リトルクイーンのいけない魔法(R18+)

のどか

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 この技術者、空中要塞そのものを造ることができますが、武器を始め、搭載する装備は何一つ造れないのです。
 技術者のアドバイスを聞いたナルヴィは残念そう。
「むむ、そうか?・・・ 威力偵察を考えたが、ちょっと浅はかだったか?・・・」
 技術者は威力偵察て言葉にピーンときました。
「威力偵察? では、郊外の草原に降りてみてはいかがですか? そこで兵を降ろして街に侵攻させれば・・・」
「うむ、それはいい考えだな。よーし、皆の者、郊外に向かうぞ!」
 コンソールの兵たちが一斉に応えました。
「了解!」
 宮殿の上に浮いていた空中要塞が移動開始しました。

 王宮の姫が籠ってる部屋。今回は2人のお側ご用人も室内にいます。2人とも姫が自衛隊から奪ってきた小銃を握ってます。
 姫は立ったまま、窓の外の空中要塞をにらんでます。動き出した要塞を見て、右手をぎゅっと握りしめました。
「く~・・・」
 そして、
「私、やっぱ行く!」
 すると侍女が姫の眼の前に立ち、大声を発します。
「なりません!」
 姫も怒鳴ります。
「いいえ、私は行きます! どいて!」
 侍女は小銃の銃口を姫に向けました。
「姫、それ以上動いたら撃ちますよ!」
 それを見て侍従はびっくり。
「ええ~?・・・」
 けど、姫は落ち着いてます。
「お側ご用人が私を撃つっていうの? あは、撃てばいいさ! 撃ったら私も報復するから!」
「報復? 何を?」
「あなたたちの結婚を祝福しない!」
 思ってもみなかった応え。プッ! 侍女は思わず吹き出してしまいました。
 姫はローブに右手を突っ込みました。そしてそこから自動式拳銃を取り出しました。そう、ブリュンの弟子ヒルドを射殺した拳銃です。そして侍女にその銃口を向けました。
「ねぇ、どっちが本気か、試してみよっか?」
「うう・・・」
 さすがに侍女も、フリーズしてしまいました。
「ふふ、な~んだ。その程度の覚悟だったんだ~?・・・」
 姫はふっと笑うと、拳銃を眼の前のテーブルに置き、右手を前に突き出しました。そして宣言。
「出でよ、箒!」
 すると箒が現れ、姫の右手に握られました。それを見た侍女はあせります。
「何やってんのよ、私? 私、お側ご用人でしょ? 姫をこのまま行かせちゃっていいの?・・・」
 姫は観音開きのガラス戸を右手だけで器用に開けました。そして再び拳銃を握り、ローブ内に仕舞い、箒に跨ろうとします。
「くっ! やむなし!」
 侍女は小銃の銃口を再び姫に向けました。側にいた侍従は、ただの脅しだろうと思ったのですが・・・
 バーン! 侍女の小銃は、弾丸を1発発射。その弾丸が姫の耳の近くを通過。背後の壁に炸裂しました。
 ガクン! 初めて聞く銃弾がかすめる音に、姫は思わず腰を抜かしてしまいました。侍従は口を開けたままになってしまいました。
「ええ~?・・・」
 突然ドアが開き、侍従長と2人の小銃を持った近衛兵が入ってきました。
「何事じゃ!」
 姫に小銃を向けたままの侍女。その銃口の先の壁についた銃痕。小銃からはまだ煙が出ています。それを見た近衛兵の1人が、持っていた小銃を侍女に向けました。
「キサマ、姫に何をした!?」
 が、侍従長がその銃口を上から押さえつけました。
「待てぃ!」
 侍従長は2人の近衛兵を見て、
「ここからは大事な話になる。悪いが退室してもらうぞ!」
 2人の近衛兵は顔を見合わせ、そして侍従長を見ました。
「御意!」
 2人は出ていきました。バタン! 閉まるドア。
 侍従長は足下に落ちてる箒を見て、さらに開いた窓を見て、
「出て行こうとしたのか、姫は、箒に乗って?」
 侍女が応えます。
「御意!」
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