80 / 143
80
しおりを挟む
若い女性彫師の説明が続いてます。
「ただ、私たちの世界ではこんな言い伝えがあります。
ある魔法円を身体に刻んでおけば、たとえ死んでも1度だけ蘇ることができる。でも、その魔法円は、ある程度マナの力がないと効果を発揮できないとも言われてます」
マナの力、この国でそれを持ってる人は、その時の王のみ。現在の王は姫。
ただ、異世界から来た準一もマナの力を持ってます。準一なら蘇りの魔法円の刺青の効果が現れるかもしれません。
けど、それ以前に、この魔法円、本当に蘇りの効果があるのでしょうか?
姫は横目で準一の背中の刺青を見ました。刺青は背中全体に彫られてるて感じ。もう1/3は彫られてます。ここまで進捗してたら、止めちゃダメだよね?・・・
姫は再び彫師に質問。
「あとどれくらいで終わるの?」
「2時間くらい、ですかね?・・・」
「ええ、そんなもんで終わるの?」
「私は彫師と言っても、筋彫りという線だけの刺青しか施術しません。刺青にボリュームを出すシェイディングや色を付けるためのカラーという施術は行いませんので」
「ふふ。じゃ、そのまま続けて」
それを聞いて準一は安堵の笑みを浮かべ、つぶやきました。
「よ、よかった・・・」
姫は近くのイスに座り、
「私はここで見てるから」
それを聞いて準一の顔は、今度は驚きに変わりました。
「ええ~?・・・」
彫師とその助手も焦り顔に。
「え~・・・」
さすがにノルン王国のトップに監視されてたら、なれてるはずの刺青の施術も、できるものではありません。それでも彫師は施術を再開しました。
準一は時々傷みを感じるたび、
「痛てっ!」
と声を漏らしそうになりますが、姫が見てます。自分は姫の護衛にしてフィアンセ。恥かしいところは見せられません。なんとか歯を喰いしばって我慢しました。
それから数時間後、ここは晴天下のノルン王国の上空。街並みのすぐ上です。タンデムで箒に乗ってる姫と準一の姿がそこにありました。
準一は背中に痛みを感じ、思わず声を発してしまいました。
「痛っ・・・」
どうやら入れたばかりの刺青がインナーに擦れたようです。姫は横目で後ろの準一を見て、
「刺青が痛いの?」
準一は照れ笑い。
「あはは・・・ そうみたい」
「それ、王宮の中の人には絶対見せないでよ」
「あは、やっぱダメなんだ・・・」
「なんで入れる気になったの、刺青を?」
「姫を守るためだよ」
姫は苦笑して、
「え、私のため?」
「うん。自分に何かあって死んじゃっても、姫がピンチになったら蘇って姫の生命を救おうと思ったんだよ」
今度は姫が笑います。これは照れ笑いか?
「ええ、私のこと、そこまで考えていたの?
でもねぇ・・・ この国じゃ、刺青を入れてる人は、2/3は娼婦よ。残りは男娼かジゴロ。準一がそんな人になっちゃうなんて・・・」
それを聞いて、今度は準一が照れ笑い。
「あはは・・・」
「そういや、以前港に来た船員が、身体中いたるところにに刺青を入れてたなあ・・・」
「へ~・・・」
「刺青に寛容な国がどこかにあるみたい、この世界には」
「オレの国でも刺青は裏社会の人間が入れるものなんだけど、刺青をたくさん入れてる人がいる国もあるんだよ」
「ふふ、どの世界でも似たようなものなんだね」
「ところで、どこに行く気なの? やっぱDVDのとこ?」
「うん。また2話から見ましょ、例のアニメ」
それを聞いて準一はニコッとし、
「うん」
準一はアニメオタク。たくさんのアニメを見てますが、その中でもパトロール魔女ジェニーはもっとも感動したアニメ。
「ただ、私たちの世界ではこんな言い伝えがあります。
ある魔法円を身体に刻んでおけば、たとえ死んでも1度だけ蘇ることができる。でも、その魔法円は、ある程度マナの力がないと効果を発揮できないとも言われてます」
マナの力、この国でそれを持ってる人は、その時の王のみ。現在の王は姫。
ただ、異世界から来た準一もマナの力を持ってます。準一なら蘇りの魔法円の刺青の効果が現れるかもしれません。
けど、それ以前に、この魔法円、本当に蘇りの効果があるのでしょうか?
姫は横目で準一の背中の刺青を見ました。刺青は背中全体に彫られてるて感じ。もう1/3は彫られてます。ここまで進捗してたら、止めちゃダメだよね?・・・
姫は再び彫師に質問。
「あとどれくらいで終わるの?」
「2時間くらい、ですかね?・・・」
「ええ、そんなもんで終わるの?」
「私は彫師と言っても、筋彫りという線だけの刺青しか施術しません。刺青にボリュームを出すシェイディングや色を付けるためのカラーという施術は行いませんので」
「ふふ。じゃ、そのまま続けて」
それを聞いて準一は安堵の笑みを浮かべ、つぶやきました。
「よ、よかった・・・」
姫は近くのイスに座り、
「私はここで見てるから」
それを聞いて準一の顔は、今度は驚きに変わりました。
「ええ~?・・・」
彫師とその助手も焦り顔に。
「え~・・・」
さすがにノルン王国のトップに監視されてたら、なれてるはずの刺青の施術も、できるものではありません。それでも彫師は施術を再開しました。
準一は時々傷みを感じるたび、
「痛てっ!」
と声を漏らしそうになりますが、姫が見てます。自分は姫の護衛にしてフィアンセ。恥かしいところは見せられません。なんとか歯を喰いしばって我慢しました。
それから数時間後、ここは晴天下のノルン王国の上空。街並みのすぐ上です。タンデムで箒に乗ってる姫と準一の姿がそこにありました。
準一は背中に痛みを感じ、思わず声を発してしまいました。
「痛っ・・・」
どうやら入れたばかりの刺青がインナーに擦れたようです。姫は横目で後ろの準一を見て、
「刺青が痛いの?」
準一は照れ笑い。
「あはは・・・ そうみたい」
「それ、王宮の中の人には絶対見せないでよ」
「あは、やっぱダメなんだ・・・」
「なんで入れる気になったの、刺青を?」
「姫を守るためだよ」
姫は苦笑して、
「え、私のため?」
「うん。自分に何かあって死んじゃっても、姫がピンチになったら蘇って姫の生命を救おうと思ったんだよ」
今度は姫が笑います。これは照れ笑いか?
「ええ、私のこと、そこまで考えていたの?
でもねぇ・・・ この国じゃ、刺青を入れてる人は、2/3は娼婦よ。残りは男娼かジゴロ。準一がそんな人になっちゃうなんて・・・」
それを聞いて、今度は準一が照れ笑い。
「あはは・・・」
「そういや、以前港に来た船員が、身体中いたるところにに刺青を入れてたなあ・・・」
「へ~・・・」
「刺青に寛容な国がどこかにあるみたい、この世界には」
「オレの国でも刺青は裏社会の人間が入れるものなんだけど、刺青をたくさん入れてる人がいる国もあるんだよ」
「ふふ、どの世界でも似たようなものなんだね」
「ところで、どこに行く気なの? やっぱDVDのとこ?」
「うん。また2話から見ましょ、例のアニメ」
それを聞いて準一はニコッとし、
「うん」
準一はアニメオタク。たくさんのアニメを見てますが、その中でもパトロール魔女ジェニーはもっとも感動したアニメ。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる