ち着いてます。
「お側ご用人が私を撃つっていうの? あは、撃てばいいさ! 撃ったら私も報復するから!」
「報復? 何を?」
「あなたたちの結婚を祝福しない!」
思ってもみなかった応え。プッ! 侍女は思わず吹き出してしまいました。
姫はローブに右手を突っ込みました。そしてそこから自動式拳銃を取り出しました。そう、ブリュンの弟子ヒルドを射殺した拳銃です。そして侍女にその銃口を向けました。
「ねぇ、どっちが本気か、試してみよっか?」
「うう・・・」
さすがに侍女も、フリーズしてしまいました。
「ふふ、な~んだ。その程度の覚悟だったんだ~?・・・」
姫はふっと笑うと、拳銃を眼の前のテーブルに置き、右手を前に突き出しました。そして宣言。
「出でよ、箒!」
すると箒が現れ、姫の右手に握られました。それを見た侍女はあせります。
「何やってんのよ、私? 私、お側ご用人でしょ? 姫をこのまま行かせちゃっていいの?・・・」
姫は観音開きのガラス戸を右手だけで器用に開けました。そして再び拳銃を握り、ローブ内に仕舞い、箒に跨ろうとします。
「くっ! やむなし!」
侍女は小銃の銃口を再び姫に向けました。側にいた侍従は、ただの脅しだろうと思ったのですが・・・
バーン! 侍女の小銃は、弾丸を1発発射。その弾丸が姫の耳の近くを通過。背後の壁に炸裂しました。
ガクン! 初めて聞く銃弾がかすめる音に、姫は思わず腰を抜かしてしまいました。侍従は口を開けたままになってしまいました。
「ええ~?・・・」
突然ドアが開き、侍従長と2人の小銃を持った近衛兵が入ってきました。
「何事じゃ!」
姫に小銃を向けたままの侍女。その銃口の先の壁についた銃痕。小銃からはまだ煙が出ています。それを見た近衛兵の1人が、持っていた小銃を侍女に向けました。
「キサマ、姫に何をした!?」
が、侍従長がその銃口を上から押さえつけました。
「待てぃ!」
侍従長は2人の近衛兵を見て、
「ここからは大事な話になる。悪いが退室してもらうぞ!」
2人の近衛兵は顔を見合わせ、そして侍従長を見ました。
「御意!」
2人は出ていきました。バタン! 閉まるドア。
侍従長は足下に落ちてる箒を見て、さらに開いた窓を見て、
「出て行こうとしたのか、姫は、箒に乗って?」
侍女が応えます。
「御意!」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる