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保母の質問。
「いくらなんでも早過ぎるんじゃないですか?」
姫は応えます。
「子孫を残すことも王の大事な仕事です。今この国の王室のファミリーは私1人だけになってしまいました。
私がいなくなったらこの国の王家は途絶えてしまいます。そうなったらノルン王国も終わってしまいます。だから一刻も早く子どもを作らないといけないんですよ」
「た、大変なんですね・・・」
「孤児院の経営と比べたら、ずーっと楽ですよ。
ところで、マグニくん、います?」
「ええ、いますよ」
保母はちょっと遠巻きに姫たちを見てる子どもたちを見て、
「マグニ!」
すると1人の男の子が1歩前に出ました。5歳くらいの男の子です。
「はい!」
保母はその男の子(マグニ)を見て、
「さあ、女王様にあいさつをしなさい!」
「はい!」
マグニは姫の眼の前に来て、
「お姉ちゃん、こんにちは!」
と元気にあいさつ。姫も笑顔で応えます。
「こんにちは」
マグニは姫の左手の袖がぺっちゃんこになってることに気づきました。
「あれ、お姉ちゃん、左手どうしたの?」
姫は右手で左手の袖を掴み上げ、
「あ、これ? これ、悪い悪魔に喰われちゃったんだ」
マグニはびっくり。
「ええ!?」
姫は準一を見て、
「でも、このお兄さんに助けてもらったんだ。だから今度この人と結婚することになったんだ。マグニくんも結婚式に来て欲しいんだけど、ちょっとムリかな?・・・」
姫は保母を見て、
「報告も済んだことだし、これで帰ります。あ、保母さんも結婚式に来て・・・」
保母はその発言を遮断するように即答。
「いや、私は身分が違い過ぎます。遠慮しておきます」
「あは、そうですか」
姫は右手を突き出しました。
「箒よ!」
するとこつ然と箒が現れ、その手に箒の柄が握られました。姫は準一を見て、
「準一!」
「OK!」
姫と準一はタンデムで箒に跨ると、箒はふわ~と舞い上がりました。姫は保母や子どもたちを見て、
「今度はお菓子を持ってくるからね、じゃ!」
2人が乗る箒はゆっくりとしたスピードで飛び去りました。子どもたちは一斉に手を振り、
「バイバーイ!」
保母はゆっくり手を振りました。準一は横目でその保母を見て、
「もしかしてあの保母さんが、君の曽祖母の生まれ変わり?」
「うん、そう。前世が見えるおばあさんに導かれおじいさまが行った場所が孤児院だった。あの時代この孤児院は、貧民街にあったそうよ」
「貧民街? よくそんなところに君のおじいさん行けたね。王様だろ?」
「自分を生んで育ててくれた人の生まれ変わりだからね。それにその頃の貧民街は、それほど危険な場所ではなかったそうよ。ま、今もそうだけど」
「それも君の曽祖母のおかげ?」
姫は微笑んで返答。
「うん、そうね。もうその頃の貧民街は曽祖母の改革のお蔭で、かなり潤っていたそうよ。
おじいさまはそのあとも、何回も何回もお忍びでその孤児院に行ったそうよ。そのうち保母さんは妊娠した」
「ええ、それって大問題になるんじゃ? 身分の差があり過ぎじゃないの!?」
「ふふ、その通り。王宮の中は上を下への大騒ぎになったわ。私はまだ6歳だったけど、そのときの騒動は今でも覚えてるわよ。
さらに驚く事実が発覚したの。侍従の1人が探偵を雇って調べてみたら、あの保母さん、立ちんぼやってたそうよ」
「立ちんぼ? 立ちんぼて街娼のこと?」
「うん、そう。あの保母さん、あの孤児院出で、そのまま保母として孤児院に残ったみたい。けど、運営資金がまったくないから、自分の身体を売らないといけなかったみたい。11歳から立ちんぼやってたそうよ」
「いくらなんでも早過ぎるんじゃないですか?」
姫は応えます。
「子孫を残すことも王の大事な仕事です。今この国の王室のファミリーは私1人だけになってしまいました。
私がいなくなったらこの国の王家は途絶えてしまいます。そうなったらノルン王国も終わってしまいます。だから一刻も早く子どもを作らないといけないんですよ」
「た、大変なんですね・・・」
「孤児院の経営と比べたら、ずーっと楽ですよ。
ところで、マグニくん、います?」
「ええ、いますよ」
保母はちょっと遠巻きに姫たちを見てる子どもたちを見て、
「マグニ!」
すると1人の男の子が1歩前に出ました。5歳くらいの男の子です。
「はい!」
保母はその男の子(マグニ)を見て、
「さあ、女王様にあいさつをしなさい!」
「はい!」
マグニは姫の眼の前に来て、
「お姉ちゃん、こんにちは!」
と元気にあいさつ。姫も笑顔で応えます。
「こんにちは」
マグニは姫の左手の袖がぺっちゃんこになってることに気づきました。
「あれ、お姉ちゃん、左手どうしたの?」
姫は右手で左手の袖を掴み上げ、
「あ、これ? これ、悪い悪魔に喰われちゃったんだ」
マグニはびっくり。
「ええ!?」
姫は準一を見て、
「でも、このお兄さんに助けてもらったんだ。だから今度この人と結婚することになったんだ。マグニくんも結婚式に来て欲しいんだけど、ちょっとムリかな?・・・」
姫は保母を見て、
「報告も済んだことだし、これで帰ります。あ、保母さんも結婚式に来て・・・」
保母はその発言を遮断するように即答。
「いや、私は身分が違い過ぎます。遠慮しておきます」
「あは、そうですか」
姫は右手を突き出しました。
「箒よ!」
するとこつ然と箒が現れ、その手に箒の柄が握られました。姫は準一を見て、
「準一!」
「OK!」
姫と準一はタンデムで箒に跨ると、箒はふわ~と舞い上がりました。姫は保母や子どもたちを見て、
「今度はお菓子を持ってくるからね、じゃ!」
2人が乗る箒はゆっくりとしたスピードで飛び去りました。子どもたちは一斉に手を振り、
「バイバーイ!」
保母はゆっくり手を振りました。準一は横目でその保母を見て、
「もしかしてあの保母さんが、君の曽祖母の生まれ変わり?」
「うん、そう。前世が見えるおばあさんに導かれおじいさまが行った場所が孤児院だった。あの時代この孤児院は、貧民街にあったそうよ」
「貧民街? よくそんなところに君のおじいさん行けたね。王様だろ?」
「自分を生んで育ててくれた人の生まれ変わりだからね。それにその頃の貧民街は、それほど危険な場所ではなかったそうよ。ま、今もそうだけど」
「それも君の曽祖母のおかげ?」
姫は微笑んで返答。
「うん、そうね。もうその頃の貧民街は曽祖母の改革のお蔭で、かなり潤っていたそうよ。
おじいさまはそのあとも、何回も何回もお忍びでその孤児院に行ったそうよ。そのうち保母さんは妊娠した」
「ええ、それって大問題になるんじゃ? 身分の差があり過ぎじゃないの!?」
「ふふ、その通り。王宮の中は上を下への大騒ぎになったわ。私はまだ6歳だったけど、そのときの騒動は今でも覚えてるわよ。
さらに驚く事実が発覚したの。侍従の1人が探偵を雇って調べてみたら、あの保母さん、立ちんぼやってたそうよ」
「立ちんぼ? 立ちんぼて街娼のこと?」
「うん、そう。あの保母さん、あの孤児院出で、そのまま保母として孤児院に残ったみたい。けど、運営資金がまったくないから、自分の身体を売らないといけなかったみたい。11歳から立ちんぼやってたそうよ」
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