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実はこの人物、未来からやってきた技術者。この空中要塞を設計、建造した人物なのです。
コントロールルームの中央奥には艦長席のような玉座があり、そこにグラニ帝国第2皇子ナルヴィが座ってます。さらにその横には、魔女ブリュンがいます。ナルヴィは不気味に笑います。
「ふふ・・・」
王宮内の部屋では、侍従長とヒャッハーなコマンダーと年老いた将軍が並んで窓の外に見える空中要塞を見て、唖然としてました。
「な、なんじゃ、あれは!?」
姫が籠ってる部屋。姫は何かを感じ、立ち上がり、窓の外を見ました。そしてびっくり。
「な、何、あれ?・・・」
その部屋のドアがガチャッと開き、お側ご用人の侍従が空中要塞が入ってきました。彼も窓の外を見て、びっくり。
「ええ~!?・・・」
侍女も入室してきました。侍女も窓の向こうの空中要塞を見てびっくり。
「あ・・・ あれ、どうやって浮いてんの?・・・」
空中要塞はゆっくりと王宮に向かいます。王宮の中から20人ほどの近衛兵がテラスに出てきました。全員姫が自衛隊から盗んできた小銃を持ってます。近衛兵のリーダーが号令。
「構え!」
全近衛兵が小銃を構えます。
「撃てーっ!」
全員同時に銃爪を引きました。轟音が響き、ガンスモークが漂います。が、空中要塞に変化はありません。
リーダー格の近衛兵は悔しがります。
「くそーっ! 弾丸が届いてないのか?・・・
いったいなんなんだ、あれは!? なんで宙に浮いてるんだ!?」
空中要塞のコントロールルームのモニターの1つに、この一斉射撃が映ってます。ナルヴィは立ち上がり、これを興味深く見ました。
「なんだ、これは?」
ブリュンが応えます。
「突撃銃ですよ」
「突撃銃? あんなものに我が軍の精鋭がやられたというのか?
空中要塞の上に兵を出せ! やつらに矢の雨を降らせるんだ!」
その命令にブリュンは否定的。
「皇子様、それは辞めておいた方がいいんじゃ?」
「ん、なぜだ?」
「下界にいる者は、この空中要塞ははるか未来のオーバーテクノロジーで造られたと思ってますよ。まあ、現実にそうなんですが。そんな空中要塞からこの時代の矢が飛んで来たら、空中要塞の脅威が半減するんじゃないですか?
それに矢は風に流される可能性があります。ここから矢を放ったって、当たりませんよ」
「むむ、そっか?・・・」
「それより、あの声明文を読んでみたらいかがですか?」
「おお、あれか!?」
ナルヴィは立ち上がり、コンソールの前に座ってる兵の1人の背後に立ち、話しかけました。
「おい、マイクとやらを出せ!」
その兵は立ち上がり、マイクを持ち、ナルヴィに恭《うやうや》しく渡します。
「どうぞ」
ナルヴィは横目でブリュンを見て、
「こいつに話しかけると・・・」
宮殿のテラス。ナルヴィの声が響いてます。
「私の声が何百倍にもなり、下界に響くんだな」
それを聞いて小銃を構えていたノルン王国の近衛兵たちが唖然とします。
「な、なんだ、この声は?・・・」
侍従長、ヒャッハーなコマンダー、将軍、お側ご用人の2人、空中要塞を見上げてる市中の人々も唖然としてます。
それらの人々が空中要塞のコントロールルームのモニターに映し出されてます。ブリュンはそれを見て、ナルヴィに話しかけました。
「皇子様、もう市中に声が流れてますよ、皇子様の声が」
「ん? あ? そ、そうか?・・・」
ナルヴィは紙片を取り出し、それをチラ見しながらマイクに話しかけました。
「ああ、んん! ノルン王国の諸君、私はグラニ帝国第2皇子ナルヴィだ!」
コントロールルームの中央奥には艦長席のような玉座があり、そこにグラニ帝国第2皇子ナルヴィが座ってます。さらにその横には、魔女ブリュンがいます。ナルヴィは不気味に笑います。
「ふふ・・・」
王宮内の部屋では、侍従長とヒャッハーなコマンダーと年老いた将軍が並んで窓の外に見える空中要塞を見て、唖然としてました。
「な、なんじゃ、あれは!?」
姫が籠ってる部屋。姫は何かを感じ、立ち上がり、窓の外を見ました。そしてびっくり。
「な、何、あれ?・・・」
その部屋のドアがガチャッと開き、お側ご用人の侍従が空中要塞が入ってきました。彼も窓の外を見て、びっくり。
「ええ~!?・・・」
侍女も入室してきました。侍女も窓の向こうの空中要塞を見てびっくり。
「あ・・・ あれ、どうやって浮いてんの?・・・」
空中要塞はゆっくりと王宮に向かいます。王宮の中から20人ほどの近衛兵がテラスに出てきました。全員姫が自衛隊から盗んできた小銃を持ってます。近衛兵のリーダーが号令。
「構え!」
全近衛兵が小銃を構えます。
「撃てーっ!」
全員同時に銃爪を引きました。轟音が響き、ガンスモークが漂います。が、空中要塞に変化はありません。
リーダー格の近衛兵は悔しがります。
「くそーっ! 弾丸が届いてないのか?・・・
いったいなんなんだ、あれは!? なんで宙に浮いてるんだ!?」
空中要塞のコントロールルームのモニターの1つに、この一斉射撃が映ってます。ナルヴィは立ち上がり、これを興味深く見ました。
「なんだ、これは?」
ブリュンが応えます。
「突撃銃ですよ」
「突撃銃? あんなものに我が軍の精鋭がやられたというのか?
空中要塞の上に兵を出せ! やつらに矢の雨を降らせるんだ!」
その命令にブリュンは否定的。
「皇子様、それは辞めておいた方がいいんじゃ?」
「ん、なぜだ?」
「下界にいる者は、この空中要塞ははるか未来のオーバーテクノロジーで造られたと思ってますよ。まあ、現実にそうなんですが。そんな空中要塞からこの時代の矢が飛んで来たら、空中要塞の脅威が半減するんじゃないですか?
それに矢は風に流される可能性があります。ここから矢を放ったって、当たりませんよ」
「むむ、そっか?・・・」
「それより、あの声明文を読んでみたらいかがですか?」
「おお、あれか!?」
ナルヴィは立ち上がり、コンソールの前に座ってる兵の1人の背後に立ち、話しかけました。
「おい、マイクとやらを出せ!」
その兵は立ち上がり、マイクを持ち、ナルヴィに恭《うやうや》しく渡します。
「どうぞ」
ナルヴィは横目でブリュンを見て、
「こいつに話しかけると・・・」
宮殿のテラス。ナルヴィの声が響いてます。
「私の声が何百倍にもなり、下界に響くんだな」
それを聞いて小銃を構えていたノルン王国の近衛兵たちが唖然とします。
「な、なんだ、この声は?・・・」
侍従長、ヒャッハーなコマンダー、将軍、お側ご用人の2人、空中要塞を見上げてる市中の人々も唖然としてます。
それらの人々が空中要塞のコントロールルームのモニターに映し出されてます。ブリュンはそれを見て、ナルヴィに話しかけました。
「皇子様、もう市中に声が流れてますよ、皇子様の声が」
「ん? あ? そ、そうか?・・・」
ナルヴィは紙片を取り出し、それをチラ見しながらマイクに話しかけました。
「ああ、んん! ノルン王国の諸君、私はグラニ帝国第2皇子ナルヴィだ!」
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