リトルクイーンのいけない魔法(Ｒ18＋)

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　娼婦の説明。
「この刺青を身体のどこかに入れておくとたくさんのお客さんに来てもらえるから、私たち娼婦の大半が入れてます。一種のおまじないですね」
　それを聞いて準一は、あるものを思い出しました。そして、
「ちょっと待って、ごめん」
　と言って立ち上がり、自分が着てたシャツを持ち、胸のポケットに手を入れ、入ってた紙片を取り出しました。
　この紙片は姫に連れてってもらった図書館と呼ばれる建物で見つけた紙片。謎の魔法円が描かれた紙片です。
　準一はその魔法円を娼婦に見せました。
「これ、なんだか、わかる？」
　娼婦は魔法円に添えられた短い文章を読みました。
「蘇よみがえりの魔法、ですか？　さあ、初めて聞きますよねぇ･･･」
　準一はちょっと考え、
「君の刺青は誰が彫ったの？」
「私たちが勤めてる娼館に出入りしてる彫師ですよ」
「その彫師に会わせて欲しいなぁ」
「ええ？　ま、いいですけど･･･」

　時間は流れ、今は翌日朝。宮殿内の長い廊下を姫が歩いてます。ちょっとウキウキ気分になってます。
　と、姫は観音開きのドアの前に立ち止まりました。ドアの向こうには準一と昨日の当番の娼婦がいます。
　姫は近くの壁に取り付けられた大きな時計を見ました。現在８時30分。姫は思いました。
「８時30分か。あと30分･･･」
　そう、昨日から今朝にかけて準一と同衾してる娼婦は、朝９時でその日の仕事は終了となります。つまり姫は、９時になれば準一と逢えるのです。姫は準一に会いたくて会いたくてしょうがないのです。
　しかし、30分はいくらなんでも長いような･･･
　９時まであと15分となりました。さらに時間は過ぎ、あと10分。あと５分、３分、１分･･･
　ボーンボーンボーン･･･ ついに時計は９時となりました。わくわくする姫。けど、ドアはなかなか開きません。１分経過、２分経過･･･
　姫は唖然。
「ええ～　なんで出てこないの？･･･」
　姫は原因を推理します。２人は別れを惜しんでるのかな？　まだドアを開けちゃいけないのかな？･･･
　でも、ドアはなかなか開きません。姫はついにしびれを切らし、ドアをノックしました。
「あの～　９時ですよ～　そろそろドアを開けてください！」
　けど、反応はありません。
「も～！」
　姫はついにドアのノブに手をかけました。すると、なんと鍵はかかってませんでした。びっくりする姫。
「ええ～　鍵がかかってない？」
　姫は観音開きのドアの片側を開けました。

　室内には誰もいませんでした。もぬけの殻です。姫は室内に入り、シーツがくちゃくちゃになったダブルベッドに触れました。
「どこ行ったの、準一？」
　姫は慌てて部屋を出ました。

　廊下に出た姫は、リネン係のメイド服姿の侍女を発見。その侍女に声をかけました。
「あ、ちょっと！」
　いきなり姫＝女王に声をかけられ、侍女はびっくり。
「ええ～？･･･ あ、はい！」
「奥の部屋にいた２人、どこに行ったのか、わかる？」
「あ、あの２人は１時間前くらいに出かけましたよ」
「ええ？」
　姫は考えました。２人はいったいどこに行った？　残り１時間、外で散歩？　いや、外でデートなんて、そんなの契約にはなかったはず？　娼婦はもう帰ったのかも？
　じゃ、準一はどこに行った？　もしや私より娼婦の方に興味が湧いて、娼婦について行った？･･･
　姫は慌てて駆けだしました。リネン係の侍女はそれを見て頭を捻るばかり。
「姫、どこへ？･･･」

　箒に跨り空を飛ぶ姫。準一がどこに行ったのか、姫に思い当たる節はありません。とりあえず娼婦がいる娼館に行ってみることにしました。
　姫の行く先に王宮なみの立派な建物が見えてきました。娼館です。
「あれだ！」